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【日本文学】タグのライトノベル・小説

ユーモアと余裕に満ちた楽しい一編。主人公は、保安官のガーランド・デューセンベリー。彼が日々相手にしているのは、半熟卵が注文どおりに作れないからと妻を散弾銃で射殺したり、未婚にもかかわらず「浮気している夫を逮捕してほしい」と訴えてきたり、酔うと必ず酒場でストリップをして、あげく家まで送り届けなければならないようなデタラメな連中ばかり。しかし彼はジョークのようでもあり、シリアスでもあるそれらの馬鹿馬鹿しい事件を的確に、すばやく、こなしていく。西部劇スター崩れの完璧に整えられた服装とともに。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
片岡義男のいくつかの小説が踏襲する独特のパターンというものがある。ダメになった、嫌いになったわけでもないのに別れること。女と男が、1台のクルマではなく、それぞれのクルマに乗って2台で長い距離を移動すること。この短編はその両方を満たしている。男は、ナイトクラブのピアノ弾き。驚くほど上手いが、向上心がない。めっぽうモテる。本当の意味で自分の足で立てる男でもある。でも、女はくやしいだろう。男は自分で「ろくでなし」と言うのだから、遠慮は要らない、読者も「ろくでなし」と断罪してほしい。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
21歳の私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの一編。今回のマッケルウェイは、パトロールマンからヒッチハイカーの老婦人を乗せてやってくれと頼まれる。老齢でありながらヒッチハイクで長距離を移動しようと試みる彼女はやはり並の女性ではなく、今は亡き伝説のカントリー・シンガーの恋人だったことが判明する。道中、細心の敬意を払いつつ、昔語りに耳を傾けるマッケルウェイ。そしてその彼女の話から、単なる昔日の回顧ではなく、現在をムーヴィン・オンする力そのものであることを学ぶ。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
可愛い女とは、どんな女か?方向音痴の女だ、というのがこの小説の答えである。方向だけではない、なにしろ、自分が乗っていたクルマの色まで忘れてしまう。そんな女なら、迷惑もかけるだろうし、ムダにも付き合わされるだろう。しかし中には「かわいい」と思う男もいる。その「かわいい」と思ってくれる貴重な男は、しかし女の伴侶でもなければ恋人でもない。ただ隣にいて、時々、「そっちじゃない」と教えてくれるのだ。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
この短篇のすばらしさは、タイトルに集約されている。「もう一つのラヴ・ソング」ではなく「もうひとつラヴ・ソング」。「の」を抜くことによって、一つのラヴ・ソングのことだけでなく、人が生きているこの世界すべてが小説の対象になった。思いがけない形で遺されたラヴ・ソングを思いがけない人物が歌うことになり、それを家族が聴いている。読者が聴いている。この世界が聴いている。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
この短編は、『月見草のテーマ』と同じテーマを宿している。1台のオートバイが東から西へ、もう1台が西から東へ。やがてその2台が合流する、という物語だ。そしてこちらはその大陸版。だからスケールの種類が違う。ハイウェイの、青空の、流れる空気の、豪雨の、胃に流し込むオレンジジュースの、月明かりの、夜の深さのその質が日本とは異なる。多くを語る必要はない。イカれたロードライダーであること、ただそれだけで信じ合える男と男のストーリー。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
人口わずか1800人の小さな町・ウィリアムズ。そこにある日、数百人規模のモーターサイクリストたちが終結する。ただならぬエンジン音。見慣れぬ男たち。平穏な町にとっての異常事態に、警察も非常体制を取る。しかし、彼ら彼女らの目的はただ一つ。敬愛するライダー、モンスター・ジョーの葬儀を心をこめて執り行うことだけだ。葬儀の際の、静けさと爆音。静と動の鮮やかな交代劇。町に大きな刻印を残したかに見えた轟音もライダーたちもやがて空気のように去っていく。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
読みすすめるにしたがって、「これもしかして……」と、嫌な予感が兆すかもしれない。その予感は…… 当たります。そこにそのような道具があり、「約束」という言葉が発された以上、行為は遂行される。たとえその言葉が、当事者同士で正しく共有されていなくても。そして舞台は、周囲に誰もいない、誰も音を聞いていない荒野。失敗のしようもなく、完璧である。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
パッとしないバンドのリード・ギタリスト。彼につきまといながらも、彼という存在を、彼の音楽を正当にこきおろす美人の女。ドサまわりのような形で夜行に乗って北へ向かう二人をのぞいて乗客はみな寝てしまったようだ。その時、唐突にアクションがやってくる。たまたま手にした道具によって。あっけなく。争いもなく。誰も見ていないし、聴いていない。この列車の中で、ブルースを聴いているのは果たして誰か?
