新宿を根城にして麻雀で生きている無頼の男、柏木謙二。<br />しかし彼には秘密があった。<br />勝負の世界に身を置き何物にもとらわれずすさんだ街を愛する姿とは裏腹に、彼自身は国会議員の息子として生まれ何不自由することなく育った身であった。<br />ただ一つ’生きる’ということをのぞいて。<br />ギリギリの生の実感、生の意味を追い求めて謙二は今日も麻雀を打ち続ける、いつの日か父を追い越すために。<br />表題作「麻雀無頼派」を含む全5作収録。<br />