【あらすじ】広告代理店に勤める27歳のOL・葉山椎は終電で寝過ごしそうになっていたところを、見知らぬ男性に起こされる。後日、彼は椎のアパートの隣室に越してきた上、椎の会社に中途入社!? 初めて会ったはずなのに、椎の心が手にとるように分かる彼・神谷梓を、気の利いた隣人&同僚だと思っていたが…神谷には驚くべき秘密があって! 第9回らぶドロップス恋愛小説コンテスト、審査員満場一致の最優秀賞受賞作。プリシラブックス(新潮社)で書籍化。【コンテスト選評】◆新潮社プリシラブックス編集部◆最終選考に残った作品はいずれも力作ぞろいで、とても楽しく選考させていただきました。今回のテーマは「運命の恋」。この普遍的なテーマをいかに物語に深く取り込めるかが、評価のポイントになりました。(中略)とある事情から、ヒロインを守るためだけに生きる謎の同僚・神谷。その「事情」がユニークで面白いのですが、彼のヒロインを大切に思う気持ちが作品全体からひしひしと伝わってきました。一生懸命仕事に取り組むヒロインも好感が持て、彼女が失敗を重ねながらたどり着く幸せなラストには、きっとたくさんの読者が勇気づけられると思います。 ◆らぶドロップス編集部◆「運命の恋」。このテーマのもとに、一番多く集まったのは「初恋の人との再会」を描いた作品でした。(中略)本作は、選考側の予想を裏切る‘運命の恋’に出会わせてくれました。ヒロインの前に突然現れた謎めいた男性。彼女には、彼の記憶はまったくないのに、彼はどうも彼女のことを知っているようなのです。急接近していく二人、なのになぜか結ばれそうで結ばれない…。ミステリアスな作品ですが恋愛のときめきやモヤモヤもしっかりと描かれていて、特にラブシーンの巧さはダントツだったと思います。