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
娘は草原で恐竜を飼うことを夢想し、父は遠い天空を旅する宇宙船の視線に思いを馳せる。ひょんな出会いで親しくなるイルクーツク出身のロシア人との交流を通して時に東西冷戦の核武装をめぐる硬質な議論も交えながら、あくまでも幻想的に、親と子の距離、人と人の出会いと別れを描く。無人探査機がさまざまな惑星と出会い、その重力で方向を変えながら旅を続けるように。【著者】池澤夏樹:1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
プラターズやナット・キング・コール、フランク永井らの歌唱でも知られるジャズのスタンダード・ナンバーと同じタイトルを持つ短編。ここに登場するのは堅気ではない、ヤクザな人々だ。組織からの現金強奪、という物騒な案件にかつての恋人との再会と、それにまつわる情がからみあう。男は果敢に行動に出る。そしてハードな仕事をすべて終えた、はずがそこが終わりではなかった。もう1つ、あった。そのもう1つも終えた時、ようやくホテルに赤い夕陽が差し込んでくる。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
あからさまだったり、まわりくどかったり。ホステス、という職業をやっている女性の許には様々な男たちが寄ってくる。律儀に対応していると、車で連れ出されたり、ホテルに連れ込まれたり。やけになって雨の中、放り出されたり。五月の連休でさえ、つぶそうとしてくる男たちから彼女を解放してくれるのは、ドライジンと心優しきゲイ・ボーイだけだ。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
クールで、どこか情緒的。タイトルを見て、そんなイメージが先行したら相当に無残な結果になるはずだ。起こることは、起こる。そこに善悪はない。ロクでもない男たちはどこにでもいるのだ。きっと風向きが変わるだろう、という淡い期待に作家は応えない。これは小説だから、むろん現実ではない。たとえ現実にこのようなことが日々起きていても。そして読者にはどんな感想も許される。「なんて不愉快な小説なんだ」とかなんとか。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
永遠に続くランダとバロンの舞のように、眩い光と濃い闇が交差するバリ島。電撃的な恋に落ち、三日後は結婚式という花嫁に突然の出来事が降りかかる。そして…。長篇小説『花を運ぶ妹』の執筆過程で生まれた短篇。【著者】池澤夏樹1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』等。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
アマゾナスの山奥に暮らす先住民に密かに伝えられていたンクンレ。その不思議な言葉を唱えると、荒ぶる人の心が鎮まり、怒りや不安が消える。ある若い男が激情に駆られて妻を殺してしまうという事件をきっかけに、ンクンレは世界に広まることとなり、レシタションと呼ばれるようになった。争いのない世界への願いが込められた、奇跡の寓話。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
職場ですれ違うだけだった、中年の女医と就職浪人の若者。突然二人を結びつけた力はなんだったのか。琉歌に込められた、いにしえの恋人たちの思いが時空を超えて駆け巡る、沖縄を舞台に語られる短篇。【著者】池澤夏樹1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』等。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
私はこの 時を計ることのできない 永久砂時計を買ったある日アンナがいなくなった愛が失われたからではなく何かが彼女を迎えにきたから…………….そして世界を駆け巡る、終わりのないゲームが始まる。池澤夏樹と気鋭のイラストレーター阿部真理子のコラボレーションによるヴィジュアル・ポエトリー。【文】池澤夏樹:作家。1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後、多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年に『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』、『花を運ぶ妹』、『静かな大地』、『キップをなくして』、『カデナ』など。東北大震災に関わる著作に長篇エッセー『春を恨んだりはしない』と小説『双頭の船』がある。