文化大革命(1966-1976)、若者が赤い旗を振り、毛主席語録を振り上げ歩く姿がイメージされるであろう。これが中国全土を席捲した。官僚も、文化人も、資本主義の道を歩む反動として打倒された。彼らも革命のために生き続けるという信念があった。李城外は文革終息後の文化人たちの「追憶」を記述した。同じ境遇にあった複数の文化人の思いが語られている。文革の実態をより客観的に知ることができる。事件当事者たちの生の体験は、事件を共有させ、せめて同じ過ちを繰り返すまいとする人々の誠意と哀切が込められている。すべての事件が風化するという社会事象の中で、私たちに時代を生きるとはどういうものであるかを示唆している。下巻に登場する人物:楼適夷(‘左聯’の元老)/蕭乾、文潔若夫妻/厳文井(作家)/金冲及(歴史学者)/宋木文(新聞出版署署長)/陳早春(人民文学出版社社長兼総編集)/王世襄(都の奇人)/許覚民(文学評論家)/程代煕(学者)/楊子敏(『詩刊』誌主編)/謝永旺(『文芸報』誌主編)/崔道怡(『人民文学』誌常務副主編)/周明(中国現代文学館副館長)/楊匡満(『中国作家』誌副主編)/閻綱(文学評論家)/王蒙(作家)/舒乙(老舎先生の息子)