一人の中にいる二人の少女「秋玻」と「春珂」。彼女たちと恋するなかで、僕は「自分」がわからなくなってしまう。 ――僕って、どんなやつだったっけ? 明るい作り物の僕と、その裏にいた繊細な、本物の僕。……本当にそうか? 春休み。再び明るくなった僕は、支えてくれる秋玻、春珂と一緒に、自分を探しはじめる。そして入れ替わりの時間が短くなってゆく彼女たちにも、同じように自分への疑問に向き合うときが来る。「――わたしたちって、二重人格って、なんなんだろう?」 二重人格の彼女とともに過ごした一年を辿り終えたそのとき、僕は終わりゆく「彼女たち」の最後の願いに触れる――。 僕と彼女と彼女が紡ぐ、切なく愛しい、三角関係恋物語。