【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
まあ聞いてくれ、タクシー強盗をやられた上に殺人容疑をかけられて――こんなひどい目にあって、犯人逮捕を刑事なんかにまかせておけるものか! 沖島雄一が解きはじめたパズルは、迷宮入り犯罪の絡むビッグゲームだった。闇に閉ざされた夜を、太陽の真昼に――荒々しい男と甘美な女の情念が絡み合い、やがて時間に埋もれた謎の事件へと連動し、華麗に展開する勝目梓の世界!
倒産した田代興産社長・田代剛は、再建資金二十億円を愛人宅に隠匿し、ヨーロッパに逃亡した。が、パリで日本人殺し屋に襲われたことから、大がかりな罠にはめられていることに気づいた。二十億円の現金も、すでに行方不明になっていた。そして、偽造旅券で日本に密入国した田代は、まず殺し屋のマンションを襲撃した。復讐に燃える田代の狂気は、裏切者を血の海に横たえた。長篇バイオレンス。
作家の内田康夫は、カンヅメになったホテルで間宮老人と知り合った。翌日、刑事が来訪し、間宮が行方不明だという。前夜、間宮とも思える声で「鞆の浦へ行きな」という妙な電話を受けていた内田は、不審に思いルポライターの浅見光彦に相談した。そこに間宮が戻ってくるが、内田の知る間宮とは別人だった。そして広島県鞆の浦で殺人事件が起き、浅見は惹きつけられるように現場へ向う。長篇推理。
終電車が走り去った駅前のタクシー乗場。若い女が、ドアを開けた浜崎の車に駆け寄ってきた。おかしな女であった。助手席に坐りたい、というのだ。いくらか酒に酔ってもいるらしい。女のにおいは、若いタクシー運転手の心をわずかにはずませた。ライトを消し、エンジンを切る。女の胸が開き、ブラジャーのひもがすべり落ちる。「前開きよ、便利でしょ」女が囁いた……。表題作ほか7篇を収めた官能サスペンス。
小平市のタクシー運転手・宮原が刺殺され、車ごと黒焦げ死体で発見された。宮原と親しかった同僚の小関は、実直な宮原の死に不審を抱いた。怨恨の線は考えられない。強盗の犯行か……。四十九日の前日、府中まで客を乗せた小関は、前方に同じ会社の車がドアを半開きにして停っているのを見た。やがて小柄な女がドアに向かって歩いてきたが、女は実家に帰っているはずの未亡人・直美だった。傑作サスペンス。
八木秀一の車が、銀座で森沢洋子のアルファロメオに追突した。森沢洋子は事故の被害をベッドでの奉仕で支払えと要求した。八木は洋子の指令で女優のタマゴを相手にすることになった。が、マンションに出向いた八木を待っていたのは、中年男の死体だった。殺人容疑を受けた八木はきわどくアリバイが証明され釈放された。洋子の仕掛けた罠に落ちたのだ。洋子とは何者なのか!? 背後に政界大物の影がちらつく――。
夜の新宿の街角でうっかりいかがわしい写真を買わされてしまった岩田邦夫は、後悔するどころか、しめたとほくそえんだ。そのモデルはメイクで顔をごまかしてはいたが、局所脇のホクロから見て、つい最近、プールで見かけた女らしいのだ。あの美女をモノにできると岩田は行動を起こすが……(表題作)。男と女が繰り広げる性の狂宴の果てに鮮血が迸るバイオレンス・エロチカ八篇。
お仕事系ミステリー。恋バナ大好き、オトメな青年ツルギ。けれど、ひとたび機体に乗れば刃のごとき機動力を発揮する青年である。その彼が担当するのはオイル事件。それが終わらない。次から次へと発生する。困惑するツルギの足を引っ張る謎多き同僚、さらには新人の世話まで押しつけられた。片思いの彼女と一緒じゃなけりゃやってられないよ。雇用問題? 再エネと化石燃料エネのバランス? ……うーんと、おれはどうすれば?環境コンサルを舞台にオトメな彼の奮闘記。
26歳の守は地方都市の社会福祉事務所で、生活保護受給者(ケース)のもとを回るケースワーカーとして働いていた。曲者ぞろいのケースを相手に忙殺されていたその夏、守は同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースである22歳の女性に肉体関係を迫っていることを知る。真相を確かめるために守は女性のもとを訪ねるが、やがて脅迫事件は形を変え、社会のドン底で暮らす人々を巻き込んでいく。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出をもくろむ地方ヤクザ。負のスパイラルは加速し、ついには凄絶な悲劇へと突き進む――。
死より恐ろしい永遠が待っている。衝戟(しょうげき)の実写映画が、小説に!研修医・永井圭は、ある日事故で死亡するが、直後生き返ってしまう。死ぬことのない「亜人」であることが発覚し、人生が一変する。手厚く保護する建前の裏で亜人の実験を繰り返す政府、人類に牙を剥く亜人最強テロリスト・佐藤。どちらに付くべきか考える猶予もないまま、終わりなき壮絶な闘いが、幕を開ける!
