リバースの塔
そこに悠久の歴史を眺めてきた一つの塔があった。
歴史とは巨大な塔から眺める景色に似ている。
この塔の窓から見る眺めは、角度こそ違え、どの階からも同じ風景が見渡せる。
歴史における人間模様もまた同じだ。
正義、悪、男と女、夢、挫折、そして愛と裏切り。
この作品はすべて読み切りの短編集であり、そこに描かれるのは少し不思議なストーリー。
【第1話 祖母の話】祖母の時代から続く女の宿業、繰り返される負の人生の不安と葛藤の果てに何があるのか。
【第2話 確かなもの】徐々に失われていく視力。
やがて乳白色の世界にいざなわれていく男が最後に見たものとは。
【第3話 分岐点】突然現れた複数のドッペルゲンガー。
それらは必ず失敗しない人生を示唆してくれる、しかしそれによって男の人生はどこに向かっていったのか。
【第4話 告白】永遠に繰り返される、ある日の告白、夢のまた夢の果てに何が待っているのか。
【第5話 右腕】交通事故で失った右腕の幻肢痛、しかしその幻肢痛が奇跡を起こす。
【第6話 妄執】母と息子の異常な日常、ゆがんだ愛情と妄執、そしてついに訪れる悲劇。
すべて単行本未収録作品ばかりを集めた短編オムニバス。
塔の名は「リバースの塔」様々な宿命や岐路に立たされた人間たちの運命をあなたはその塔の上から垣間見る…塔の名は「リバースの塔」あまたの人生を眺め続けた、異界の塔。
更新中です。しばらくお待ちください。