「部屋の中にいつも女がいる。<br />女は絶えず砂を吐き続けている…。<br />」そう話すのは、父親から売春を強いられていた少女。<br />彼女の目にうつる不気味な女の正体とは――。<br />そんな奇妙な症例ばかりに興味を示し、警察にも協力を依頼されるのは、異端の精神科臨床医・沖名皐月。<br />その美貌と謎めいた性格から「魔女」とあだ名されている彼女は、人の心を視ることができるという。<br />現代人の心の病が生む、幻想と真実の診療録。<br />