【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
宮越綾菜は、カジュアル衣料会社の社長令嬢で、父親が社員の中から選んだ友也と結婚し、誰もが羨むような満ち足りた生活を送っていた。そんな綾菜に不運な事故が重なり、それは仏間やバスルームでの怪異現象にまで発展する。「誰かに呪いをかけられているのでは」と思いつめた綾菜は、呪いを解くために京都の貴船神社を訪れる。ところが連続怪死事件が発生して、綾菜は絶望のどん底を味わうことに。知人を介して相談を受けていた八木沢刑事は、はじめからトリックの存在を疑っていたが…。八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
突如として行方をくらました往年のスター歌手・橘加奈子。彼女が所属する芸能プロダクション社長の森川は必死になって探したが、マスコミが大騒ぎしたにもかかわらず、いつまでたっても彼女は行方不明のままだった。一方、やり手の宝石商が東京郊外の自宅で拳銃自殺した。遺書が残されていたものの、警視庁捜査一課のベテラン刑事・八木沢庄一郎は、どうしても疑念をぬぐいさることができなかった。さらに多摩川土手では別の他殺死体が発見され、事件はいよいよ謎を深めていく…。八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
血塗られた過去を消し去り‘三つの顔’を使い分ける女。末期ガンで寝たきりになりながらも復讐を考え実行しようとする老人。夫の莫大な財産を狙う奔放な妻とその愛人…。美しく描かれる西伊豆の自然とは対照的な、複雑に絡みあった人間関係。彼らの怨念が引き起こした殺人事件とは? 八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
クラブホステスだった飛山初絵は、老資産家と結婚後、夫を殺害して莫大な遺産を手に入れた。しかし三年後、殺人を依頼した男・中根菊夫から恐喝される。大金を手にした中根だったが、知人に預けたはずのコインロッカーの鍵が消えてしまい、必死の捜索を始める。鍵を持ち出したのは、夫の暴力に耐え忍ぶ人妻。彼女は偶然にも旅先で、警視庁の村岡刑事に出会い…。人気ミステリ・八木沢警部補シリーズの外伝的作品。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
東京・荒川区の古びた木造アパートで、女性の殺人死体が発見された。貧しい生活をしていた被害者の部屋に残っていたのは、アロマキャンドルと金子みすヾの詩集。八木沢刑事と島野理絵刑事のコンビが捜査を始めると、被害者の意外な素顔が明らかになった。やがて、第二の殺人事件が発生。二つの事件に関連はあるのか? 謎を解く鍵を求めて、二人は下関に向かう…。八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。<大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)<931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
ある日、ふと手にした新聞の記事にあった‘瓶の破裂’というキーワードから、子供の頃の古い記憶がよみがえる…。15年前、三田村志津夫の父親は、強盗殺人一味の汚名を着て死んだ。「おやじは強盗殺人などできる人間ではない!」三田村は、単独で過去の真相を探りはじめた。やっと一味を捜しだしたが、その矢先に一人は墜落死、一人は絞殺死体で発見された。そして現場に残っていた靴跡から、三田村に容疑がかけられてしまう。絶体絶命の彼に手をさしのべたのは、意外な人物だった…。長篇推理サスペンス。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
伊豆大島をグループ旅行した女子大生の前原真樹は、記念撮影の写真の中に亡霊のような学生服姿の男が写っているのを発見した。その‘亡霊写真’を見て、父親の信造は顔色を変えた。彼はさっそく、古い友人の有田道隆に電話した。が、その最中、密室状況下の書斎で急死。そして手には家族の誰も憶えのない溶岩の塊をにぎりしめていた。……数日後、有田の一人娘の由美子が家出した。結婚を反対されている相手の高村雅史にそそのかされたのだ、と有田は推測したが、行く先の見当はつかない。そして三日後、由美子から届いた速達、その消印には伊豆大島の元町局になっていた! すべての鍵は大島にある。慌ててその夜の船で向かった有田だが……。長篇推理サスペンス。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
ヤミ金融界の大物・北岡寛之助邸に二人組の強盗が侵入、現金五千万円を強奪した。冷酷非情にも主犯の植戸は、共犯の増垣との事前の約束を破り、老夫妻を殺害してしまう。車で逃走した二人だが、トランクの中に積みこんだはずの五千万は煙のように消えていた。疑念が激突する犯人たち…。一方、八木沢警部補は、新人の女刑事・島野理恵とともに、寛之助の郷里の諏訪湖を訪れる。しかし、捜査を開始したとたんに第二、第三の殺人事件が発生する。捜査線上に浮かび上がった謎の美女・菅井亜沙美。彼女の言動から八木沢は事件の真相を見抜き、信州諏訪湖を舞台に犯人の大追跡が始まるが…。八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
東京・高島平のパブで開かれたカラオケパーティ。「ここに集まった者の中に、自分の犯した犯罪を隠している人間がいる。殺人という恐るべき犯罪をな。おれはその人間に、実力で相応の刑を与えよう。ここに宣告する。極刑に処する、と」突然流れ始めた‘殺人予告’の音声に、会場は騒然となった。そして数日後、客の一人だった坂上が殺害されてしまう。パブの経営者だった松浦に容疑がかかるが、彼は身の潔白を証明するため、自分で事件を追うことにした。警察に過去を調べられると、誰にも話していない‘あのこと’まで発覚してしまうからだ…。長篇推理サスペンス。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
神話の里でトレインジャック! スサノオ伝説をめぐる古代史の闇とは―― そして人質60人の運命は!? スサノオの神社を潰せ。さもなくば人質は全員死ぬ! スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治したという古代神話に彩られた島根県奥出雲。旅行作家・高木は、三段スイッチバックで有名なJR木次線を旅行雑誌の取材で訪れるが、駅に置かれたノートに「奥出雲で盛大な花火を打ち上げる」と書かれた意味深なメッセージを見つける。その後、休暇中の亀井刑事親子が乗った木次線の列車がトレインジャックされ、犯人からは耳を疑う要求が――!?
