【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
赤毛の巨漢で、いささかおっちょこちょいのアイルランド伊達男ガーガン大尉、外交官として名の知れたヒューバート・ウォットン卿、この2人と親交をもつ温厚なポンド氏の3人の話は、いつでも犯罪が話題になる。そして筋が通ったと思うとき、かならずポンド氏のクレームがつく。思ってもみなかった真実が逆説のなかに浮かびあがる。ボルヘスも感嘆したという「三人の騎士」ほか、チェスタートンの逆説が冴えわたる8編からなる短編集。
エレベーターの落下事故で富豪の息子が死んだが、銃弾が頭を貫いていた。警察は自殺とみたが、乗り合わせた父は納得しない。1年後、エレベーターに乗っていた全員がその老人の晩餐会に呼ばれた……この表題作のほか、「遺贈」「階下で待ってて!」「金髪ごろし」「射的の名手」「三文作家」「盛装した死体」「ヨシワラ殺人事件」の、都会派アイリッシュのバリエーション豊かな短編8編を収録。
作者ウェルティー(1909?2001)は米国ミシシッピ州の生まれで、O・ヘンリー賞やピューリッツァー賞など受けた最高の女流作家の一人と目されている。今も読み続けられている本作は1953年に『ニューヨーカー』誌に掲載された。初めから終わりまでエドナ・アール・ポンダーという中年女性の饒舌によって成り立ち、一気に読ませる。ミステリー小説ではあるが、単なる犯人さがしで終わるものではない特異さをもつ。「言葉で人を殺せるか?」という副題をもつ。
人面瘡×相続鑑定士コンビが怪事件に挑む!相続鑑定士の三津木六兵の右肩には、人面瘡が寄生している。六兵は頭脳明晰な彼を‘ジンさん’と名付け、何でも相談して生きてきた。信州随一の山林王である本城家の当主・本城蔵之助が亡くなり、六兵は相続のため現地に派遣される。遺産をめぐって一族に骨肉の争いが起きる中、長男の武一郎夫婦が蔵で焼け死に、次男の孝次が水車小屋で絞殺され、相続人が次々に不可解な死を遂げていく。幼い息子を連れて出戻った長女の沙夜子、家政婦の久瑠実、料理人の沢崎、顧問弁護士の柊……。さまざまな感情が渦巻く本城家で起きる連続死事件の真相とは!?六兵は、毒舌なジンさんに叱責されながら二人三脚で事件を追っていく。切れ者の人面瘡とボンクラな相続鑑定士のコンビが限界集落で怪事件に挑む、現代の横溝正史的ミステリー!!
十津川警部、日韓関係の闇に切り込む! 網走刑務所で受刑中の堀友一郎という男が十津川警部に会いたいと言ってきた。堀は15年前、仙山線の八ツ森駅で知り合った〈めぐみ〉という女性に、自分の写真を渡して欲しいという。八ツ森駅を訪れた十津川は、そこが秘境駅で、知り合った鉄道マニアの小林雄作から、その女性が山中愛ではと知らされた。 堀は亡くなったが、堀の写真立てを調べると、「京都の殺人犯はT・Tだ。間違いない」という文字が書かれていた。 京都府警に問い合わせたところ、16年前の10月23日に、京都の「藤」という旅館で、現役の韓国大使が殺害されており、未解決事件となっていた。その前日には時代祭が行われていた。そして、山中愛は、京都の有名な和菓子屋の娘だった。 調べを進めていくと、韓国で国宝級の器である「朝の菊」が韓国大使殺害に絡んでいることがわかってきた。堀や小林雄作もこの事件の周辺に名前が登場してきた。滝川武史とは何者なのか? 事件の背景に何があるのか? 十津川警部が、太平洋戦争から続く日韓関係の闇に切り込む!
