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【日本文学】タグのライトノベル・小説

2人は会話で映画をつくる。夜の中で夜の映画を男女がいる。季節は秋。もう真夜中だ。しかし、女性にはこれから仕事がある。毎週の決まった仕事だが、行きたくない、このまま帰りたい、そう思う日だってあるだろう。今日がまさにそうだ。「このまま帰って2人で映画を観たい」。その思いはしばらくは叶わないから、女が主演を演じる映画を2人で想像してみる。クルマで目的地に着くまでの時間、その映画ならざる映画、言葉で建てられた映画が上映される。さて、それはいったいどんな映画だろうか。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
灰皿から始まり、やや遠くまで歩く劇作家であり、小説家でもあったチェホフは、かつて「ぼくは何でも書く。目の前に灰皿があれば灰皿の短編を躊躇無く書く」と言い、これはチェホフの創作に対する考え方を端的に表現したエピソードとして知られている。この片岡義男の短編は、まさにそのようにしてできた作品ではないか。目の前に灰皿があれば、あとはそこに人物を配し、場所を設定し、どんな季節か、どんな身分か、といった要素が加味され人物の過去なども語られると、なおも作品はおもしろくなる。灰皿から始まって、読者はなかなかに遠くまで行くことができるのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
かつて優しかった女性と、今、目の前で優しい女性のあいだで、彼は泣くもう4年前に終了したラジオ番組を、一晩だけ復活させる。それも、たった1人の女性を喜ばせるために。そんな荒唐無稽なことが起こりうるだろうか? と思うが小説であればそれはもちろん起こるし、テレビではなくラジオという小さな、親密なメディアであれば、可能性は高くなる。チームはかつてと同じようにすばらしく機能し、無事に番組の収録は終わる。だが…この試みの陰には、一つの悲しみが、悲しみのための涙があったのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
彼女を泣かせるために彼がしたこと片岡義男の小説には美人しか登場しない、といっても過言ではないがこの小説の竹田恵理子もむろん、相当な美人だ。頭と顔の造作、そのバランスはあまりに完璧で完璧すぎて平凡さに近づく、という矛盾ギリギリの領域にある。そしてある時、その完璧さが一気に崩れる瞬間が訪れる。その不意打ちは周到に計算されたものであったが、ごく短い時間の中で起こる激しいアップダウンは読者を動揺させるだろう。それが小説の力、である。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
現実と現実ならざるものこの本の仕組みは「あとがき」に作家自身が書いている内容につきる。フィクションとしての小説に1人の女性の主人公がいてその女性はフリーランスのエディターであり、彼女が作ろうとしている、受け取ろうとしている新たなフィクションこそ現実のこの『タイプライターの追憶』という小説である、というような構造だ。現実とは何か。小説とは何か。その関係は?エディターの彼女が経験する激しい感情の波とその後の凪の中にその秘密を解く鍵が隠されているのかもしれない。※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
スポーツと気晴らしのほかに、何も必要ではない君を喩えるならスポーツだ。君はほんの気晴らしだ。もしそんなふうに男から面と向かって言われたら実際にはほとんどの女性は腹を立てるかもしれない。しかしそのスポーツも気晴らしも人生においてそれ以上価値のあるものがない至高の存在だとしたら?いや、スポーツにも気晴らしにも「至高」は似合わない。聡明な2人の女性と、たぶん女性たちほど聡明ではないがその女性たちから愛されている2人の男たち、その4人の物語。歳月はあっという間に10年経過し、しかしこのベスト・ユニットは崩れない。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
父を「あなた」と呼ぶ娘が差し出す、スプーン一杯の光不思議な短編である。不安定の中に一時的にできたエアポケット、あるいは台風の眼、のようにも見えるし、案外、これはこれでゆるぎない安定のようにも見える。高原のコテージに複数の夫婦が集まり、その中で最も落ち着いているのは14歳の少女であるように見える。彼女が「あなた」と呼ぶ男との関係はこのあと果たしてどうなるのか、それはわからない。お気に入りの紅茶を淹れ、スプーンに「ほら」とばかり月を映してみせる14歳の心の中は誰にも予測できない。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
2人と2人で4人。男と女で性別が2つ。17歳の夏は今この時だけ本作の最後に付いている「著者との会話」では「オートバイは十七歳にもっとも似合うと、ぼくは思っているからです」という言葉がある。その言葉通り、男2人は17歳で女性の1人も17歳、もう1人の女性は留学期間があるため18歳だ。人をくったようなタイトルに関連するシーンはラストに現れ、同じく「著者との会話」で「ストーリーの中心」とされているが読者にはこの言葉を真に受けない自由がある。4人とはいったい何か。それが真の主題だといったらおそらく野暮になるが間違いではないはずだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
