【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
秋保温泉にグループ旅行に来ていた社内の小寺保子が庭園の崖から転落死した。秘書課の神保由加と風間京子の立ち話を耳にしたことが原因のようだ。小寺が精神的に不安定だったことはわかったが、警察でも自他殺の判断はつかなかった。「酔いどれ探偵」深水文明は話の内容を詳しく聞くため、神保を訪ねた。ところが、今度は神保が資料室で殴殺死体となって転がっていた。プロローグ第一章 みちのくの夜第二章 庭園の女第三章 密なる会話第四章 逃亡の経路第五章 非常階段の男第六章 犯人を見た女第七章 過去の関係第八章 病いの真実第九章 二人の標的第十章 恐ろしき錯誤エピローグ
この作品は過去に『幻創文庫』で連載されていた小説の復刻版です。今回、いるかネットブックス編集部のご協力もあり再出版できました。復刻版第二弾は恋愛小説集です。短編小説やショートショートが多数掲載されています。特に女子が好きそうなものを色々と詰め込んだ小さな作品集です。例外的に恋とはほど遠い変な作品もたまに混じっていますけれども。日常系の恋話から恋愛ミステリみたいな変化球まで取り揃えております。あなたのお気に入りの作品が見つかりますように!
たいせつな父を亡くし、大坂から江戸に出てきたさくらには夢がある――一人前の料理人になり自分の店をもつ。だがなんの因果か、吉原の妓楼〈佐野槌屋〉の台所ではたらくことに。乏しい食材にめげそうになるが、自慢の腕をふるい、様々な悩みを解きほぐす――最高位の花魁の落涙の理由、男衆の暴れ騒ぎ、旅立つ人形師の心の迷い……温かな料理で人を包み込み、そっと後押しする。さくらの心意気がまぶしい、人情料理小説!
新航路発見の野心に燃える英国の航海士ウィリアム・アダムスは、荒れ狂う海原に呑まれた。船は日本国の豊後に漂着。やがて徳川家康への接見を契機に、関ヶ原の合戦に駆り出される。死地を生き延びたアダムスは、家康から日本名・三浦按針を授けられる。それは祖国と決別し、妻子を捨てて日本につくせという命令であった。按針がくだした決断とは? 日本を愛し、平和のために家康を支えた、「青い目の侍」の冒険浪漫。
アクランド英国軍中尉は、派遣先のイラクで爆弾によって頭部と顔面に重傷を負い、片目を喪失する。昏睡から目覚めた彼は他人にふれられると暴力的になり、極端な女性嫌悪を示して看護師や精神科医を戸惑わせていた。退院後、除隊した彼はロンドンに住むが、暴力事件を起こしたことがきっかけで警察に拘束されてしまう。近隣では、軍歴のある一人暮らしの男性ばかりが自宅で殴殺されるという事件が続発しており、警察の捜す犯人像に合致しているアクランドは尋問されるが……。〈現代英国ミステリの女王〉が巧みな心理描写で紡ぐ傑作サスペンス。/解説=三橋曉
絶対不利な状況に猪狩文助が立ち向かう――奇妙な小箱を手に、老弁護士・猪狩文助のもとへ、瓜実顔の美女が現れた。中には、人の目玉と局部が! 依頼人の森本浜枝は、「開けるな」という警告文を破ってしまったのだ。実業家の夫は、失踪中。鬼の三平こと三岡署長により、浜枝は猟奇事件の容疑者として勾留される。猪狩は依頼人を救えるのか!?