私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。学内で‘皇帝’と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。稲見はそう確信していた。あの男が現れるまでは(表題作)。劇団を主宰する間宮想悟は、借金の即時返済の代わりに恋人の看板女優を差し出せと実の叔父に強要され、その場で彼を殺害するが――(「恋人たちの汀」)。倉知淳初の倒叙ミステリ・シリーズ、全四編を収録。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ警察官探偵が、またひとり誕生する。/解説=香山二三郎
政権打倒を標榜する若者団体で活動する凛は、気付くと薄暗い部屋にいた。両手首を縛られ動けない。一方隣の部屋では、外国人排斥をうたう「AFPU」のメンバー大輝が目を覚ましていた。二人に直前の記憶はなく、眼前には横たわる人体。一体、誰が、何のために? 民主主義の根幹を問う、新時代の本格ミステリ。
光り輝く、夜のあたしを見てくれ!女たちの孤独な闘いを描いた最高傑作。就職先の一流企業でも挫折感を味わった和恵は、夜の女として渋谷の街角に立つようになる。そこでひたすらに男を求め続けて娼婦に身を落としたユリコと再会する。「今に怪物を愛でる男が現れる。きっと、そいつはあたしたちを殺すわよ」‘怪物’へと変貌し、輝きを放ちながら破滅へと突き進む、女たちの魂の軌跡。解説・斎藤美奈子※この電子書籍は2003年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
荒ぶる魂を持つ女たちの強さと弱さ、そして優しさ。己の限界を感じた時、彼女が選んだ道とは?女子プロレス界きっての強者・火渡抄子。人は彼女を「ファイアボール」と呼ぶ。火渡に憧れ入門し、付き人になった近田だが、仲の良かった同期・与謝野の活躍を前に、自分の限界が頭にかすめる。そんな折、火渡が付き人を替えると言い出した。 近田は自分にどうケジメをつけるのか。女の荒ぶる魂を描いたシリーズの完結篇となる連作短編集。※この電子書籍は2001年8月刊行の文春文庫を底本としています。
充たされぬ魂の行き先は、破滅か、新天地か?芸術家たちの理想郷「唯腕村」を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇!唯腕村理事長の息子、高浪東一は、父の死をきっかけに、村の理事長となる。女を強烈に求め、利益を増やすことに執着する東一は、危険なビジネスに手を染め、マヤとも愛人契約を結ぶ。だが、心の渇きは癒されず、あるまじき手段で関係を断ち切ってしまう。十年の後、都会の片隅に沈んだマヤは、憎むべき東一の成功を知る。再会した二人を待ち受けるのは、破滅か、それとも――。性愛の暗部を容赦なく抉った衝撃作!解説・原武史※この電子書籍は2011年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版(下)を底本としています。
オリンピック前夜の熱を孕んだ昭和38年、東京。連続爆弾魔を追う週刊誌記者・村野は、女子高生殺しの容疑者にされてしまい、やがてとある疑惑へと辿り着く――。地下鉄爆破に遭遇した村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材していた。村野は女子高生・タキとの出会いを通じ、殺人事件に巻き込まれていく。高度成長の歪みを抱えたまま変貌する東京を舞台に、炙り出されたおぞましい真実とは。孤独なトップ屋の魂の遍歴を描いた傑作ミステリー。解説・武田砂鉄※この電子書籍は1995年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を新装版として刊行したものを底本としています。
