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【日本文学】タグのライトノベル・小説

「頼んだぞ、約束だ」目を見て頷いた。優しい目で父は、よしよしというように二度頷いた。一年経った祥月命日の頃には、私の生活は父が生きていた頃とほとんど変わらない毎日に戻っていた。しかし、時々はふっと思い出す。あの時、父は私に何を頼んだのだろうか、父と何を約束したのだろうか。葬儀の日に大人たちが私に言ったこととは違う、何か特別の大事な約束だったのではないかと。第3回人生十人十色大賞長編部門最優秀賞作品。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
旗本・梶川与惣兵衛は、「あの日」もいつもどおり仕事をしていた。赤穂浪士が討ち入りを果たした、世にいう「忠臣蔵」の発端となった松の廊下刃傷事件が起きた日である。目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として、彼はどんな想いを抱えていたのか。江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた物語。第3回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
区役所に勤める29歳の葉子は、恋人の政博と暮らして7年になる。穏やかで優しく仕事熱心な政博。しかしどこか掴みどころがなく、本心がわからない。ある日葉子は、政博の過去を知っているという明日香と名乗る男と出会い…。汚した覚えのない床の染み、そこここに現れる不気味な蝿、不快な異臭、そして帰らない恋人。平凡な日常にぽつりと落ちた違和感が、波紋のように広がっていく。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
いつだっただろうか。ふと義母が言った「言葉」に私は救われた──マレタイムでいこう。その言葉は大好きなホットコーヒーを飲んだ時のように心の奥に沁み込んでいき、どうしようもない現実に、ただ悔しく、悲しむことしかできなかった私を救ってくれた。そうだよ。希のペースで、希の時間でゆっくりやっていけばいい。大丈夫、私は生きている。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
2020年バレンタインプロジェクト 文芸社 Loves TOKYO FM『聴いて、マイ ラブストーリー』最優秀賞受賞作品。年相応にシワを刻んでいるが、若いころはさぞかし美人だったのだろうと思わせる上品な横顔のおばあちゃんには秘密があった。それは、記憶のピースをなくしてしまったこと。すべてのピースがそろわなければ、人生というパズルの絵は完成しない。教員になるかお嫁さんになるか、人生の岐路に立った私は、おばあちゃんとなくしたピース探しの旅に出る──。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
「第4回草思社・文芸社W出版賞」文芸社金賞受賞作品。孤独だがそれを苦としない高校生・街端路人は文芸部の合宿で山荘に来ていたが、そこは窓に鉄格子がはまり、正面玄関からも脱出不可能という異様な施設だった。そのうえ他の部員たちは似ても似つかない中年男を顧問の教師だと思いこんでいる。状況の異常さに気づいていた街端と4人の部員たちは職員に気づかれないように施設内を調べはじめる──。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
殺人事件の容疑者として誤認逮捕された経験を持つ阿部は、幼少期より警察に憎しみを抱いていた。時は経ち、彼は「つかまり屋」として暗躍する。そして、ついにきた殺人犯としてつかまるチャンス。犯罪とは、創るもの──周到に用意された筋書きに警察は翻弄される。知謀をめぐらせ、巧妙に犯人の身代わりとなる男と犯人逮捕に焦る警察との攻防を描く推理小説。どちらに軍配が上がるのか。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
ルリが突然いなくなった。天真爛漫で、周りを元気にしてくれる女の子だと思っていた親友の意外な一面。なんでもわかり合えていると思っていたのに……。判明する事実に驚き、つい抱いてしまう孤独感や不信感。それでも彼女を求め捜し続けるうちに、いつの間にか自分自身と向き合っていく。無意識にふたをしていた心の傷を乗り越え、成長する物語。第47回泉鏡花記念金沢市民文学賞受賞作。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
真那は小さな頃から神様が見えた。そう、ずっと友達。神様に守られ、まっすぐに成長した彼女は、学校で一番と言われるイケメンの涼介から告白されたことで、彼に好意を寄せていた同級生から恨みを買ってしまう。そんな時、真那の身に起きる異変。身勝手な気持ちでかけられる安易な呪詛。涼介の持つ’見える’力。呪いはどこへ返るのか? そして、神様、真那、涼介をつなぐご縁とは?