ストーリーを書き始めるまでのストーリー片岡義男の小説にはストーリーを書くという行為そのものを考察し、主人公が登場人物たちと会話し、その成り行きが小説として提示されている作品がいくつもある。この小説もまさにその1つであり、本格的な長篇だ。2つの島というヴィジョン、双子というヴィジョンはストーリーと、ストーリーを書くという2つのレベルに呼応し、やがてそれらは溶け合って1つの小説になる。この小説で重要なのは、プラス島の歴史=人々の時間、という大切な要素がそこに呼び出されていることである。※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
さまざまな別れのあとには、さまざまな再会があればいいこの短編の、再会のシーンのあざやかさはどうだろう。もしも映画なら、男性視点、女性視点、ロングショット、寄りのショット、そしてすれ違う瞬間のことや交わす目線、かける言葉のタイミングなど制作者には相当な力量が問われるだろう。人は大人になり、結婚をし、時間が経過すれば離婚、というようなこともありそしてまた… どこかで生きている限り、さまざまな可能性がある。再会とは、失われたものを取り戻すことではない、と誰もが知っている。それはまた新しい生を生きるために必要なアクションなのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
短い時間だから、ぼんやりした全体ではなく、肩を記憶しよう見ることができ、触ることのできるもの、そのような「できる」関係にある男女を描くには、短編小説という器がまことに好ましい。努力の成果、としてではなく、生まれつき恵まれた恩恵としての「肩」を男は愛し、女は愛されることを大切にする。鎖骨と、そこからつながっている精妙な肩甲骨の動き。そのうつくしさ、生きていることそのものがもたらす何かを写真に撮って残しておくことはしない。失われるまで愛し、あとは記憶と想像が幸福を形成する。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
ステーション・ワゴンではダメなのだ、やはりオートバイでなければまるで別々の2つの作品を接合したかのようにおよそ途中までの展開からは想像もできないようなラストがやってくる。女と男と女。3人のあいだには親密な関係がありつつ微妙な温度差があり、従来のような関係を維持しにくくなっている。3人の中の1人の女性は、借り物のステーション・ワゴンに乗っている時と自ら乗ることに決めたオートバイと共にある時とではなにかが違う。その「なにか」に向けて物語は過去へと遡行してゆき、そして、まさか、とあっけにとられるラストシーンへと至る。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
聡明な彼女たちは明言してから静かに去っていく。なんと挑発的な。あるいは、なんと不愉快な。おそらく、そのように読むことは十分に自然なことだろう。身勝手な、イヤな、おまけに嘘つきの、男である。おまけに反省もしない。同じことを何度も繰り返している。ただこの男には、嘘をつかないものが1つだけあって、それは自分の気持ちに対して、である。気持ちを偽ったまま関係を続ける、ということが彼にはできない。そこが素直と言えば素直だが別れ方は最悪である。やはり彼女たちは去り際に頭からコーヒーをぶっかけて行くべきなのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
真っ赤な、までは行かない嘘とは、どのようなものか?この小説のタイトルを確認してから読み始めれば、その「嘘」というのはおそらくこのことだろう、という察しは、たいていの読者にはつくのではないか。だからその「嘘」はそれほど巧妙に仕組まれたものではない。そのことよりも、男が2人、女が1人というその力関係と女性が持つ魅力のための軽い装置として「嘘」はあると考えていい。3人がライダーであるならば、いささか大掛かりな「嘘」の仕掛けも「真っ赤な嘘」までは行かない、ほんのりと赤く染まる程度なのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
立ち止まる時間がほとんどないような彼女が、ふと立ち止まるその時に作家がそのような語彙を用いているわけではまったくないが、これは近年の言葉で言えば「シングルマザー」の物語だ。彼女には4歳になる息子がいて、翻訳の仕事をしている。幼稚園に連れて行くこと、料理を作ること、絵本を読み聞かせること、それら子供のために割く時間のほかにも姉や姉の子、姉の夫、仕事相手との関係があり、用事があったりなかったり、誘惑の電話も頻繁にかかってくる。それらの細かい時間がいくつもいくつもミルフィーユのように重なってこの魅力的な女性のポルトレは描かれる。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
秋時雨の中を走って、4人の男女の組み合わせが順番にめぐってくる吹き付けるような秋時雨の中を2台のクルマが走っていく。夜もかなり深い時間だ。2台には男女が2組ずつ。合計4人。互いに恋人同士と呼んで差し支えない関係でそれは女と女においても変わりはない。やがてホテルにチェックイン。部屋は2つ。今度はクルマでなく部屋だ。さて、組み合わせはどうなる?4人いれば組み合わせの数は自ずと決まっている。が、しかし。実は実現していない組み合わせもあるのだが…【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