京都府警本部に、事件の予告電話!? 現場は、縁結びで有名な知恩院の濡れ髪明神境内。そこには画商の死体が。そして、縁切りで知られる伏見瑞光寺の元政上人の墓近くで、貿易商の射殺死体が。ダイイング・メッセージは、円空仏。京の古刹を舞台に、縁結びと縁切りの神仏の伝説が交錯する事件に、赤かぶ検事が自ら乗りこんだ――。
コレクションの第三部はバラエティに富んだショートストーリーでまとめられる。著者の博覧強記ぶりがうかがえるストーリーばかりで、SFと一括りするには民話、落語、怪談、書評などなど、幅が驚くほど広い。第四部はSF中編が収録される。本格的なSFの味を存分に楽しめる二篇。『半村良コレクション』として刊行されていたものを二分冊した。半村良の神髄を存分に楽しめる。
イタコの少女が被害者の霊を呼んで事件解決!? でも本当は、彼女はイタコでもなんでもない普通の女子高生。謎を解くのは霊能力ではなく、その閃きと推理力なのだった――。 ひょんなことから誤解を受けて、表向きは「イタコ探偵」として立ち回る羽目になってしまった少女・小春。 ある時は警察の依頼を受け、またある時は仲間たちのピンチを救うべく、彼女はその力を発揮して次々に事件を解決へ導いていく。 だけど彼女の重ねる無理は、長くは続かない。仲間たちとの不和、否応なく直面する過去、言えなかった本音――それぞれが交錯する中で、物語はひとつの終わりと浄化を迎える。 ちょっぴりオカルト風味の青春ミステリ小説、ここに登場!※ 上下巻に分かれているので、ご購入の際はご注意下さい。なお、諸事情によりAmazonのKindleストアでは一冊にまとまった形で販売されています。内容に違いはありません。
ある日、騎士団一の堅物なスタッグ隊長の甘い言葉を聞いた薬師のアルカは、途方に暮れることに。それは自分がうっかり作ってしまった惚れ薬を、彼が誤って飲んだせいだと分かったからだ。しかも、惚れ薬には解毒剤がないばかりか、とんでもない効果があり――。隊長が私に甘く囁いたり、私のそばから離れられなくなったのは、私のせいです。でも、そのせいで四六時中一緒に過ごすことになるなんて!? うかつな薬師と、不器用で恋に鈍感な堅物隊長のお仕事ラブファンタジーが、書き下ろし中編を収録して書籍化! ※電子版はショートストーリー付。
「お前は私の側で暮らせば良い」誰もが有するはずの魔力が無い令嬢ソフィア。両親亡きあと叔父家族から不遇な扱いを受けていたが、ついに従妹に婚約者を奪われ、屋敷からも追い出されてしまう。行くあてもなく途方にくれていた森の中、強大な魔力と冷徹さで‘黒騎士’と恐れられている侯爵ギルバートに拾われて……? 黒騎士様と捨てられ令嬢の溺愛ラブファンタジー、甘い書き下ろし番外編も収録して書籍化!! ※電子版はショートストーリー付。
内容紹介人工超知能(Aartificial Super Intelligence )が、人類を滅ぼす。その時が迫っている――世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部突破ベストセラー・シリーズ最新作!★巻末には「別エンディング」を特別収録!人類に福音をもたらすために開発された超AI〈イヴ〉。それが、魔女狩りの時代から生き残る組織によって盗まれた。目的は、大規模なサイバー攻撃――AIが救済を求めたのは〈シグマフォース〉。チームはただちに作戦行動に移るが、メンバーが何者かに誘拐される事態が発生していた……魔女の存在は信じないが、彼らは実在する。――ガリシア地方の古い諺十分な発達を遂げた科学技術はどれも、魔法と区別がつかない。――アーサー・C・クラーク我々は人工知能で悪魔を呼び出している。――イーロン・マスク〈あらすじ〉サイバー攻撃でパリは焼け野原と化したが、グレイやマラ、「イヴ」の活躍で最悪の事態は回避できた。そんなグレイのもとに、モンクがシグマを裏切ったという衝撃の知らせが届く。ショックを受けつつも、グレイたちはクルシブルの「邪悪なイヴ」によるさらなる災厄を阻止するため、敵の拠点に乗り込む。一方、アメリカでは拉致された三人の行方の捜索のため、昏睡状態のキャットから手がかりを得ようと懸命の治療が続いていた。セイチャンもおなかの中の子供と、モンクの二人の娘を守るため、宿敵と対峙することになる。