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
神社で働く22歳の芽衣子は、ある日、妙な男に赤い玉手箱を渡される。軽い気持ちで箱を開けると、なんとそこは海の上!? 男ばかりの商船に助けられた芽衣子は、メイと名乗り少年のふりをして船で働き始める。雑用係としての仕事、無人島の幽霊事件、お祭りの船競争、そしてイケメンのレヴィ船長にドキドキ!? メイの異世界での毎日は大忙し。元の世界に帰れる日は来るの──?
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
「一緒に飛んでもらえないだろうか、未来のドイツのために」。第二次大戦末期、独空軍中将ガーランドは、激化する米英軍の攻撃に対抗するため、極秘に製造を進めていた戦闘機「ワルキューレ」に乗り込む精鋭部隊を結成する。敵の300機に対し、わずかに5機! 圧倒的に不利な状況に置かれながらも、愛する人を守るため、愛する祖国を守るため、軍人たちは誇りを胸に立ち上がる。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
「秀吉がねつ造し、軍記物に汚染された戦国史を今一度洗濯いたし申し候」刑事・民事の裁判には、判決が確定した事件について、法に定められた事由がある場合に判決を取り消して、裁判の審理をやり直すよう申し立てることができる。歴史捜査で得られた光秀謀反の定説・通説の変な話、定説・通説を支えているこれまでの研究の変な話をどうやって暴いて真実に迫っていったかを明かす。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
高校1年生のソラは、天体観測の途中で数多の流れ星とともに落下する不思議な物体を目撃する。駆けつけると、そこには緑色の髪をした女の子が立っていた。ヒカリと名乗る少女はソラの高校に転入し、すぐに学園のアイドルとなっていく。ところが、ある日二人は謎の組織に誘拐されて……。ソラとヒカリ、愛し合う二人の世界は、学校を、日本を、やがて地球を、宇宙を巻き込んでいく──。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。母親が犬のブリーダーだったにもかかわらず、無関心だった作者は、ある日最高齢の犬が産んだ超未熟児を発見する。わずか90グラムしかなく、心停止を起こしていた。懸命の措置を施し、どうにか一命をとりとめる中で、母性の目覚めに気づく。その未熟児に「友達」を意味する「アミ」と名づけて世話をするうちに、最強の親バカに…。人と犬との笑いと絆を描いたコミックエッセイを文庫化。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
青と赤の双つの星の怪しい飛行の一件は、様々な噂をうみながら、月日と共に迷宮入りとなった。目撃者の一人である龍一は、これを「女の生首(だれかが自分を呼んでいる)」と見た。そんな中、とある求人欄に、以前の生首に似たイラストを発見する。導かれるように面接に行った龍一は、そこで美少女・依子と出会う。依子の家族にはかつて驚くべき奇蹟が起きていて──。解説/東雅夫。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
週に一度だけオープンするフレンチレストラン「シャルール」には様々なお客様が来店します。結婚前夜の娘と父親、仲直りのきっかけがつかめない女子大生、亡き夫との思い出の一皿を探す老婦人、’もう一人’のお客様といらした老紳士──極上の料理とワインと共に紡がれる6つの物語のア・ラ・カルト。土曜日の夜にだけ訪れる誰も知らない小さな奇跡。感動と癒しのひとときを召し上がれ。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
競泳選手として将来を有望視されていた夏子。高校生になったばかりのある日を境に彼女の生活は一変した。他人の視線に怯え、引きこもる日々。そんなある時、夏子は小学校の同級生・沙耶花と偶然再会する。以前とは違う生き生きとした沙耶花、その独特のペースに夏子は巻き込まれてしまう。実は沙耶花は…!? 少女の心が解き放たれる、真夏の三日間の物語。第2回文芸社文庫NEO小説大賞受賞作品。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
同級生・宮里の突然の死を未だ受け入れられない茜は、彼女との思い出を繰り返し夢に見ていた。家族との問題に苦しみながらも、自分が変わってしまえば宮里を本当に失くしてしまいそうで、一歩を踏み出すことができずにいた。茜の葛藤を描いた青春小説。第1回文芸社文庫NEO小説大賞受賞作品『あかね色の空に君を想う』とその後の物語『思い出のハンバーグ』を併録。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