最新作は小説『アトミック・ボックス』。2011年に完結した『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』に続いて、2014年末からは『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』を刊行。【絵】阿部真理子:イラストレーター、絵本作家。福島県出身。大阪芸術大学デザイン学科卒業。「プレイガイドジャーナル」、全日空機内誌「翼の王国」「週刊文春」「婦人公論」などの多数の雑誌連載、広告などで活躍。2010年3月29日、福島県郡山市の病院にて死去。主な著書:絵本『ボクがこんなにふとった理由』(こぐま社刊)『むしゃむしゃマンモス』(講談社刊)、『眺めたり触ったり』(青山南共著、早川書房刊)など。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
あの夏、私たちは4人だけの分隊で闘った。沖縄カデナ基地から北ベトナムへ飛び、爆弾の雨を降らせる巨大爆撃機B-52。その攻撃を無力化するため、基地の内と外を結ぶ小さなスパイ組織があった――。ベトナム戦争末期の沖縄を舞台に、戦争という抗いがたい現実に抗おうとするごくふつうの人たちの果敢な姿を、沖縄戦後史を通して描きだす。著者の沖縄在住十余年の思索と経験のすべてを注ぎ込んだ傑作長篇小説。【著者】池澤夏樹:作家。1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後、多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年に『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』、『花を運ぶ妹』、『静かな大地』、『キップをなくして』、『カデナ』など。東北大震災に関わる著作に長篇エッセー『春を恨んだりはしない』と小説『双頭の船』がある。最新作は小説『アトミック・ボックス』。2011年に完結した『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』に続いて、2014年末からは『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』を刊行。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
片岡義男の小説においては、不美人が登場しないのと同じように、嫉妬が登場しない。いや、登場人物たちはその感情を宿してはいるはずなのだが、その痕跡は見事に消されている、あるいは次なるアクションによってどこかへ飛んでしまう。女と男は、それぞれの時間、確実に1対1の関係にひたりながら、その外側に別の1対1を持つ。そのことを隠しもせずに。結婚も恋愛も出産も、陰りを持つことはない。そこにはいつも風が吹いている。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
静かな、美しい沼がある。沼を愛する15歳の少女が登場する。どこからともなく、マックスと呼ばれるカラスがやってくる。マックスと彼女は深い信頼関係で結ばれている。やがて人間の少年も姿を現す。少女と少年は然るべき関係になっていく。しかし、三者が共存することはない。あるラインを超えた地点で、それは起きる。8月6日というその日付、この国の歴史に黒い刻印を残すその日付が選ばれていることは、果たして偶然か。読者は考えてみること。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
オートバイで走る、ということによってしか知りえない人の魅力、というものがあるのだろう。男は前を走る赤いオープン・カーの後ろに付いたまま離れない。女も、普通なら気味の悪い尾行と思えるこの行為がなぜかしら心地いい。こうして2人は路上で出会った。路上の出会い。それは、片岡義男の小説の黄金のパターンだ。その日、彼女の自動車はそのボディの色のようにことごとく赤信号で止められた。だがその1年後。今度はことごとく信号がグリーンの道を走る運命にある。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
再会は、一つのドラマである。偶然の再開は、そうそう起こるものではなく、しかし限りなく無に近い可能性とも違う。奇跡、というほど圧倒的ではないがゆえにゆるやかな幸福感が漂う。同じ時刻に、同じ道を走ること。前を走る自動車がなぜか気になる、という現在は、彼の、あるいは彼女と彼の過去が作動した結果の祝福された現在かもしれない。10年の時を経て再び彼女は、彼の右隣をキャッチする。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