クルシブルが世界に放とうとする「邪悪なイヴ」と対抗するためには、マラの「イヴ」だけが頼りだ。世界のために、愛する者たちのために、グレイとモンクたちは勝利を手にできるのか?◆歴史的事実から──歴史上で最も血塗られた本『魔女に与える鉄槌』一六九二年二月から一六九三年五月にかけて、マサチューセッツ植民地の住民二十人(そのうち十四人は女性)が、妖術に手を染めたとして告発され、裁判にかけられ死刑に処された。悪名高きセイラム魔女裁判である。ヨーロッパでは迫害が三世紀近く続き、合計で六万人以上の「魔女たち」が、命を絶たれた。こうした流血と死は十五世紀に突然巻き起こったのだが、そのきっかけは一冊の書――魔女狩りを行なう者のための手引き書『魔女に与える鉄槌』の出版にあるとされる。一四八七年にドイツのカトリックの司祭ハインリヒ・クラーマーによって出版されたこの本は、発明されて間もない印刷機によってすぐに多くの部数が印刷され、ヨーロッパ各地、さらにはアメリカ大陸にまで広まった。やがて同書は異端審問官が魔女の特定、拷問、処刑をするうえで欠かすことのできない「バイブル」となり、特に女性の異教徒の弾圧にその重点が置かれた。多くの学者は『魔女に与える鉄槌』を歴史上で最も血塗られた本の一冊だと見なしており、アドルフ・ヒトラーの『我が闘争』に匹敵するとの意見もある。著者についてジェームズ・ロリンズ James Rollins1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『スミソニアンの王冠』などを経て、2020年3月にアメリカで刊行された ●The Last Odyssey●〈*イタリック〉に至るまで、シリーズは十四作(『ウバールの悪魔』も含めると十五作)を数える。歴史的事実に基づきつつ、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した、元兵士のタッカー・ウェインと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)は、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。
別れた夫に押し付けられた借金を返すため、故郷を遠く離れてロサンゼルスにやってきたイソベル。報酬の高い仕事を求めていきついたのが「毒見役」。あらゆる毒物やドラッグの味とにおいを覚え、クライアントが食べたり飲んだりするものすべてを彼らより先に口にして、異常がないかをチェックするのだ。命がけの研修を経てようやく初仕事へ向かうと、イソベルを待っていたのは美形の私立探偵。これからは毎日、彼の食事もおやつもコーヒーも、なにもかも毒見をしなければならない。しかも、周りの人が不審に思わないように、彼の恋人役を演じながら! 演技なんてハイスクール以来したことがないのに、と不安に思っていると、同僚が毒に倒れたとの連絡が入ってしまい……!?
恐ろしい社交界で平穏無事に生きるため、男爵令嬢のシャルティアナはメガネ&地味な装いで類い稀な美貌を隠し、ひっそり過ごしていた。ところが、ある夜会でその平穏は崩れ去る。令嬢達の憧れの的である公爵家のレオナルドが大勢の前で求婚してきたのだ! 「指の手当てをしてくださったあの日から、貴女のことが頭から離れません」真摯に想いを伝えてくるレオナルドだが――私、手当てをした覚えはないのですけれど!?
奨学金免除の為しぶしぶ刑務所の医者になった是永史郎。患者にナメられ助手に怒られ、憂鬱な日々を送る。そんなある日の夜、自殺を予告した受刑者が変死した。胸をかきむしった痕、覚せい剤の使用歴。これは自殺か、病死か?「朝までに死因を特定せよ!」所長命令を受け、史郎は美人研究員・有島に検査を依頼するが――手に汗握る医療ミステリ。
ここは万両百貨店外商部。お客様のご用命とあらば、何でも(殺人以外)承るのが外商の仕事。今日も「激レア犬を飼いたい」「娘を就職させて」「愛人と妻が鉢合わせしないマンションを」と無理難題が舞い込んでくる。ある日、顧客の物件探し中の根津は、無理心中した家族の噂を耳にするが、事件の陰に何故かトップ外商・大塚佐恵子が――。お仕事イヤミス!