同じ過去を歩んだ2人は、実はもう同じ現在にはいない互いに好きで、結婚したい意志もありながら、それが実現しない。そういうことは、人の一生においてはありうるだろう。しかしそれが過去の痛恨事であったばかりでなく現在にまで影響を及ぼしていること、そしていっぽうは過去を洗い流し、もういっぽうが今も過去の輝きを生きているとしたらこれは紛れもない現在の悲劇になる。性を飛び越えるようなことがあれば、なおさらだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
昔話、作り話、嘘の話。しかしそこにも真実があるらしい長く語ることのできる人、というのがいる。この小説には2人、そういう人物が出てくる。しかもその2人の2つの話はとてもよく似ている。なぜなら、それはカウンターという、不特定多数が共有する匿名空間でふと耳にした会話を反芻し、変奏したものだからだ。読者は微妙にズレたその反復を楽しむ。ひどいじゃないか、嘘じゃないかと思ってもかまわないのだが、聞いている人物に感銘を与えるほどの「真実」もまた、そこには宿っているらしい。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
「私のほかに女性がいるでしょう」と彼女は何度も言う「私のほかに女性がいるでしょう」と、女性が男性に向けて問いかけたとしたら、詰問と考えるのが通例だろう。しかし片岡義男の小説にあっては、通例に従うようなことはまずない。この言葉は彼女が持ちたがっているイメージであり、願望であり、嫉妬であり、そしてなにより、男に対する投げ出すような愛情である。それを受け止めながら男は嘘をつく。ひどい男? そうだろうか。男の気持ちはなにげないようで実に不思議なラストシーンに鮮明に現れている。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
われわれが「現実」と呼んでいる何がしかの出来事を言葉で作り上げる。言うまでもなく、小説は言葉でできている。恋愛小説だって、小説である以上、やっぱり言葉でできているはずだ。そしてこの短編小説は、まだ起きていない情事を男女2人の会話によって言葉で構築する。そもそも言葉で出来上がっている小説の中で未遂の行為、あるいはやらないかもしれない行為を言葉で造型する、という二重の構造をこの小説は持っている。そして読者はこう思うかもしれない。いや、ここにある会話の言葉たちは現実の前哨戦ではなく、すでにそれ自体がじゅうぶんな現実である、と。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
彼女がコレクションを並べ換える時われわれは小説を読む時、なにかしらネガティブな出来事が起こり、葛藤や事件、人間関係の変化などを経たのち、事態が収拾したり、あるいは登場人物の心持ちが別の局面に入る、というような一通りの起伏に慣れている。しかし多くの片岡義男作品はそのような構造を一切取らない。この短編のように、しばしば一糸乱れぬ完璧さのまま推移し、起きるとしても好ましい変化しか起きず、一編の小説が成立してしまう。完璧な彼女のコレクションは、そこに新たな1個が加わることによって新たな楽しみを見い出す。破綻はない。その影すらない。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
この世界が見える場所で、しかし少し隔離されながら、2人がしたこと男女がいる。ホテルの中だったり、セダンやクーペに乗っていたり、そうしてこの世界が見えながら、囲みの中に区切られた空間で彼女たち、彼らは会話を交し、服を脱ぎ、いま自分たちが行なっていることの意味を反芻したりあらぬ想像をめぐらしたりする。そんな情景が30。せわしない世の流れからやや隔たって、いくらかスローな静かな日々の断片がここにある。小説による季節のアルバムを聞こう。※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
ライトノベル
 
嘘偽りなく、いつでも自分自身であることを生きる小説を書こうとしている男がいてその男も含んだストーリーと、彼が書いた小説の両方を合わせて1つの長篇小説に仕立ててある作品である。登場人物は多いが、それぞれ、その人ひとりの輪郭をハッキリと持ち、例えば自分が日々生き生きとしているために仲が悪くないのに離婚もするし、夫婦であろうが個別に旅もするし、誰が誰と会い、どのように誘おうと自由だ。この長篇に説得力を与えている要素に「部屋」と「時間」がある。かつて暮した部屋、今は痕跡の部屋、そしてふと思い出す過去の時間が人物の生きてきた姿を鮮明に照らし出す。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
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三角形であること、三辺あることによって彼女は新しい自分を知る。2人の女性と1人の男性がいる。女性同士は友人であり、男性はうち1人の夫だ。ある時、1人の女性がもう1人の女性に夫を紹介する機会がやってくる。妻と夫、という関係でないほうの男女はラジオ番組のホストとゲストになる。そこから三人の三角関係が形成されるが、それは通常の意味での「はじまり」と言えるものなのかどうか。そこに嫉妬はなく性的興奮があり、そして実はその向こうに、女と女、という関係も見え隠れしているのだ…【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