「第1回 人生十人十色大賞」長編部門最優秀賞作品。年齢を重ねると抗えない人生の流れを強く感じる時が訪れる。懸命に抗っても、結局その流れに身を任せてきた。振り返ればいつも、何でもやってやれ! の精神で凸凹人生を通り過ぎてきた。そこで以前から書きたいと思っていた実家と婚家の話を昭和の風景をからめて書き始めたが、改めて昭和の時代は面白かったと思う。昭和から平成、そして新しい時代へと引き継がれる、ある家族の物語。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
兵部の君こと源基子は、東宮・尊仁親王の第一王女に仕える女房。ある日乳姉妹の中納言の君から「京極殿(右大臣藤原師実)の子を授かった」との手紙が届く。乱れた世相の中、東宮御所には怪物・鵺が現れ、妊娠した中納言の君はやつれ果て、兵部も御所に「穢れ」を持ち込む。事態は人智を超えて錯綜し、愛憎の糸は複雑に絡み合う。時代を超えて紡ぎ出される平安デウス・エクス・マキナ劇。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
東京本社から大阪営業所へ転勤してきて三年。いやがらせのような会社の辞令に従いなんとかやってきた。地元を出て一生懸命に働き、気づけば30代も半ばを迎えていた里咲は、高校球児だった恋人への断ち切れない想いを抱えたまま、母校が出場する甲子園に向かう。そこで出会った一人のおっちゃんとの交流を通じ、彼女の気持ちはどう変化していくのか。切なさが漂うノスタルジックな物語。
公開日: 2022/07/01
ライトノベル
 
祖母の残した錬金術道具を使い、錬金術に夢中になる少年スヴェイン = シュミット。彼は5歳になったとき、『職業』を授かる『交霊の儀式』にて’なにものでもない’を意味する職業【ノービス】を授かる。それは、特に秀でた分野も苦手な分野もない不遇な最下級だと思われている『職業』だった。しかし、’なにものにでもない’とは’なにものにもなりうる’ということ。実は【ノービス】はすべての才能をほんの少し持っている『職業』であり、努力次第で様々な力を手に入れることができる、とてつもない『職業』だったのだ!それまでの実績で職業が変わる10歳の『星霊の儀式』で目指すのは、【錬金術師】系統の職業。初級職しか授かれなかったため、実家の貴族家から勘当されてしまった少女アリアと一緒に日々研鑽を積むスヴェインだったが、聖獣たちを助けたことにより、その目標を大きく変えていくことになり……。少年と少女と聖獣たちが織りなす、’なにものにもなれる’物語、ここに開幕!
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
今、最もホットな「拷問」がテーマの衝撃の問題作。魔女が魔女狩りに恋をして…? エグくてエモくて愛しい2人の少女の物語。人魚が泡になり、毒が飛び散った。滅びに直面した世界で、君は魔女狩りに選ばれた。私は毒を浴び、右目の魔女になった。数多の魔女を狩って世界を守った魔女狩りは、自らの死を求め、右目の魔女のもとを訪れた。殺意を死で返す返報の毒を有する右目の魔女は、ただひとり、不死の魔女狩りを殺せる存在だったから。ただし、魔女狩りが右目の魔女を殺したいほど憎めたのならば。右目の魔女は、待ちくたびれていた。いつまで経っても自分を狩りに来ない魔女狩りの遅すぎる到着に、憤りさえ覚えていた。それでも右目の魔女は、魔女狩りへの協力を誓った。右目の魔女が、私が、君に恋をしたから。最後の希望に殺意を抱かなければならない、魔女狩りが陥った最悪の自己矛盾を解消するため、右目の魔女は提案する。「これまでに君がされて嫌だったことを、私がやるのはどうかしら」「……拷問ですね」。 魔女狩りは語り始める。長靴、オーストリア式梯子、掃除屋の娘……凍える寒い冬、廃墟に監禁され、絶え間なく浴び続けた暴力と苦痛についての記憶を――。そして、右目の魔女と魔女狩りは、かつて魔女狩りが受けた拷問を再現するため、工夫と失敗、工作と成功を積み重ねる。柿バターをたっぷりのせたトースト、桜木町駅前広場のチョコアイス、赤レンガ倉庫の飲茶――ひどく暑い夏、ふたりで横浜を歩き回り、他愛ないおしゃべりに耽りながら。魔女と魔女狩りは拷問と日常を往還し、互いを知っていく。望む結末から遠ざかってしまうと理解しながら、少しずつ惹かれあう……。どうでもよさそうな曇り空の下、拷問とガーリーな日常が始まる。「ガール ミーツ ガール」と呼ぶには裏表がありすぎる、二人の少女の物語。中野 在太(ナカノアルタ):静岡県在住。本作にてデビュー。とよた 瑣織(トヨタサオリ):ライトノベルの挿絵やゲームのイラストを手掛ける人気イラストレーター。ライトノベル作品に『棺の魔王』『魔王の処刑人』(共にヒーロー文庫)、『伝説の勇者の伝説』など多数。
