ひとは悲しくなりたいとき、お酒を飲む。<br />――1ヶ月ぶりにバーへやってきた老婦人の倫子。<br />長年連れ添った夫の法要を終え、彼女は久しくお酒を楽しんでいた。<br />「ひとりになってしまって」 大きな氷がゆっくりと溶けながら、お酒の表情を刻々と変えていく。<br />そんなグラスを眺めながら、ふと倫子はモトカレを思い出して…お見合いや許婚の風習が残る1970年代へ、ラバーズ・エンド・イブが彼女を導いていく。<br />――オムニバス第五夜は’氷の恋’