「ほんっと最低、冷血ビッチ」。――周りの人間に嫌われて、悪評ばかり囁かれる。近づけば騙されるはず、利用されるはず。だから誰も近づかない。今日も誰からも話し掛けられず、SNSで生徒や教師の一方的な見張り・監視をしていた。上手く個人情報を隠している生徒もいるが、クラスの七割は特定できている。『ワルイオトナ』が居るのも知っていた。そんなある日、親しげに私に話しかけたのは、鶴城だった。明るく爽やかな優等生で、クラスの人気者。だが、彼の話は「イイコでいるのも飽きたし、俺も仲間に入れてよ」「……仲間?」聞き返すと、鶴城は顔を近づけたまま囁いた。ひどく歪んだ顔で。「『ワルイコ』の仲間。同盟を組もうよ」何なのこいつ…?(この作品はウェブ・マガジン:ジョシィ文庫 Vol.4に収録されています。重複購入にご注意ください。)