切れ長の目、高い鼻筋、あまりに整いすぎていて人工的な匂いさえする顔立ち……。宿敵・佐田奈暁、すべては奴が描いた筋書き通りに事が進んでいる。‘D’ことドッペルゲンガーが世界各地に出現し、大量の自殺者が出ていた。また混乱に乗じて白人たちによる有色人種への弾圧も始まった。世界規模での人口減少……このまま人類は滅びの道を進むのか、それとも逆に進化をもたらすのか。人類の存亡をかけた姿なき敵との闘いは、ついに決着を迎える! 乱歩賞作家が挑む伝奇SFアクション巨篇、第3弾。●石井敏弘(いしい・としひろ)1962年、岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学卒業。1987年、第33回江戸川乱歩賞を『風のターン・ロード』で受賞。岡山商科大学でミステリーを主体とした文学の教鞭を取りつつ、ミステリー・イベント用原作小説の書き下ろし他、現在は脚本家としても活動。