もはや僕らには、絶望すらも許されないのか……。記憶喪失の〈僕〉と島を捨てた昭光の、行くあてのない逃避行。社会から疎外された若者たちを通じて現代の貧困を暴き出した問題作。記憶を失った〈僕〉は、沖縄の密林で故郷を捨てた昭光と出会う。二人は名前を変えて新たな人生を歩もうとするが、非情なヒエラルキーに支配された実社会に、安住の地は見つからない。孤独、貧困、破滅の予感。逃げろ! 何処へ?底辺に生きる若者たちの生態を克明に描き、なお清新な余韻を残す傑作ロードノベル。解説・小山太一※この電子書籍は2010年7月に朝日文庫より刊行の(上・下巻)を一冊にまとめた文春文庫を底本としています。単行本は2007年5月朝日新聞社より刊行されています。
私は子供を捨ててもいいと思ったことがある――。衝撃のラストが議論を呼んだ直木賞受賞作。野心家の元刑事・内海も、苦しみの渦中にあった。ガンで余命半年と宣告されたのだ。内海とカスミは、事件の関係者を訪ね歩く。残された時間のない内海は、真相とも妄想とも夢を見始める。そして二人は、カスミの故郷に辿り着いた。真実という名のゴールを追い続ける人間の強さと輝きを描き切った最高傑作!解説・福田和也※この電子書籍は1999年4月に講談社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
桐野夏生が挑む、「連合赤軍」の真実。いま明かされる「山岳ベース」で起こった出来事。「総括」とは何だったのか。集った女たちが夢見たものとは――。桐野の作品世界で新解釈される‘女たちの連合赤軍事件’。連合赤軍がひき起こした「あさま山荘」事件から四十年余。その直前、山岳地帯で行なわれた「総括」と称する内部メンバー同士での批判により、12名がリンチで死亡した。西田啓子は「総括」から逃げ出してきた一人だった。親戚からはつまはじきにされ、両親は早くに亡くなり、いまはスポーツジムに通いながら、一人で細々と暮している。かろうじて妹の和子と、その娘・佳絵と交流はあるが、佳絵には過去を告げていない。そんな中、元連合赤軍のメンバー・熊谷千代治から突然連絡がくる。時を同じくして、元連合赤軍最高幹部の永田洋子死刑囚が死亡したとニュースが流れる。過去と決別したはずだった啓子だが、佳絵の結婚を機に逮捕されたことを告げ、関係がぎくしゃくし始める。さらには、結婚式をする予定のサイパンに、過去に起こした罪で逮捕される可能性があり、行けないことが発覚する。過去の恋人・久間伸郎や、連合赤軍について調べているライター・古市洋造から連絡があり、啓子は過去と直面せずにはいられなくなる。啓子は何を思い、何と戦っていたのか。
人生で1度だけ思い切ったことをしたからには――。現代女性の奥底に潜む毒を描く、刺激的で挑戦的な桐野文学の方向性を示す短篇集。不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。表題作の他、女同士の旅で始まった生々しい性体験告白大会、若い女の登場に翻弄されるホームレスの男達、など七つの短篇を収録。「直木賞受賞後に発表された七つの短編を収める本書は、桐野さんの新旧二つの作品世界に架けられた吊り橋のようなものといえようか」(本書解説より)解説・杉本章子※この電子書籍は2005年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
華やかさと古き良き時代の面影が混在する代官山。その路地裏に佇む「トラットリア代官山」には、様々な事情を抱えるお客様が訪れる。迎えるのは、亡き父から受け継いだ店を気丈に守り続ける、男装の女支配人・大須薫と、彼女を支える天涯孤独の年下敏腕シェフ・安東怜。二人が京野菜の創作イタリアンと機転の利いたおもてなしで、ゲストを悩ます問題を解決に導いていく――。ハイソな街の陰にある人間同士の絆を、極上の料理と共に描く優しいグルメ小説。