延々と続く丘のつらなりの中を1台の赤いピックアップ・トラックが走っている。そこには女と男が乗っており、ニューヨークからカリフォルニアをめざした長い旅の途中だ。すぐに子供っぽい情熱を燃やしながら何一つモノにならない男の幼稚さに女はウンザリしている。しかし不意に、決定的な出会いがあった。羊飼いだ。羊飼いの世界を知り、雷鳴と豪雨と、スカンクの放屁を浴びて1週間意識不明になるという洗礼を受けて、ようやく男は自分の道を見つける。あくまでカリフォルニアに向かう女と別れ、男はそこに留まって学び始める。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
オートバイで長距離を移動するなら電車やバスなどの移動手段と違い、時には先に進めないアクシデントが起こり、予定外の遅れが生じることもある。しかし主人公の「ぼく」は、その予定外の遅れを半ば以上意図して行い恋人と会う時間を先延ばしにしている。会いたくないのか? といえば、すこし違うだろう。今、彼は違う種類のロマンスがほしいのだ。いつでも、どこでも、そしていくらでも缶ビールを飲むという、平凡で最高のロマンスを。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
どこからかやってきて、いつのまにか消えていく。さまざまな種類の流れ者が登場する短編集『ロンサム・カウボーイ』の最後を飾る一編は、カーニヴァルの中に生きている女の物語。日々の中にひとときだけ挿入されるカーニヴァルという非日常がシャーリーンにとっては逆に日常の住処になっている。なぜなら、彼女にとっては輝くことだけが人生だから。彼女もまた、さすらうカウボーイ。ベッドルームのジュークボックスにはただ1枚、エルヴィス・プレスリー『ロンサム・カウボーイ』のドーナツ盤だけが入っている。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
長い歳月が、何もかも変えてしまうことがある。そして、最もかけがえのないものが、あまりの純粋さゆえか、やはり長い長いあいだ、記憶の底に沈んだままでいることがある。2つの長い時間が交錯するその時、悲劇に振れてしまうことがある。かつて子供の頃に1年だけ住んだ町のあまりの変貌に呆然としつつ1枚の絵によって忽然とよみがえった自分の宝を男は実に34年ぶりに探し始める。その願いが叶うはずのないことが理解された時、男の居場所はもはや、静かな狂気以外にはない。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
3人いる。女が1人と男が2人。この組み合わせによる男女3人のストーリーは、片岡義男の小説においては普遍的なものだ。男と女だから然るべき出来事があり、そこから三角関係に落ちていかない、という成り行きも、片岡義男が愛する普遍的な何事かである。そしてこの小説には時間の経過がある。10年ののちの再会という、厳粛な美しさがある。注意。この小説においても、「あとがき」を絶対に先に読まないこと。【著者】片岡義男1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
生物工学の事故で人類が一掃されてしまった地球。ただひとり取り残された男は北へ向かう。地球最後のクリスマスを過ごすために。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
タイトルに「1」とあるように、この小説はさらに長大になる構想のなかにあった。いや、「あった」ではなく「ある」というべきか。書かれてから30年以上が経過した今、わかっているのは、これが未完の小説の一部に過ぎない、ということである。小説の企みは「あとがき」に簡潔に書かれている。生きることと波乗りの区別をつけない人々にとって、いま、生きている夏は過去の夏ともつながっており、そしてこの先にも伸びていく永遠の夏である、という困難が、この小説を未完にしている最大の原因なのかもしれない。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
浮気。この、凡庸にして普遍的な、みじめな、疲労感のつのる、男女間の出来事。言葉は常に行為よりも遅れているから、言い訳も、釈明も、解決の提示も、嘆願も、互いの言い分も、堂々めぐりを繰り返す運命にある。そのような倦んだ言葉のつらなりの中で、男はふと、あらぬ言葉を口にしてしまう。何一つ決定的な事柄にはつながらない平凡な、しかし不思議な言葉を、ふとつぶやいてしまう。
公開日: 2016/02/04
ライトノベル
 
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