夏空に溶けて、恋(単話)
「ドキドキすると消えるんだ、俺」 目付きは悪いが至って平凡な高校生の藤瀬泰人は、はからずもクラスの人気者・清水郁馬の秘密を知ってしまう。
手が触れ合っただけで藤瀬の目の前から消えてしまった清水は、なんとドキドキすると姿が消えてしまうという不思議な体質の持ち主だった。
にわかに信じがたい話だが、清水が嘘を吐いている様子はない。
そして今後のためにも、ドキドキしても簡単に消えないように特訓をしたいので付き合ってほしいと頼まれ、断りきれず流されるままに了承してしまった藤瀬。
自分に触るだけで本当にドキドキするのだろうかと半信半疑だったが、清水は何かにつけて特訓と称しては藤瀬に触れようとしてくる。
夏の終わりが迫るに連れて、徐々に特訓内容がエスカレートしていき……。
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