ちょっぴり怖い、だからおもしろい。これぞエンタメ!!前代未聞の「ミステリー短編バトンつなぎ」「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう)宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが‘つないだ’ミステリーアンソロジー。
ジェニーはホームドクターとして成功を収め、3人のティーンエイジャーの子供を持ち、才能ある脳神経外科医の夫と結婚した。しかし彼女の一番下の娘ナオミがある日学校から帰らないまま失踪する。そこからジェニーの人生は崩れ始めていった。数ヵ月後、事件は誘拐でも、殺人でもないことが明らかになり始める。ジェニーが知っていると思っていたはずの娘ナオミ。彼女は本当に‘ナオミ’なのだろうか。ジェニーを待ち構えていた衝撃の結末とは。
月を祀る神社で続く殺人事件。京都・月読神社で発見された女性の絞殺死体。翌朝には近隣の松尾大社で、女性の兄の死体が鳥居に吊るされる。京都を旅行中の桑原崇と棚旗奈々は、事件を取材中の小松崎良平に謎解きを請われる。古来、日本で、月が「不吉なもの」とされてきた恐るべき理由とは。QED新作。
主演・大沢たかお×監督・入江悠2020年公開、映画化決定!2030年AIが命の価値を決める。スマートフォンなどのデジタルデバイスによって日々蓄積される検索履歴や趣味嗜好の情報、行動データに加え、年齢、遺伝子情報、病歴、医療費、犯罪歴、納税額――。私たちの個人情報から、AIが「生きる価値がある人間」と「生きる価値がない人間」を選別する。大量殺戮が始まるまで、あと数時間。天才AI開発者は、その悲劇を止められるのか。
ゲーセンで若い女性が転倒して死んだ。O医科大学法医学教室の新人・伊月崇(いづきたかし)とミチル、都筑(つづき)教授は、ランチを食べに行く途中、偶然その遺体に遭遇する。ところがその遺体が、警察に搬送される途中で忽然(こつぜん)と消えてしまった。さらにミチルに謎のメッセージが送られてくる。怖ろしすぎるラストまで目が離せない!
報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。梓の依頼は、旦那殺しの容疑で逮捕されたという母・郁美の弁護だ。悪名高き〈死体配達人〉が実母を担当すると聞き動揺する検察側。母子二代に渡る殺人の系譜は存在するのか? 「御子柴弁護士」シリーズの最高傑作。連続ドラマ化で話題独占!「悪魔の弁護人・御子柴礼司?贖罪の奏鳴曲」 12.7放送開始 毎週土曜よる11時40分原作・中山七里『贖罪の奏鳴曲』『追憶の夜想曲』『恩讐の鎮魂曲』『悪徳の輪舞曲』東海テレビ・フジテレビ系全国ネット 主演:要潤 ベッキー 津田寛治悪徳、法外な報酬、絶対勝訴。悪魔の法廷劇が今、始まる!
1943年、魔都・上海。ひとりの科学者の絶望が産みだした治療法皆無の細菌兵器。その論文は分割され、英・仏・独・米・日の大使館に届けられた。手を取り合わなければ、人類に待っているのは、破滅。世界大戦のさなかに突きつけられた究極の選択に、答えはでるのか? 第159回直木賞候補作
時は大正時代、東京府――。大蔵大臣・檜垣一郎太(ひがきいちろうた)の妾の子・永人(ながと)は、嫡男の‘謎の失踪’を受け、急きょ跡継ぎとして名門私立千手學園(せんじゅがくえん)に放り込まれることに。學園内では妖しげな呪いの噂が流行しており、永人は思いがけず友人たちとその解決に挑んでいく。學園に蔓延る謎を、そして義兄失踪の真相を暴くことができるか!? 大正浪漫の香り漂う本格學園ミステリ、ここに開幕!
