黒瀬令児(くろせれいじ)は、家族、教師、幼馴染、アイドル、小説家、そしてこの町。<br />そのすべてに縛られながら’ただ’生きていた。<br />それでも少年は、雪が降り注ぐ深淵(アビス)から、遠くにぼんやりと見える光のような何かに向かって歩き出す。<br />少年の生きることに希望はあるのか。<br />この先に光はあるのか。<br />’今’を映し出すワールドエンド・ボーイミーツガール、第九章――。<br />