美人歴史学者の静香、ひとみ、東子(はるこ)の三人が集まるウォーキングの会〈アルキ女(メ)デス〉の旅の目的地はなぜか川。北海道の石狩川の岸を歩く三人の目前に、川を仰向けになり流れる女性の姿が。幸いにして救出され一命を取りとめるが、その女性の夫は数日前に不審な溺死を遂げていた。事故か事件か、彼女たちの推理は露天風呂でひらめく!? 傑作トラベル歴史ミステリー。
Q:謎解きの極意は?A:――脅す「今から君を脅迫する」。きっかけは一本の動画。「脅迫屋」と名乗るふざけた覆面男は、元カレを人質に取った、命が惜しければ身代金を払えという。ちょっと待って、私、恋人なんていたことないんですけど……!? 誘拐事件から繋がる振り込め詐欺騒動に巻き込まれた私は、気づけばテロ事件の渦中へと追い込まれ――。人違いからはじまる、陽気で愉快な脅迫だらけの日々の幕が開く。
東京で暮らす就活中の青年・倉本龍哉。だが彼の名前や戸籍は「ある国家」に与えられたものだった。エリート工作員として日本社会に「浸透」(チムツ)する日々。だが故郷の母に頼まれたひとつの願いが運命を変えていく。一方、上層部に巣食う潜入者を追い、警察組織を追われた外事二課の元エース・筒見慶太郎は、バングラデシュのスラムで罠にかかり殺人の嫌疑をかけられる。交錯する二人の運命。激闘の果てに知る驚愕の真実とは。
あの鬼教官が、殺人現場に臨場!第一話 仮面の軌跡日中弓は、借金の肩代わりに芦沢健太郎と交際を続けてきた。大企業の御曹司から見初められ別れを告げるが、芦沢に二人の秘密を暴露すると言われる。第二話 三枚の画廊の絵画廊を営む向坂善紀は四年前に離婚し、息子匠吾の親権を手放した。高校二年生の匠吾には、抜群の芸術的センスがある。本人も芸大進学を希望しているが、その夢を阻む者が現れた。第三話 ブロンズの墓穴佐柄亜津佐の息子である小学三年生の研人は、学校でいじめに遭い、登校拒否になってしまった。だが担任の諸田伸枝は、いじめの存在を認めない。面会を拒否する諸田に、佐柄は業を煮やしていた。第四話 第四の終章派遣社員の佐久田肇は、隣室に住む女優筧麻由佳の美しさに惹かれていた。その佐久田のもとへ、麻由佳が助けを求めてやってくる。彼女の部屋で俳優の元木伊知朗が、自殺しようとしているというのだ。第五話 指輪のレクイエム自宅でデザイン事務所を営む仁谷継秀は、認知症の症状が進む妻・清香の介護に疲れ果てていた。仁谷は五十歳、清香は七十歳。こんな日が来ることを覚悟はしていたが、予想よりも早かった。第六話 毒のある骸国立S大学の法医学教授である椎垣久仁臣は、服毒自殺した遺体を司法解剖する際、事故を起こし、助教の宇部祥宏に大けがを負わせてしまった。事が公になれば、自らの昇進が流れてしまう。
「速報! 僕……死んでた!?なんというワロス」橋上教授の惨殺事件と、井の頭公園での集団自殺。二つの事件で世間が騒然となる中、悠太はニュースで発表された死亡者リストの中から自分の名前を発見してしまう。何かの間違いと笑い飛ばすが、キリキリバサラのメンバー達の名前も次々と発見され、事態は思わぬ方向に――。ダイイングメッセージCODEの暗号、コトリバコと謎の少年、そしてニゴロ事件……。やがて悠太達は事件の真相が教授の研究と関係しているのでは?と推理を始める。女子高生のFBIサイコメトラー捜査官・鬼崎あすなも現れ、事件は核心へと近づいていくが……。謎が謎を呼ぶ、超常科学NVL第3弾。「――お前の見ている世界は、本物か?」