1940年の「幻の東京オリンピック」はなぜ幻に終わったのか?十津川警部が、石原莞爾、昭和天皇、アメリカ大統領らの思惑を分析し、謎に迫る!東京オリンピックを控え、警視庁の十津川警部は警備計画について連日、討議を重ねていた。十津川は、かつて直前に返上となった「幻の東京五輪」に着目する。失敗の研究過程で、ある黒幕の存在が浮上する。昭和15年の五輪開催を控え、東京市の五輪宣伝担当・古賀は、国際関係の悪化に悩みつつも、日中戦争停戦を画策する石原莞爾と協力し、アメリカ大統領と交渉するため、海を渡った。
2005年、オーストラリアのブリスベンで祖母ネルを看取ったカサンドラは、祖母からイギリス、コーンウォールの崖の上にあるコテージを相続した。1975年にネルはなぜそのコテージを買ったのか? ネルの遺したノートと古いお伽噺集を手にカサンドラはイギリスに渡る。今はホテルとなった豪壮な屋敷の敷地のはずれ、茨の迷路の先にコテージはあった。建物の手入れを進めるうちに彼女は、蔓植物に埋もれ、ひっそりと忘れられていた庭園を見出す。封印されていたその花園は何を告げるのか? ネルとはいったい誰だったのか? 屋敷の秘密とは?/解説=川出正樹
1913年オーストラリアの港、ロンドンからの船が着き、乗客たちが去った後、小さなトランクとともに名前すら語らぬ身元不明の少女が取り残されていた。少女はオーストラリア人夫婦に引き取られ、ネルと名付けられ、21歳の誕生日の晩に、その事実を告げられた。時は移り、2005年、オーストラリア、ブリスベンで年老いたネルを看取った孫娘カサンドラは、祖母が自分にイギリス、コーンウォールのコテージを遺してくれたのを知る。なぜ? ネルとはいったい誰だったのか? 茨の迷路の先に封印された花園があるそのコテージは何を語るのか?
イケメン侍のコンビが難事件を見事に解決!剣術道場の若先生こと、瓜生清太郎は二十三歳。鍼治療で不在がちの老師範代わりに、毎日洟ったれの少年たちを指南している。今日もみっちり稽古をつけてやると、清太郎の技を見て、「強い男と見込んだ」という、小間物問屋の息子・直二から相談を持ちかけられた。話によれば、「最近、家の近くで野良犬がたくさん死んでいる。死に方からすると、たぶん毒を食べさせられた」らしい。つまりは、憎っくき犯人を懲らしめてほしいようだ。一方、町奉行所の定廻り同心・藤代彦馬は、二十五歳。三年前に家督を継いで、十手を預かる身となり、休みもなく働き通し。いま携わっているのは、医者が誤って毒を飲み、死んでしまった事件だ。不審な点がいくつもあるが、奉行所は理由もなしに、探索を打ち切ってしまったという。納得のいかない彦馬は、腕の立つ女医者の真澄に知恵を借りようと、清太郎の家にやって来た。真澄は、清太郎が自慢する姉なのだ。事件の経緯を聞き、訝しさを感じた真澄は、清太郎と彦馬が止めたのにもかかわらず、独自に探索に乗り出す。が、真澄は行方不明に……。
ノスタルジックでやるせない傑作ミステリー。1978年12月、バルセロナの貧困地区で一人の少年が殺された。それから37年後、二人の男は偶然再会した。一人は人生の成功者として、一人は人生の落伍者として。彼らは幼い頃に親友として同じ団地で過ごし、12歳の時に罪を犯して、まわりの大人の思惑で離ればなれとなっていた。そしてその再会から、全ての歯車が狂い始めた……。『死んだ人形たちの季節』『ある自殺』のベストセラー作家が、友情とは? 贖罪とは? 家族とは? を問う、ノスタルジックでやるせない、スペイン発傑作ミステリー。
累計127万部突破の大人気シリーズ! 岬洋介が挫折し、別の道へ進もうとしているときの物語です。2006年。法曹界入りした天生高春は、ピアノ経験者のようだがなぜかクラシック音楽を避ける岬洋介とともに、検察庁の実務研修を受けていた。修習の一環として立ち会った取り調べの場に現れたのは、絵本作家の夫を刺殺したとして送検されてきた絵本画家の牧部日美子。日美子は犯行を否認しているが、凶器に付着した指紋という動かぬ証拠が存在する。取り調べが打ち切られようとしたそのとき、岬が突如ある疑問を投げかける……。『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ。
謎多き女子高生スガリさんと、気弱な直山先生が読書感想部を立ち上げた。ぶっとんだ感想文をヒントに巻き起こる事件を解決する。そして浮かび上がるスガリさんの闇とは?大好評第3弾!