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
ある日を境に、夢で’視点’を共有しはじめた玲人と奏空。その不思議な現象が、古来伝わる「恋姫伝説」と関係しているらしいと知った二人は――。短冊への願いが巻き起こす、一途で無謀な七夕ロマン。【神映湖の恋姫伝説】およそ千年も昔、とある村に愛し合う男と女がいた。しかしイジワルな天の神様がお告げをする。『男は別の娘と結ばれるのが相応しい』と。奇しくもその日は七月七日――七夕の日だった。愛する人と引き裂かれた娘は、このような運命の者は自分で最後だと、人々の恋を助けるようになる。そして娘はいつしか恋の神様、「恋姫」と呼ばれるようになっていったのであった。
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
平清盛を中心とする平家一門の興亡に焦点を当て、源平の勇壮な合戦譚の中に盛者必衰の理を語る軍記物語。音楽性豊かな名文は、琵琶法師の語りのテキストとされ、後の謡曲や文学、芸能に大きな影響を与えた。※本電子書籍は『平家物語(上)』『平家物語(下)』を1冊にまとめた合本版です。
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
大きな料理屋「しの田」のひとり娘である真阿。十二のときに胸を病んでいると言われ、それからは部屋にこもり、絵草紙や赤本を読む毎日だ。あるとき「しの田」の二階に、有名な絵師の火狂が居候をすることになる。「怖がらせるのが仕事」と言う彼は、怖い絵を描くだけではなく、普通の人には見えないものが見えているようだ。絵の犬に取り憑かれた男、’帰りたい’という女の声に悩む旅人、誰にも言えない本心を絵に込めて死んだ姫君……。幽霊たちとの出会いが、生きる実感のなかった真阿を変えていく。
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
本当に天才だったのか。―本当に狂人だったのか。大正時代を流星の如く駆け抜けた作家、島田清次郎。二十歳で空前のベストセラーを生み出し、二十五歳で精神病院へと収容される。その数奇な一生を現役精神科医がたどりなおす新たな人物伝。
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
『青く滲んだ月の行方』(青羽悠)と繋がる、共感度120%の青春小説。<第1話 さんざんな朝>就活生の皐月は、あるレコード会社の面接で「あなたを売ってください」という質問を受ける。自分を商品にした時の魅力はなんなのか、うまく答えられず、落ち込みながら今日も1人反省会をする。そんな中、大学の先輩のSNSで、恋人の浮気場面らしき写真を見つける。社会人で、皐月の就活に興味がなさそうな彼とは、最近うまくいっていない。自分の気持ちに正直に生きたいけれど、私だけが何にもなれずに取り残されてしまうのかーー?<第2話 砂が落ちる>「好き」は終わりの始まりだ。パパもバイト先の先輩も、彼氏も、マッチングアプリで出会った男の子たちも、みんなあたしの元からいなくなった。わかっているはずなのに、大学2年生の愛衣は新たな誰かを探す衝動が抑えられない。それはまるで、「いらない」と思われた自分を傷つけるかのようだった。砂時計の砂が落ちていくように、人間関係にもタイムリミットがある。それでも、と願う愛衣が出した答えとは?<第3話 手紙>大学生の井ノ坂文は、SNSで人気のシンガーソングライター・ふみとして活動している。活動当初から、自分の経験をひとつずつ切り出して楽曲を作っていた文は、誰かの「自分のための曲」を作ることはできても、楽曲を通して誰とも繋がれないことに不安を感じていた。新曲の制作が進まずもがく彼女は、ふと男子高校生の自殺のニュース目にすると、彼のために曲を書こうと思い立ち――。<第4話 あと一歩>「男女の友情なんて成立しない」。男同士、女同士だって、友情が成立しないことはあるのに、どうして男女の間だけーー?智子が、愛衣と涼太と飲む場所は、ラブホテルが定番となっている。終電も気にしなくて済むし、いつでも寝られるし、お店で飲むよりも安く済む。恋バナをしたり、就活の相談をしたり、定番となった三人で飲む時間だったが、その中で智子はある思いを抱えていてーー<第5話 色を変えて>大学4年、11月。まだまだ先が見えない毎日を送る皐月は、キャリアセンターで相談してみることに。「やりたい仕事が分からない」と打ち明けると、「自己分析」をしてみては、と勧められた。面談を終えてスマホを見ると、サークル仲間の奈美から卒業旅行の誘いのLINEが。自分がいることで気を遣わせるのも申し訳ない、と不参加と返信すると、奈美から電話がかかってきた。「それでも私は皐月のこと、大事な友達だと思ってるよ」友達って何なのか、そして、私って一体どういう人間なんだろうーー?
