【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
橋岡は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とはオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の手配も任されていた。騙し取った金の大半は高城に入る仕組みで、銀行口座には金がうなっているのだ。賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。一方で府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出していた。最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!
ピアノ調律師の一藤麻衣子には、忌まわしい記憶があった。父親の死を期に、母子で身を寄せた愛媛の山奥の小さな村。今はダムの底に沈んでいるその村で、少女時代の麻衣子が目撃したもの。それは村長であり、麻衣子の庇護者だった伯父が熱湯で茹で上げられた全裸の惨死体だった。伯父の肩に刻まれた十字の焼印。囁かれる隠れキリシタンの呪い――。村を捨て東京へ逃れ、ひっそり暮らしていた麻衣子だったが、ある人気女性ピアニストとの出会いから、運命の歯車が過去へと動き出す…。やがて明らかになる悪意の真相とは?2017年日本推理作家協会賞受賞後初の長編ミステリー!
仙台の家に引っ越してから、姉の繊細な神経はますますその度合いを増していくようだった。見えないものを見、聞こえない音を聞く。それは死者の気配。(表題作「命日」より)生きているものたちの後ろにひっそりとある異界のものたちの存在。かれらは何を伝えようとしているのか。恐怖より哀しみ、不思議より美、幻想に満ちたあやしの交流を、流麗な筆致で描く恐怖短篇集。
美しく賢く、両親に溺愛されて育った3歳違いの姉。母の死、恋人の裏切りを機に、常軌を逸した旺盛な食欲にとらわれ、みるみる太ってゆく。日ごとに醜くなる姉への、かすかな嫌悪が、やがて憎悪に変わったとき‘私’は……。表題作「贅肉」ほか、ゆるやかな狂気の淵にたゆたう心のさまを描くサイコ・サスペンス、選りすぐりの全4篇。巻末に著者自作の年譜を収録する。
一枚のモノクローム写真に秘められた懐かしくいとおしい日々の記憶。人生の晩年を迎えようとしている女性随筆家は、愛した男への思いを胸に生きてきた。だが、小さな出来事が平穏な生活にさざ波をたてる……。表題作「夢のかたみ」ほか、再会の一夜のドラマを綴る「チルチルの丘」など、遠い日のエロスを溢れるノスタルジーで描く。失われた時間への哀惜と感傷に満ちた5編。
人見知りの新人女性監督と人間嫌いな脚本家。連続ドラマを撮影中の二人にせまる邪な闇と謎。かぶった者を乱心させるという鬼面、盗まれた呪いの人毛かつら、一瞬にして眼前から消えた祭り――。名女優や片腕の男たちも巻き込み、虚構と真実の境界線で二人が辿りついた秘密とは? 京都の四季が彩る謎が、あなたの目を惑わせる!
一つの出来事が人の心に落とす影響が、人と人を結び、やがて事件を呼び込んでゆく――。著者渾身の傑作ミステリー!巨大団地で生まれ育った戸塚友梨は小学校二年の時、仲良しの里子が祖父から虐待を受けていることに勘づいたが、救えなかった。中学生になった友梨は、夜道で襲われかけた友人の真帆を助けようと暴漢を包丁で刺してしまうが、翌日その事件で警察に連行されたのはなぜか里子だった――。心の底に秘めていた小さな思いがからみあい、取り返しのつかない人生の場面へと繋がって行く。大人になった三人の同級生の人生が三たびからむ時、この関係が行き着く意外な結末とは。「人を追い詰める本当の存在」を描きリアルな焦燥感が真に迫る傑作長編ミステリー。
