「私には、恋人の才能がない──」マンガ家として活躍する「夢野らむ」こと、能條ユキ。<br />しかし恋人・チヒロとの関係は行き詰っていた。<br />付き合う前はもっと、お互いの心に踏み込めていたはずなのに……。<br />彼に身体を預けても、今やキスさえしてこない。<br />マンガ家で在り続けるためにも、彼の存在は不可欠なのに。<br />……もし私がマンガ家でなくなったら、一体何が残るだろう?都会の片隅で生き抜くマンガ家・ユキの健気で、いびつで、ちょっと残酷な恋の物語。<br />