酒に溺れ家庭を顧みない作家・大谷の妻は、貧しい生活に苦悩し、子どもの将来を悲観していた。<br />ある夜、大谷は何かに追われるように帰宅し、そこに「どろぼう」呼ばわりする夫婦が押しかける。<br />そこで大谷が手にしたものは一本のナイフ――。<br />しなやかに生きる‘妻’の視点で進む、戦後の「愛の姿」を問う物語。<br />