東京駅に降りるまで弥三郎は腹を立てていた。中畑の企画した物産展の実演イベントに輪島塗職人のプライドを傷つけられたからだ。しかし弥三郎はその場で運命の出会いをする。それが母の介護をしながら美容室で働いている綾子だった。弥三郎のアプローチも虚しく、綾子は気後れもあって離れていく。美容室を辞めた綾子はキャバクラで働く。マキとは打ち解けるものの、依存していた母が施設に入所してしまい自暴自棄な気分になる。ナンバーワンのひとみのポーチに当たってしまったことで、ボーイの袋叩きに遭いキャバクラを辞める。キャバクラで強引に綾子をものにした柴田との結婚を決めるが、美容室の同僚だった加代子が弥三郎と結婚することを知る。弥三郎は加代子に騙され、幸福のない結婚生活を送っていた。二人が綾子のもとを訪れると、そのひどい生活を見て弥三郎は心の底からの後悔にさいなまれる。柴田が別れるためによこせと言った一千万円を渡すも綾子は行方知れずになってしまう。手がかりを見つけた弥三郎は青森県へ。民宿の親父に疑われながらも綾子を見つけ出し、輪島に連れて帰る。輪島での幸せな生活は続かず、弥三郎は事故に遭い手を失ってしまった。弥三郎の代わりとなるために綾子は技法を学ぶための厳しい修行を受ける。年月が経った頃、金賞の栄誉を受けたその作品は人々を感心させる。さら・シリウス:あらすじKasuga Hiroshi:文章