原作&コミカライズシリーズ累計80万部突破の〈デス・ゲーム〉シリーズ最新作!殺(や)るか、殺(や)られるか!?楽園=学園から追放された高校生10人死のバトル・ロイヤル=〈人狼ゲーム〉で生き残るのは誰か!?〈あらすじ〉ある日、同じ高校・同じクラスの男女合わせて十人が、一斉に失踪した。彼らが集められた目的は──生死を賭けた‘人狼ゲーム’のため。勝てば一億の賞金、負ければ死……。『人狼ゲームの始まりです。それぞれカードを取り、自分の正体を確認してください。 構成。人狼側──人狼二人。村人側──予言者一人、霊媒師一人、用心棒一人、村人四人。その他は、狂人一人。 毎晩ここへ集まり、夜八時までに任意の相手に投票してください。最多票を集めた者が処刑されます──』私は野々山紘美、拉致されて強制的にこのゲームに参加させられた。集められたクラスメイトのなかには、親友もいれば、そうでない者、ちょっと複雑な思いを抱える相手もいる。賞金? 死? 本当にそんなものがあるのか、疑問に思うが、だが否応無しにゲームは始まった。今日という日は、残りの人生の最初の一日──生き方すら分からない未熟な私たちは、自分の死に方なんて、想像もつかなかった……。
空前のブームを巻き起こした「人狼ゲーム」ビッグプロジェクト始動!武田玲奈主演で、2018年1月16日より‘連続ドラマ’放送中そして、4月7日より‘映画版’全国公開決定!原作&コミカライズシリーズ累計80万部突破の〈デス・ゲーム〉シリーズ最新作!嘘つきは、誰だ?‘人狼ゲーム’を仕切る黒幕の正体は?そして、仲間内から発せられた「死んでつぐなえ」は誰に対してなのか!? ついにバトルは佳境を迎える!◎【人狼ゲーム】とは? ヨーロッパ発祥の伝統的パーティゲームとその亜種の総称。日本では「汝は人狼なりや?」という名前でも普及している。1)村の中には村人に扮した人狼が混ざっている。2)人狼は夜になると一人ずつ村人を殺す。3)昼は全員で相談し、人狼だと思う相手を多数決で一人選び、処刑する。4)人狼を全滅させた場合、村人側の勝利。村人側の人数が人狼以下になった場合、人狼側の勝利。狂人は村人側としてカウントされますが、人狼側が勝利した場合に勝利。〈プレイヤー〉人狼 ………毎晩、ひとりを選んで襲撃する。村人 ………特別な能力はない。人狼の全滅を目指す。予言者 ……村人側。毎晩、ひとりを選ぶ。その相手が人狼か否かがわかる。用心棒 ……村人側。毎晩、ひとりを選ぶ。その相手が人狼に襲撃された場合、守れる。霊媒師 ……村人側。毎晩、直前に処刑された者が人狼か否かがわかる。狂人 ………特別な能力はない。村人としてカウントされるが、人狼が勝利した場合に勝利となる。〈あらすじ〉ある日、同じ高校・同じクラスの男女合わせて十人が、一斉に失踪した。一方、事態を重く見た警察も二人の刑事を中心に事件の捜査にあたる。その過程で浮かびあがる、生徒たちの複雑な人間関係。そして、一人の死体が発見される……。高校生たちが集められた目的は──生死を賭けた‘人狼ゲーム’のため。勝てば一億の賞金、負ければ死……。私は野々山紘美、否応無く参加させられた‘人狼ゲーム’で、クラスメイトの命を奪った──。憤りつつも生死をかけたバトルが今夜もやってくる。疑心暗鬼がうずまくなか、ある事実が判明する。集められたメンバーは無作為ではなく、‘この中の誰か’によって仕組まれたものだった。「死んでつぐなえ」──一体、このメモを書いたのは誰? その目的は? 私は決めなければならない──今日、誰を殺すのか。大事なのは「決める」こと。今の自分は、これまでしてきた自分の決断の結果。決められない人間は、ここでは死ぬしかない……。
失踪した夫そっくりの男性と出会ったオーブリー。恋に落ちるが、いったい彼は何者なのか――?RITA賞ノミネート作家が描くハラハラドキドキのジェットコースター・サスペンス!友人の結婚を祝うパーティに出かけた夜、オーブリーの夫ジョシュが行方不明になった。自宅で大量の血痕が見つかり、夫に五百万ドルの死亡保険金がかけられていたことから、オーブリーは殺人の容疑者となる。だが証拠不十分で無罪の判決がくだり、5年が経って失踪宣告が出され正式に未亡人となった日、彼女はある男性と出会った。夫に生き写しなだけでなく、しぐさや酒の好みまで似たその男に懐かしさを覚え結局夜をともにするが、男はキスや愛撫の仕方まで夫に似ていた。いったい、彼は誰――?原題:No One Knows
