「ビーム」「石の動画」「ムキムキ」「歯医者さんの部屋」など可笑しさと悲しみに満ちた53の物語。妹の右目からビームが出て止まらない。薔薇園にいくと必ず鰐がいた。眠たくて何度も泣いた。紙粘土で上司たちの顔をつくった。三人でヤドカリになった。サメにたべられて死にたいだけの関係だ。あたらしい名前がいる。おばけになっているときはなにも話してはいけない。肩車をした拍子に息子の股間が私の首にくっついてしまう。隠れ家的布屋さんは月に進出している。私は忍者で、すごいのだけれど、あんまりみんな信じない。【目次】ビームムキムキものを溶かす汗世界ブランコ選手権こどもの部決勝戦へそのゴマ狼1骨とテレビに出たかなでちゃんこっくりさん私と鰐と妹の部屋植物園お墓なにかが死んでいる屋根裏部屋チェーンソー夜中歯医者さんの部屋サンバイザーこういうのが好き呪われてしまえトースター紙粘土で友だちをつくった刺繍私はゼロ夏僕は泳いだ二十歳になったら悪魔になるてるてる坊主おばけの練習小説とケーキ誕生日虹ジョン・トラボルタ好きなひとと同じときに体調を崩してるとうれしいよねミイラいまどこにいるの星を読まないヤドカリの家トカゲの死サランラップ平凡隠れ家的布屋さん特集2049植物って知ってる?仕事をやめる斧に白いサインペンで名前を書くシェルター知らないひと石の動画鞄サメ友だち棺のなか雷は庭に落ちたあそび【著者】大前粟生1992年生まれ。著書に小説『回転草』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)、宮崎夏次系氏との共作絵本『ハルにははねがはえてるから』(亜紀書房)など。最新刊に初の長編小説『きみだからさびしい』(文藝春秋)、児童書『まるみちゃんとうさぎくん』(絵・板垣巴留、ポプラ社)、歌集『柴犬二匹でサイクロン』(書肆侃侃房)。