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)と繋がる、共感度120%の青春小説。<第1話 端正な夜>早々に内定が出て就活を終えようとしていた中、恋人の咲良に別れを告げられた隼人。彼女とは1年半付き合っていたはずなのに、あまり胸は痛まないことに動揺する。サークル同期の皐月は、自分の好きなことを活かせるクリエイティブな業界に就職したいらしい。それに比べて隼人は、手堅い企業ばかり狙って受けていた。恋人と別れて「悲しい」、サークル活動が「楽しい」、あの会社に「就職したい」。それは、本当に自分の感情なのかーー?<第2話 街の地球人たち>大学2年生の大地は、女の子を絡め取って日々を過ごしている。夏休み前に友達の俊也の家を訪れると、彼の様子がどこかおかしい。聞くと、彼の人生を狂わせた「腐れ縁」の女とまた連絡をとっているらしい。「そんな女、もうやめとけよ」そう俊也に諭す大地だったが、俊也の想いは理解ができるものではなかった。サークルのあの子も、マッチングアプリで出会ったあの子も、幼なじみの俊也のことさえも、全然わからないーーそうもがく隼人がとった行動とは?<第3話 途方>留年続きで三回目の大学二回生となってしまった和弘は、ついに両親にバレて学費を止められそうに。気は進まないが実家に帰らなくてはならない――。大学の喫煙所で出会った綾香が、なぜか和弘の帰省に付き合うと言い出し、一緒に海沿いの故郷に帰省することになった。きっと二人なら。大学に入ってからはずっと「何かが違う」と感じていた和弘。過去と現実の間で揺れる、二人の逃避行が始まる。<第4話 αを待ちながら>クラスメイトのAが自殺した。放課後、校舎の三階から飛び降りたらしい。演劇部のBは、それから何故か脚本が書けない。空想の悲劇とは違う、本物の悲劇。今まで書いてきた不幸な出来事について、自分は何を思っていた? 無自覚な残酷さについて思い悩むBは、非常階段でαと出会う。どうやら、彼女もAの自殺について考えることがあるようでーー<第5話 逆三日月>就職して2年半、不意に思い立った隼人は、サークルの後輩の大地と一緒に、大学の学園祭に顔を出した。当時はあんなに馴染んでいた構内だったが、今は場違いな気配を感じるように。いつまでも続くと思っていた学生生活が今となっては遠く、そして、当時は心に秘めていた自分に対する葛藤や悩みも、すっかり過去のものになってしまったと気がつく。一方で、最近の大地は、最近の大地は、特別な女性との付き合いを続けているらしくーー
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
戦争を知る最後の世代の著者が届ける自伝的物語。人生は出口(正解)の無い超巨大迷路やりたいことが見つからなければとどまった所が自分の居場所と思い定めてベストを尽くせ(本文より)本作は、著者自身の体験にフィクションの要素を加えながらまとめた自伝的物語である。人生という超巨大迷路の中で、自由を求める現代の人々に宛てられた第一作だ。戦争・差別・テロ等準備罪など、現代を生きる人々が無視できない多くの社会事象の背景には、いつの世も変わらない禍々しさが見え隠れする。著者は物語の中で、現代の幅広い社会事象を整理し深化させようとしている。今や自由を束縛しうるのは政治(権力)のみである。「戦争を知る最後の世代の著者」が、物語を通して描きたかった、人生の本質とは―。
公開日: 2022/06/30
ライトノベル
 
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