扉の向こう、そこは物語の海――。<br />グリム、アンデルセンにも比肩する児童文学の金字塔、小川未明。<br />彼の美しい童話の世界を、新鋭・釣巻和が、私たちの生きる現代まで、世紀や世代を越えて、ていねいに掬い上げたとっておきの連作集。<br />不思議な看板に誘われてやって来た小川少年の行き着く先は? 豊饒の物語の海にたゆたい、ゆめとうつつのあわいで、少年は何を見、何を感じるのか? 読切「月のナイフ」も同時収録。<br />