カワイイあのコは、妹?姉?それとも…?このシェアハウスに集まる家族は全員、探偵! 格安家賃のシェアハウスに住むことになった元・美少女子役の五月女リオは見返りとして大家の営む「レンタル家族業」を手伝うことに! リオが演じてみせるのは、人気漫画家の妹役からワケあり老人の息子役まで多種多様。ひと筋縄ではいかない依頼と次第に増える「家族」たちが、思いもよらない事件を呼び込む!? 結末までイッキ読み、笑いと衝撃の本格ミステリー。
県警内部、全員敵!? 千葉県警の警察官が殺された。捜査にあたるのは、県警捜査一課で検挙率トップの班を率いる警部・高頭冴子。陰で〈アマゾネス〉と呼ばれる彼女は、事件の目撃者である八歳の少年・御堂猛から話を聞くことに。そこで猛が犯人だと示したのは、意外な人物だった……。思わぬことから殺人事件の濡れ衣を着せられた冴子。自分の無実を証明できる猛を連れて逃げ続ける彼女に、逆転の目はあるのか!? 冴子は真犯人にどう立ち向かうのか? どんでん返しの帝王と呼ばれる著者が贈る、息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。
中原咲子は女子大一年生である。夏休みを機に塾講師のアルバイトをすることになった。兄はオカルト雑誌の記者をしている。咲子は兄の同僚と生徒から同時に呪いのメモリーカードの存在について知らされる。事実を知るにつけ「こんなもの、流通させてはならない」と決心し、解明に挑む。最後には、生徒とのあらぬ恋愛感情のもつれから、一人の女子生徒から自分に呪いが向けられた。そのとき、咲子は……?
※こちらは無料の〈試し読み増量版〉で第一章の途中までお楽しみいただけます。’アニメイズム’枠放送の完全オリジナルTVアニメの公式ノベライズが上下巻で刊行!時は禁酒法下のアメリカ。舞台は密造酒の闇取引で賑わう街ローレス。マフィアは日々抗争を繰り広げ、警察もその力を失い汚職にまみれ、街から秩序は失われてしまった。その街に、7年の時を経て降り立つ青年の姿が。男の名はアヴィリオ。かつて、この地でマフィアの抗争により家族を皆殺しにされた。絶望の日々を送るなかで届いた差出人不明の一通の手紙が、彼の心に復讐の黒い炎を灯し、ローレスに舞い戻らせたのだ。アヴィリオは、仇であるヴァネッティファミリーに潜入し、復讐を果たすためにドン・ヴァネッティの息子ネロに接近するが、やがて……。――これは、哀しき運命に囚われた男たちの、91日間の復讐劇。表紙は公式の新規描き下ろしイラスト!
十二月三十日、その年のGI優勝者や賞金王など九人の選手が賞金一億円をかけて争う「KEIRINグランプリ」が開催される。過酷なレース、競輪に人生をかける男たちが挑む、年に一度の決戦への道を迫真の筆致で描いた自転車小説。妻への愛、友との友情、息子への想い、仲間との連帯を心に男たちはただ走る!
引退した元スパイ、ピーター・ギラムは、かつて所属していたイギリス情報部から緊急の呼び出しを受けた。冷戦期、作戦中に射殺された同僚の子供たちが、親の死亡原因はギラムとジョージ・スマイリーにあると訴え出たのだ。だが、スマイリーの行方は知れず……。傑作『寒い国から帰ってきたスパイ』『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』、世紀を超えた続篇!
