空のノートに愛(単話)
不慮の事故で母を亡くし漁師の父と二人で暮らしていたがその父も海難事故で帰らぬ人となってしまい悲しみに暮れる最上天(もがみてん)。
幼い頃から天に片思い中の幼馴染・愛下生央(まなかいくお)はこの先もずっと天を見守っていくことを心に決める。
が―、葬儀から数日後に一人の青年が天の元へ訪れたことから状況は一変した。
その男、佐渡島京(さどしまけい)から漁師だと思っていた天の父が実は『古井達』という著名な推理小説家であったことを聞かされた二人。
その財産管理を任されているという佐渡島に遺産を相続する権利があること、さらに父には内縁関係の女性と息子がいることも告げられ、驚きと同時に自分が天涯孤独ではなかったことを喜んでみせるがその心境は複雑な天。
佐渡島が帰ると「最後にするからちょっとだけ」と自分の胸で声を詰まらせ涙する天を抱きしめる生央だったが―…
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