あらぬ冤罪で第五騎士団を追放され、魔族領に隣接する辺境へと派遣されたロルフ。しかし辺境で待っていたのもやはり、神に棄てられた者へ対する差別の日々だった。その中で彼は、自分と同じ’煤まみれ’と蔑まれる魔族の奴隷少女、ミアと出会う。何故この罪なき子供が悲しみを強いられているのか。魔族は本当に滅ぼすべき邪悪なのか。ミアと過ごす毎日は、ロルフの心の中に、ある決意をもたらす。そして赴いた魔族領で彼が見たものとは。至った覚悟とは。「俺に約束を守らせないつもりか? そうはさせるか。そうはさせるものかよ」人間と魔族の終わりなき抗争。謂れなく流される血。正しき人たちの零す涙。非情な運命を許せぬロルフが手を伸ばした時、その手に握られていたものは──。「さあ──決着をつけよう」神に棄てられ、蔑まれ続けた’煤まみれ’の、世界への叛逆がついに動き出す──!