強制売春の被害者が起こした思いもよらぬ事件。グレーンス警部が直面する北欧の闇とは? スウェーデン警察小説シリーズ第二作。
新宿に本社を構える不動産会社の営業マン、澤村聡志。なかなか営業成績を出せない澤村の新しいパートナーとなったのは、トップセールスを誇る美人営業・神崎くららだった。気が強く先輩使いの荒いくららにこき使われながら、大家と店子の間を飛び回る澤村だったが、二人の担当物件にはおかしな謎がつきまとう。「先輩が知恵を絞ってくださいね」謎解きはお客様の居心地よい住まいのために! 心あたたまる本格不動産ミステリ。
シェアハウスに学生6人が暮らした。リーダー格の雷光が他のメンバーを趣味の神秘現象研究会に引き入れた。自分が怪談を披露し、皆にも強要したが全てフェイクのお粗末さ。五月の連休に富豪の子の核太がスポンサーになって、故郷の信濃にバスハイクした。一晩目は核太の屋敷、翌日は戸隠で奇譚を聞き、核太の父の計らいの姨捨の古寺の本堂に泊まった。夜中に迷度は童子の卒塔婆を拝み核太と陽奈は無縁塚を拝むのを雷光が見たが、本人達は否定し、雄太は雷光一人が外に出たと証言した。
昭和16年12月、真珠湾攻撃の直後、空母「蒼龍」に着艦したパイロット榊原大尉が不可解な死を遂げた。彼の友人である加多瀬大尉は、未亡人となった志津子の依頼を受け、榊原の死の真相を追い始めるが--
二十六歳のひよっこ社会保険労務士・ヒナコが、得意先で相談に乗りながら事件を解決! 「お仕事する人の面倒を見る」お仕事小説登場。朝倉雛子は、新卒で就職に失敗して派遣社員で働いていたが、社会保険労務士の試験に三回目で合格し、社会人になって5度目の春に社労士として新たなスタートを切った。社労士とは、労働関連の法令にもとづく書類の作成代行をしたり、企業の労務管理や社会保険に関する相談や指導を行ったりする国家資格の職業。いわば、働きやすい環境をつくるのが仕事。ヒナコが、クライアントの会社で、ちょっとした事件を解決していく(時には失敗するけれど)、読んでこころがほっこりする連作短編集です。
その朝、双子の老姉妹が手に手をとり、崖から飛んだ。疎遠だった子らが葬儀に集い、やがて武家屋敷の床下に隠された四体の遺骨を見つけ出す。これは誰? いつからここに? 金貸し一族の淫靡で切ない歴史と、‘乙女’のゆがんだ欲望を描き出した、背徳のミステリー。〈解説〉大矢博子
中学生の重光ゆかりは、元暴力団組長の九鬼直正からアドバイスを受け、いじめっ子らに立ち向かう。数日後、そのうちの一人が丹沢山中で死体となって見つかった。いじめの報復を疑われたゆかりのため、九鬼は真犯人を探す。一方、政財界の黒幕が殺された事件の真相を追う棟居刑事。二つの事件は、次第にひとつに繋がって――。棟居刑事シリーズ傑作ミステリー。
気まぐれでミステリアスな〈相棒〉をめぐる、豪華執筆陣による全8篇――新井素子×黒猫の独白、秋吉理香子×野良猫見守り隊、芦沢央×少年名探偵と仔猫、小松エメル×猫になりたがる妹、恒川光太郎×妖怪猫ケシヨウ、菅野雪虫×オッドアイと「死神」、長岡弘樹×高齢者とペットロス、そにしけんじ×探偵ニャンロックホームズ。いつでもどこからでも手軽に猫を愛でることができる、バラエティ豊かなアンソロジー。◆収録作と主な登場猫物◆新井素子「黒猫ナイトの冒険」(自称「名前は、ない」野良猫)秋吉理香子「呪い」(白い野良猫のシロなど)芦沢央「春の作り方」(黒と茶のサビ猫)小松エメル「一心同体」(黄色い瞳の黒猫)恒川光太郎「猫どろぼう猫」(水色の瞳のサバ虎)菅野雪虫「オッドアイ」(虹彩異色症の白猫)長岡弘樹「四月のジンクス」(シャム猫のハナ)そにしけんじ「猫探偵事務所」(助手のニャトソンくん)
竹花千景は、夫を医療過誤のために失い、そのショックで5ヵ月の胎児を、さらには泥沼のような病院側との争いによる心労で実の父までも失ってしまった。それから3年余、名を変え、住居も移ってようやく心の傷も癒えかけた時、事件の医師・北尾根一家が隣に越してきたのだ。幸せそうな隣家の様子に、千景の胸に復讐の念が燃え上がる……。罪と罰、そして復讐を描いて迫真のサスペンス巨篇。
死神シリーズ第4弾。警視庁公安特科隊長だった中郷広秋と伊能紀之は、国際テロ組織を殲滅すること三度、死神の異名をとったが、警察の報酬違約に辞表を叩きつけ、クルーザーで全国を巡る水上酒場を思いたった。焼津沖で若い女を売買する暴力団と外国貨物船に殴りこんだ頃、警察庁長官が二人を訪れ、大西洋上でシージャックされた超豪華客船の奪還を依頼してきた。報酬は三億……。バイオレンス巨篇。
専門学校に入学するため、地方から上京してきた美菜は、隣人に挨拶に行くことに。お隣の青年・雄也は長身で、どこか陰のある青年。しかも彼には人に言えない「裏の顔」が……。ユーモアミステリ決定版!