死んだ人間の約1割が言葉も交わせる<ゴースト>としてよみがえる時代。ある日、悠紀は幼なじみの深春に告白されるが、深春はその直後に事故で死んでしまう。遺体にすがって泣いた悠紀だったが、深春はゴーストになって蘇り、二人は「お付き合い」することに。触れ合うことができないゴーストとじゃ、あんなコトもこんなコトもできない、と悠紀は嘆くが、深春は幸せそう。トラブルは多いものの、それなりに楽しい毎日だった。しかし、ひょんなことから後輩・ひかりが二人の間に割り込んできて……!?※本作品は『ホーンテッド!』シリーズ全4巻を収録しています。※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
夏樹と冬子は、高校時代、男女だけれど「親友」だった。お互い、日常の謎を解くことを趣味として、一緒に居て誰よりも心地良い存在だったあの頃。やがて社会人となった夏樹は、冬子に会いに神戸を訪れる。町を散策しながら、昔と同じく、冬子と日常の謎ときを楽しむ夏樹だが、夏樹には心に秘めた想いがあった。冬子への恋心。もう、ごまかせない。けれど冬子はなかなか、夏樹の想いを伝えるチャンスをくれなくて……。もどかしくも、季節はうつる。夏樹の焦り、冬子の戸惑いをのせて。そして……。それは、最高で最低の片想い……。優しく穏やかなな日常の謎ときから一転、驚愕のエンディングに、誰もがきっと目を瞠る。青春ミステリの名手、岡崎琢磨が送る、究極の青春恋愛ミステリ。
がん治療開発国家プロジェクトは、治療の主導権を巡り内紛状態となった。その現実に胸を痛めた外科講師・雪野は、内科医の赤崎に相談するが、赤崎は雪野を利用し内科が有利になるよう画策をし…… 解説・外岡秀俊
本人の知らぬ間に企画された浅見光彦34歳の誕生日会。初恋のひとである稲田佐和との再会に心躍る浅見は、美貌のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハからボディガードを頼まれる。一度は断ったものの、陽一郎からの要請でアリシアのコンサートが行われる丹波篠山に赴くことに。彼の地で彼女の祖母の遺譜を捜索するが、手がかりである「インヴェ」に繋がる男が殺され浅見に嫌疑がかかる。なんとか容疑を晴らした浅見だが、アリシアの依頼の裏には戦前日本とドイツまで遡る陰謀があることに気づく。浅見家にも繋がる「遺譜」に隠された盟約と、陽一郎の暗躍。真相を確かめるため赴いたドイツで、アリシアの祖母から明かされた哀しい事実とは――。現代ミステリー界の雄が不退転の決意で描き出した、シリーズ最大の衝撃作!※本電子書籍は「遺譜 浅見光彦最後の事件 上」「遺譜 浅見光彦最後の事件 下」の2冊を合わせた合本版です。
鍵堂はいきなりぶつかってきて、さらに因縁をつける高校生ぐらいの女の子・植田と知り合う。実は彼女は誘拐されかけていることを知り、やむなく手を貸すはめに。誘拐犯のアジトに乗り込むと、そこには謎の女・盾無がいて、鍵堂に向かって襲いかかってきたのだった! (「読売プレミアム」連載 (2016.8.1?2016.10.31))
10年前、タクシー運転手の藤森は裏社会の仕事に就いた。暴力団の女に手をつけたのが原因だった。今回の犯行は、中国マフィアの地下銀行に流れる2億円強奪。だが、ガセネタだったのか計画は破綻した。疑惑をもたれた彼の身に、凄絶な私刑の雨が降り注ぐ。謀略の渦に巻き込まれた藤森は、怒り心頭に発し、真の敵を求め果敢に反撃に出るが……。官能と暴力の世界!
1945年8月15日、ポツダム宣言を受諾しなかった日本はその後、東西に分断された。そして七十数年後の今。「バイトする気ない?」学校の屋上で出会った不思議な少女・沙希の誘いに応え契約を結んだ彰人は、少女の仕組んだ壮大なテロ計画に巻き込まれていく! 鮮やかな展開、待ち受ける衝撃と感動のラスト。世界をひっくり返す、超傑作エンターテインメント!