新直木賞作家・門井慶喜 幻のデビュー作『キッドナッパーズ』が電子版で登場!オール讀物推理小説新人賞を受賞した、逆転また逆転の誘拐ミステリー。 「大声をだすな」宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!?少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた!宮沢賢治の父・政次郎を描いた『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞した門井慶喜さん。デビュー作は2003年にオール讀物推理小説新人賞を受賞した短篇ミステリー「キッドナッパーズ」でした。諸般の事情により単行本にも文庫にも収録されていない幻のデビュー作を、電子書籍でお届けします。[オール讀物推理小説新人賞「選評」から]「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員)「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員)
敏腕刑事といわれた上条昌彦が職を失ったのは、合意のはずの女から強姦と騒ぎたてられ、告訴されたからだ。そんな上条が小野里家から娘マキの警護を頼まれる。玉の輿の結婚を控えている彼女に、最近不審な電話がかかってくるというのだ。上条が小野里家に赴いた夜、近くで女性が暴行のはて絞殺される。これがおぞましい事件の発端だった。――暴行という極限状況を主題に、男女の愛欲を描く長篇推理。
警視庁の敏腕刑事・徳田左近は定年間際に警察庁に引き抜かれ、都道府県警すべてに亘る未解決事件の再捜査を担当している。彼の身辺で不気味な動物虐待事件が続いた。庭で餌づけしていた鳩が両足を切断された数日後、榧ノ木山への登山道で、木の幹に鎖で繋がれ放置されたアイリッシュ・セッターの餓死死体を発見した。異常者の愉快犯……血統書を手掛かりに徳田は執拗に犯人に迫る(表題作)。ハードロマン集。
垰という名の峠の麓に黒神左記は立った。見るからに嶮しい岩山の峠越えである。素人の旅人にはきつい道だ。登り始めた時、左記は一人の老人と出会った。岩介と名乗ったその老人はおもむろに「岩鷹」について語り始めた。峠越えをする者は必ず岩鷹に見つめられるという。同道を申し出た岩介は岩鷹を捕えて啖うという。そして項近くでついに二人は岩鷹と出会った! 人間の狂気に鋭く迫るハードロマン巨篇。
美容院を経営する若き未亡人の大倉真由子が自宅のマンションに帰ってみると、見知らぬ男が待っていた。十日前にグァムへ旅行した時に知り合い、かろうじて一線は越えなかったものの、泥酔した果てに、部屋の鍵を渡して再会を約したのではないか、というのだ。しかも男は、二年ほど前、真由子の夫が妊娠五カ月の愛人とともに惨殺された事件に関心を持っているようなのだ。意想外の結末があなたを待つ! 女の業の深淵を描くミステリー。
雨の降る火曜日、二十三歳の花村理絵は二年前から続いていた上司との関係に終止符を打った。会社にも退職願を出した。長年住み慣れた家も出た。それもこれも、自らの過去を消して、死んだ養父母の復讐を果たすためだった。医は算術を地で行く小田桐病院長の長男・哲也を誘拐し、身代金を要求するのだ。哲也は二十一歳。女の理絵に果たして誘拐は可能か?
ゆえあって組織暴力団の用心棒をつとめる羽根沢は、たった1人の肉親の臨終を見とるべく愛車で病院に急行する途中、見知らぬ老女と接触事故を起こした。緊急時でもあり、大した怪我でもなさそうなので、そのまま放置したところ、翌朝、新聞には《老女、ハネられた上で絞殺》と報じられていたではないか。羽根沢は恋人と共に仕組まれた罠の解明のために奔走を始める。――老人の孤愁と懊悩に挑んだ異色長篇推理!