レオナと呼ばれる少女が「殺された」。その少女は生身の人間ではなく架空のキャラクターだったが、ほんの数ヶ月前まで、レオナは彼のすべてだった。だが突然、レオナは「殺されて」しまったのだ。レオナを蘇らせるため、ネットに犯行声明をアップした吉永千裕がまず企てたのは、現実の少女の誘拐だった。ネットで知り合った少女・星来を呼び出し誘拐を実行した千裕だったが、星来からの提案で、ある「勝負」を受けることになる。それからふたりの、奇妙な旅がはじまった――。千裕はいったい何を目論んでいるのか? 旅するふたりの「勝負」の行方は?驚きと切なさに満ちたラストが胸を刺す、異色の長篇ミステリ!※本作は第37回横溝正史ミステリ大賞の奨励賞受賞作「pH」を改題の上、加筆修正したものが底本です。
京都市内のビルの非常階段で、有力不動産会社社長、真鍋征矢の妻、文香の遺体が見つかる。文香の手には夫・征矢の金属製のブレスレットが握られていた。妻は夫からの暴力被害を訴え離婚調停中だった。事件後、文香の担当弁護士の和光は、彼女は嘘をついていた、DVはなかったとして、征矢の無実を証明したいと名乗り出る。果たして嘘をついているのは誰か。京都府警の準キャリア刑事、大橋砂生が不可解事件に執念で挑むが……。
ゲームソフトの開発に携わる矢木沢は、ある日を境に百鬼夜行の幻覚に苦しむようになる。どこからともなく魑魅魍魎の群れが現れ矢木沢の周囲すべてを埋め尽くしてしまうのだ。しかも、その幻覚は回を重ねるごとに進化し、威力を増し、巨大な恐怖の濁流となって矢木沢を翻弄していく。知り合いの姪、真壁岬の助けを借りて原因を究明しようとするが、幻覚は矢木沢の思考、存在を超えなぜか古事記に酷似したものとなっていく。どうしても思い出せない母親の顔……。震動を伴い聞こえてくる言葉「吾に辱見せつ(われにはぢみせつ)」……。鬼才・竹本健治が描く、日本人のDNAに直接迫る言霊から生まれる恐怖と、その受信回路のメカニズムとは!
高級寝台特急で起きた殺人事件の容疑者は、目的地以外は共通点のない乗客たち。世界一の探偵、エルキュール・ポアロが導き出した真実とは――。‘ミステリーの女王’の代表作が読みやすい新訳で登場!
これを読んだら、今晩、家の扉をひらくのが怖くなる、かもしれない――内見したマンションはおしゃれな街のおしゃれな造り、環境も間取りも条件も申し分ない。ここに決めてしまおうか?しかし白い壁に小さな穴を見つけたキヨコは、そこからじわじわと‘イヤな感じ’が広がっていくのを感じるのだった……。片付かない荷物、届かない段ボール、ヤバい引っ越し業者、とんでもない隣人――きっとアナタも身に覚えがある引っ越しにまつわる6つの恐怖。ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』の著者にして‘イヤミスの女王’、真梨幸子が引っ越しにまつわる不気味さと、じわじわくる恐怖を描いた出色のサイコミステリ!
4月の初め湘南の海岸に大量の白ギスの死体が打ち上がる事件が続いていた。異常を感じた市の要請で対策本部に呼ばれたのは、魚類保護官の銛浩美。魚の大量死に隠された謎と陰謀を追う!