那津への密かな想いをずっと胸に秘め続けてきた春影のもとに、突然すぎる事故の連絡。<br />その葬儀の席で見かけた那津の息子の秋治は、那津によく似ていた。<br />高校卒業を待たず母方の実家に帰らざるを得ない状況に悩む秋治に、思わず「うちに来る?」と提案する春影。<br />無邪気に喜ぶ秋治の姿に、ちくりと胸を刺す罪悪感。<br />その時はただ、彼と過ごすこれからの日々が、穏やかなものであることだけを願っていた。<br />