文具メーカー<ABカルチャー>に勤める惚れっぽいが責任感のある奈々子。ある夜に出会った商社マンの湯川が、偶然、奈々子の会社の取締役に就任。その日から同僚の死や上司の自殺、突然の妹の上京があったかと思えば、奈々子自身の恋が絡む事件も起きトラブル続き! 真相に近付こうとするたび、湯川の影がちらついて……。
この作品は過去に『幻創文庫』で連載されていた小説の復刻版です。今回、いるかネットブックス編集部のご協力もあり再出版できました。復刻版第一弾は探偵小説です。あえて「ミステリ」ではなく「探偵小説」。探偵小説家の青年が長野県山奥にある雪銀館で起こる連続殺人事件に挑みます。舞台は陸の孤島、吹雪の山荘。探偵小説の推理を駆使して殺人鬼のトリックを暴きます。古き良き探偵小説の物語にラノベ文芸風の切れ味がある作品です。
およそ弁護士のイメージとはほど遠い、すりきれたワイシャツ。手垢で黒光りした、寝巻の紐のようなネクタイ。20年以上にもなろうかという、着古したヨレヨレの背広。塗りの剥げたステッキ……。これが、法廷荒らしの異名をもつ、弁護士・猪狩文助の昨日までの姿だ。装いも新たに復活した、いまの彼の姿は?
38歳、もっか独身の辣腕弁護士・来栖悟郎は、行きつけのクラブのニューフェイスのホステスに魅かれ、土地問題の相談に乗るが、その矢先、難事件が起こる。彼女の魅力の前には、暗躍する暴力団もものかは、敢然と立ち向う来栖。ところが、意外な事実が隠されていた。男女の心理の綾をからめた、長編ミステリー。
最強の老弁護士、伝説のデビュー戦! ――愛人との心中未遂で、娘を死なせた母親。血塗(ちまみ)れの凶器を前に、男殺しを認めた温泉旅館の女主人……。被告人には、必ず事情があるものだ。証拠を固めた検察や厳罰を下そうとする裁判長を向こうにまわし、「無実」を主張する猪狩(いかり)が繰り出す荒業の数々。口は悪いが人情家、弁護士猪狩文助、無名時代の逆転法廷ドラマ!
視聴率が低迷し始めたTBNの報道番組『ニュースイレブン』。そのテコ入れとして、栃本という男が関西の系列局から異動してきた。一方、これまで幾つものスクープをものにしてきた番組の名物記者・布施は、なぜか十年前に町田で起きた大学生刺殺の未解決事件に関心を寄せていた。この件の継続捜査を、警視庁特命捜査対策室のベテラン刑事・黒田が担当することを知った布施は、いつものように黒田へ接触を図る。テレビ報道の本質とは? 事件の奥に潜む意外な真相とは? 大人気スクープシリーズ第4弾!!
「我ながら毒気の強い作品ばかりで、あきれます」と、書いた本人もため息。現役医師の作家・久坂部羊が描く、強烈にブラックな短編集! 区役所に勤務する愛子は、同僚女子の陰口を聞いたことがきっかけで、たびたび「発作」を起こすようになる。この世の終わりに直面したような、とてつもない恐怖に襲われるのだ。心療内科で受けた「パニック障害」という診断に納得できず、いくつもの病院を渡り歩くが……(「天罰あげる」)。介護施設を併設する高齢者向けのクリニックには、毎日多くのお年寄りが集まってくる。脳梗塞で麻痺のある人、100歳近い超高齢者、150kg近い体重で車椅子生活を送る人……さまざまな症状の利用者みなに快適に過ごしてほしいと施設長は願うが、老人たちにはもめごとが絶えず……(「老人の園」)。毒気に満ちた患者の怖さと最悪のどんでん返しが炸裂する、全5編。