君は「これでもうおしまいだ」と思ったことはあるかい? 僕、才牙虚宇介はいつもそんな感じだ。未来は閉じていて、自分にできることはないって思ってる。しかし世の中は僕らにあれこれやらなきゃ駄目だっていう。正直うんざりだよ。できないことを無理にやらされるのを避けるには、きっと世界を征服でもしなきゃならないんだろうな……謎のエンペロイダーを巡る戦いは最終局面に突入する。すべての始まりの地‘牙の痕’に人々が集まってくるとき、避けられぬ破滅が口を開く。統和機構も無力で、奇蹟使いも戸惑い、影の皇帝も滅び去り、最強の戦士も道を見失い、虚無の女王さえ絶望する闘争。その螺旋が渦を描く果てに、最後まで立っているのは誰なのか……? 上遠野浩平が贈る「螺旋の王」エンペロイダーを巡る闘いの物語、書き下ろし「intro duction」を加え、ついに完結。