北斗造船人事部の雄平は、工学部で機械工学を専攻し、大学院を卒業したのにも関わらず、最初に配属されたのは営業部だった。どうして営業部に回され、次は人事部なのか。戸惑う雄平は……(「海に出る」) 配属、異動、昇進、左遷……人事の数だけドラマがある! 創業百年を迎える中堅造船会社を舞台に、キャリアや役職など様々な人たちの視点で描く人間ドラマが心を揺さぶる! 明日、働く元気がもらえる、全7編の連作短編集。
下條有紀子が何者かに拉致された。恋人の矢口が「仕掛けたのはそっちだ」と脅迫電話を受けた。犯人を探るため、矢口はフランスへ飛ぶ。有紀子との出会いの場となったパリ。そこで彼は、有紀子と同郷の男の存在を突き止める。その男はいま、日本で怪しげな情報屋として暗躍していた。矢口は有紀子を救い出すことが出来るのか!? 犯人からの謎めいた言葉の真相とは!?
平安の都の南、宇治の里に鉄輪をかぶる凄まじい鬼女が現れた。しかし追い詰めると更に奇怪なことに――(「妖曲鉄輪」)。平安王朝華やかにして、魑魅魍魎の跋扈する京の都。若き貴公子の兄弟・藤原道綱と道長が、源頼光率いる坂田公時、渡辺綱らと、妖しき謎の数々を追う。歴史・時代小説と本格ミステリーを見事にエンターテインメントに織り上げる、才気溢れる著者の傑作。
裕福な親元を飛び出し、貸し間住宅・椋鹿館で気儘な一人暮らしを始めた少年コバヤシ。この世のすべてに退屈していた彼は、屋根裏から隣人の生活を覗き見ることに、新鮮な歓びを見出していた。そんなある日、館の住人4人が惨殺されているのを発見する!(「屋根裏にも散歩者」) 江戸川乱歩の世界を大胆不適にアレンジ。謎と狂気に満ちた物語の数々が幕を開ける!
難事件を次々に解決した、現場に口も手も出すスーパー警察署長・田中健一、京都へ。でも、その噂は全部誤解です! ――彼には野望があった。それは旧日本軍の連合艦隊すべてのプラモデルを作り上げること。決して捜査の先陣を切ったり、本部の方針に逆らったりすることじゃない。なのに、事件解決の手がかりが勝手に降ってきて……。田中署長に、平穏な日々はいつ訪れる!? 一読、にやり。軽快な筆致の傑作ユーモア警察小説!
『白澤(はくたく)』に襲撃された狐からの情報を受け、警戒を強める絶対城たち。そんな中迎えた夏休み。つきあって初めての長期休みにもかかわらず、礼音は一人、牧場で短期のアルバイトに励んでいた。優しい夫妻が営む牧場を気に入る礼音だが、いるはずのない子供の影を見てしまう。心細さを感じつつ、休日に近くの川で水浴びをしていると、そこには礼音を心配した絶対城の姿が。二人は牧場主夫妻の発言に疑いを持ち始め──? ‘予言’に纏わる妖怪たちの謎に迫る第10巻!
故郷の大学に非常勤講師の職を得て、高校生の娘と共に戻ってきたシングルマザーのジョージア。懐かしの我が家では、幼い頃からの親友シドが待っていた。彼は全身白ずくめ、余分な肉のない骨ばった外見……というか、骨そのもの。そう、シドは世にも不思議な、歩いて喋る骸骨なのだ。生前の記憶がない彼だが、仮装して遊びにいった大学で、見覚えのある人物とすれ違う。それをきっかけに、生前のシドについて調べはじめたジョージアたちは殺人事件に巻きこまれてしまう……たっぷり笑えてちょっぴり泣ける、骨の髄から楽しめるミステリ新シリーズ。/解説=上條ひろみ
その古書を開いた者は跡形もなく消えてしまう──そう伝えられるとおりの事件が起きる「古書の呪い」を始め、閉ざされた現場で発生した奇妙な殺人の謎がこのうえなく鮮やかに解かれる「《ブルー》氏の追跡」、陸へ上がったばかりの提督が殺害された奇妙な事件とブラウン神父の鮮やかな推理が光る「緑の人」や「共産主義者の犯罪」など、いずれもチェスタトン特有のユーモアと、逆説にあふれた、粒よりの9編を収録する。全編が必読にして傑作という、奇跡のような〈ブラウン神父〉シリーズ、堂々の最終巻!/解説=若島 正