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理想と現実が交錯する現場は、果たして過去から開放される日だろうか。倒錯、と呼べないこともないし、あるいはおかしな性癖として片付けられてしまう可能性もあるだろう。しかし、幼い頃に強く願った思いが、嘘というよりもはや創作として機能し、創作は年を追うごとに洗練を極め、そして結婚式という特別のタイミングでそこまでしなければならないのか、というようなもはや誰にとっても悲劇でしかないのかもしれない仕方で関係者一同が対面する。地に足を着けた生き方、などという言い方が陳腐に聞こえるほど人は自分の心の影を引きずって生きているのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
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自分と、自分に良く似たもう一人の女性。小説による定点観測の試み。相当に実験的な作品、と言っていいだろうか。彼女は終始、1人であり、この小説に会話は一切無い。しかし彼女は会話の代わりに想像する、もう1人の自分を。あるいは自分によく似た女性を。あるいは自分のかつての思い出を。それら、現在の彼女にとっての「周辺」とともに彼女は生きている。場所はホテルの一室、という極めて匿名性の高い空間であり、鏡がそこでは大きな役割を果たす。小説による定点観測の試みであり、片岡義男による徹底したミニマリズムの試みである。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
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第1章と最終章、あとは会話で小説作家と編集者が会う。原稿の受け渡しのためだ。これまで共に仕事をしてきた時間も含め、深い信頼で結ばれた2人は今、書かれつつある小説の今後の成り行きについて検討を重ねる。そのあいだに、くだんの小説の第1章が挿入される。そのあと、再び、検討の会話。そしてラストは…会話と書かれた小説の両方が合わさって、この1つの小説ができあがる、という入れ子状の仕組みを持ちつつ、最後はまた一つ、意外性のあるひねりを加えてあるところを堪能したい。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/09/16
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重低音を響かせるのは日本とイタリアの歴史。江戸から明治維新で格式を誇っていた碧小路家には宿本陣という役目はなくなった。しかし広大な屋敷は歴然と存在していた。第一次世界大戦で植民地を得られなかったイタリアは、再建を図るムッソリーニの元でファシズムに傾倒していく。二つの国の歴史のうねりに巻き込まれるヒロイン、碧小路美和。華麗なるメロディを奏でるのはオペラ「蝶々夫人」「ワルキューレ」など。台詞が主人公・歌姫・美和の運命に呪いをかけて行く。歌詞が全編に配される。勿論主題は登場人物の愛情劇。男と女、父と娘、母と娘、友情等が絡み合って足掻いてもあがいても運命に流されていく。子が親を慕う強い愛が全てを安らぎの世界に導く。最期を彩るのは装飾音のようにきらめく美しい景色、碧小路家の広大な屋敷、ムッソリーニが威信をかけたて改築したミラノの大駅舎の建造。リビアの廃墟となった教会での闇夜の結婚式、スイス等36章に渡るそれぞれのシーンは人間の過酷な運命に引き換えてあまりに美しい。物語は淡々と静かに語られていく。時にはメルヘンチックに、時にはシニカルに。オペラを知っている方にはメロディが響き渡り、知らなかった方には言葉が美しく響くだろう。
公開日: 2016/09/16
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普通の女子高生になれなかったね……ある時はお金のため、そして好きな人のために、私たちはカラダを売った。他人から見たら決して褒められるようなことではないかもしれない。でもそこで頑張っている子たちはみんな寂しくて泣いているんだ。みんな懸命に生きているんだ。【目次】18歳の女王様?うちらの選んだ道。118歳の女王様?うちらの選んだ道。218歳の女王様?うちらの選んだ道。318歳の女王様?うちらの選んだ道。4
公開日: 2016/09/15
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壊れている。脳味噌が「酢豆腐」並に、腐っている。軽蔑され冷笑され罵倒され、蹂躙され踏みにじられ陵辱されている――ような気がする。耐えられず、今日もまた酒を飲む。飲み続ける――。二十世紀末、私はまったくもって売れない作家として、かれこれ十年近くに渡って生活を続けていた。自身の無能と自意識過剰に苛まれ、他人の眼に脅え、それらを忘れるべく酒に溺れながら。個性的なその世界観からマニアックな評価が高い飯野文彦が出版社、編集者といった枠組みを超えて綴った、異形ワールド!
公開日: 2016/09/15
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