大日朝日(だいにちあさひ)銀行広報グループにかかった一本の電話。暴力団がからんだ不正融資の告発だった。電話を受けた峰岸貴之(みねぎしたかゆき)は、反社会的取引解消の特別任務を命ぜられた。合併再編によって生まれたメガバンクの派閥争いに振り回されながら、峰岸が「巨悪」に挑む! 実際に広報部員として不祥事に対応した著者が、正義感溢(あふ)れる中堅バンカーの奮闘を描いた意欲作!(『統治崩壊』改題)
バーで出会った兼業小説家・高崎に惹かれ恋に落ちた藍。酒に酔った高崎の言葉を「これは運命の恋」と信じ、彼と同居をはじめる藍だが、高崎という男は多くの女に言い寄られそれを優しく受け入れても、決して女を幸せにすることができない――そういう男だった。しかしそんな高崎も戸惑わせる藍の無垢な愛情は、いつからか止まっていた高崎の筆を進める格好の題材となっていき……。櫻いいよが‘恋’を知らない男と女の‘愛’を描く、年の差恋愛ストーリー。
様々な依存症に苦しむ人々を救う『治し屋本舗』。そこに勤める嶋村羽音は、かつての自分と同じ症状に苛まれる対象専門の治し屋として順調に仕事をこなしていた。そんなある日、社長の鬼塚から命じられた新たな案件の対象者、沢木聖人との出会いにより、重なる過去の自分、そして自分を絶望の底に追い込み完全に克服したはずの【失恋依存症】と再び向き合うことになり――。喪失の果て、最後にあふれる涙! いぬじゅんが満を持して贈る、再生の物語。
ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎と、多彩なジャンルの演劇に取り組んだ、栗本薫の脚本集!幼い頃から歌舞伎に親しみ、高校時代にはケストナー作『ふたりのロッテ』を脚色した栗本薫にとって、演劇は常に身近な楽しみであった。1979年に脚本と作詞で参加した『ロック・ミュージカル ハムレット』を皮切りに、脚本家、作曲家、あるいはプロデューサーとして携わった舞台は生涯で55本にのぼる。自作小説の舞台化、脚本のノベライズなど縦横に活躍し、ミュージカル作品では自ら作詞作曲も手がけるなど、マルチな才能を存分に発揮した55本の舞台から選りすぐった代表作20本と、貴重な未発表作品3本を収録する。未発表作品の目玉は、銀座・セゾン劇場のこけら落とし公演で大島渚プロデュース、やまもと寛斎演出で上演されるはずだった、モラヴィア原作の『仮装舞踏会』。関係者の不幸な事故によりお蔵入りとなったが、初の活字化をした。また、歌舞伎座で上演された歌舞伎作品『彦三太鼓』は、演出の宇野信夫によって大幅に手を加えられたため、栗本によるオリジナル版をこちらも初めて公開する。さらに今巻が電子全集の最終巻ということで、監修者が総力を上げて作りあげた、小説、評論、エッセイなどの著作物はもちろん、単行本化されなかった雑誌掲載記事まで、すべてを年表形式でまとめた「栗本薫・中島梓 全著作リスト」は、ファンならマストアイテム。夫として、担当編集者として、最も近くで栗本を支えた今岡清氏が初めて綴るエッセイ(連載)は、栗本没後に残された膨大な自筆原稿や創作ノートなどをまとめて葛飾区立中央図書館に寄贈した、その思いを語る。実母・山田良子氏の日記から栗本の誕生?大学入学までを記した「栗本薫の育児日記」(初公開)も大好評連載中。高校最後の年の大学受験秘話も必見。※この作品にはカラー写真が含まれます。
寄り添う事で、人の人生は変えられるのか―― 家庭裁判所調査官見習いの若者の奮闘を描く感動作! 家庭裁判所調査官として研修の間、九州の福森家裁に配属された望月大地。 そこでは窃盗を犯した少女、ストーカー事案で逮捕された高校生や親権を争う夫婦とその息子など、心を開かない相談者たちを相手に、懊悩する日々を送ることに……。 大地はそれぞれの真実に辿り着き、一人前の家裁調査官となれるのか!? 解説・益田浄子(家庭裁判所調査官)
彼はなぜ絵を描き続けたのか?〈最後の一撃〉が読者の心を撃ち抜く感動の傑作長編。北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。決して上手いとは言えないものの、その色彩の鮮やかさと力強さが訴えかけてくる。そんな絵を描き続ける男、伊苅にノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが、寡黙な彼はほとんど何も語ろうとしない。彼はなぜ絵を描き続けるのか――。だが周辺を取材するうちに、絵に隠された真実と、孤独な男の半生が次第に明らかになっていく。〈最後の一撃〉が読者の心を撃ち抜く感動の傑作長編。解説・末國善己