南アルプスで男女の死体が発見されたが、遺体は死後十日間で白骨化していた。同じ頃、環境庁鳥獣保護課の沖田のもとに中部山岳一帯における鳥獣の異常繁殖を告げる調査報告が相次いだ。沖田は理学博士・右川を訪ね、百二十年に一度というクマザサの結実が、それを餌とする鼠の大量繁殖をもたらしているとの指摘を受ける。関係官庁は対策要請にも耳を貸さず、ついに大惨事が発生する。壮大な長篇サスペンス。
男を飽きさせない肉体をもつ亜衣子は、事業家の夫に愛され、幸せな日々を送っていたが、それもうたかたに過ぎなかった。ある日、未知の男が訪れ、半年後に須佐原が出所するという凶報をもたらしたのだ。須佐原──過去に亜衣子が同棲したことのあるヤクザで、殺人傷害を起こし、当分は服役中のはずだった。彼女にとって、まさに忌まわしい過去を白日にさらすパンドラの箱というべき男が出現したのだ……。
ウラン鉱の人形峠に近い御霊町では、先住民と新興住民の間で町を二分する諍いが続いていた。ある日、先住の反町長派急先鋒・野川の娘が運河で溺死した。防護柵の設置を再三、町長に陳情していた矢先だった。続いて今度は町長の一人息子が絞殺されるに及んで、両派の不信と猜疑が一挙に爆発、血で血を洗う惨劇が始まった……。滅びを呼ぶ人間の業と、国家権力の壮大な謀略を活写する傑作長篇。
ミス・コンテストの最終予選に残った5人の美女が、旬日に迫った発表日を前にして、脅迫・交通事故・怪死と次々と謎の事件に巻き込まれてゆく。時を移さず警視庁特捜班の執拗な追求が開始されるが、彼らの行く手には、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室などが複雑に絡み合った‘犯罪連立方程式’が立ちはだかるのだった……。果して、その解答はあるのだろうか? 著者の代表的本格推理小説!
殺人鬼の母親を告発した少女ミリーは、里親のもとで新たな生活を送ることになったが……少女の葛藤を描く異色の青春×法廷ミステリ。
メトロポリタン博物館から忽然と消えた古写本、ペントハウスで起きた密室殺人、乗る者を次々死に追いやるボートの怪、古詩のとおりに消失と出現を繰り返す竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当てて真相をあばくのは、日本人執事カトーを従えた謎の紳士トレヴィス・タラントである。巨匠クイーンが「当代におけるもっとも想像力に富んだ探偵小説」と評し、〈クイーンの定員〉に選出した傑作短編集に、その後に発表された「消えたスター」「危険なタリスマン」など4編を追加収録し、不可能趣味に満ちたシリーズ全作品を網羅した文庫決定版!/解説=千街晶之
被害者と加害者、その家族たちのやむにやまれぬ’想い’をみつめてきた刑事・夏目信人が出会う凄惨な事件の数々。年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護。社会の歪みが生み出す不平等や、やり場のない虚しさを抱えつつも懸命に前を向く人々を理不尽に踏みにじる犯人を前に、常に温かみに満ちていた彼のまなざしが悲しき’怒り’に燃えあがる。日本推理作家協会賞受賞短編を収録、現代社会の闇に切り込んだ4つの傑作ミステリー。
「死にそうに、いいです。ああッ」男のやり方は射精が目的だけではなく、丹念に女の官能を掘り起こす強姦だった。二七号強姦魔――五年前に忍び込んだ家で若夫婦を強姦し大金を奪って以来、七件の犯行を重ね二人の人妻を絞殺した凶悪犯。そしてまた新たな犠牲者が生まれた。泊まりがけの友人宅で被害に遭ったのは警視庁捜査一課・保科の妻だった。重い殺意を胸に、保科は犯人を追う! 官能バイオレンス集。
長野県警から警視庁へ出向中の御子柴刑事。おおむね平穏な生活を送っていたものの、暮れも押し詰まってから次々と事件が発生。さらには凶刃に襲われて! 相棒の竹花刑事は異変を察知し、御子柴のもとに駆けつけるが……。御子柴くんの身に危険と大きな変化がおとずれる、スイーツ&ビターなミステリー第二弾!
新宿花園神社の取材中、頭の下に桟俵という藁細工が敷かれた死体を発見した浅見光彦。警察が捜査を進めるうち、被害者の男が生前‘雛人形に殺される’と語っていたことがわかる。遺留品の桟俵が鳥取山中の流し雛に使われものであると判明した直後、現地で調査中の刑事が失踪。神秘的な雛人形の世界に迷い込んだ名探偵は、事件を解決できるのか!