【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
もうひとつの歴史を刻む日本の全寮制高校。現政権下では退廃文学として禁書となっている「ミステリ小説」に触れてしまった女子高生6人が反省室に収監される。彼女たち「囚人役」と、同級生2人の「看守役」の計8人で、更正プログラムに参加させられることに。はじめはごく普通の友人同士だった8人は、プログラムを早く切り上げられるよう協力しあうはずだったが、次第に対立を深め状況は深刻化していく。
サスペンス&エロティックがノンストップ。若手エリートが捨てたバラ色の未来。追うのは、消えたAV女優!創業者一族令嬢と婚約間近、会社期待のホープ・充彦の密かな趣味はアダルトビデオ。偶然遭遇した隠し撮り現場で起きた窮地から憧れのAV女優・佑衣を救った充彦は、将来と婚約者を捨て彼女の元へ。しかし彼女は何者かに拉致される。何も生まぬ愛に堕ちる充彦に日本の裏社会の陰謀が待ち受ける。
被害者は‘怨霊’に殺された?結婚秒読み(?)のマヤと代官山が、前代未聞の奇妙な事件に挑む!「西日暮里・特盛人肉丼殺人事件」を解決したばかりのドSな超絶美人刑事・黒井マヤと相棒の代官山脩介は、ホテルのラウンジで、マヤの両親と向かい合っていた。マヤに、両親の面前でのプロポーズを無理やり迫られる代官山。そのとき、マヤの携帯電話が鳴る。「代官様、殺しよ」。急死に一生を得た代官山はマヤとともに現場に急行。捜査が進むにつれて、被害者が‘怨霊’に取り殺されたという証言が浮かび上がってくる。そして、十年前に父親を殺され、底辺の生活を送る「蓬田家」と事件の関係が徐々に明らかになり――。今回は、黒井マヤの超絶美人母・黒井羊子、さらに天敵となる厳格な美人女性管理官・白金不二子など、新キャラクターが多数登場。過去最大ボリュームでお届けする、著者渾身の一作!
高級住宅地で発生した女子高生失踪事件。新人刑事の小春に与えられた仕事は、話は聞かず、口を開けば人を怒らせる天才プロファイラー・土岐田の補佐だった。土岐田は「これは連続殺人だ」と、独自捜査を始めるが……
対人恐怖症の名探偵(?)・柔井公太郎が、ドS美人心理士の不知火彩音にビシバシ小突かれながら今日もオドオド謎を解く!でも、持ち込まれるのは「奈良の大仏を立って歩かせて欲しい」「大阪通天閣の象徴・ビリケン像の暗号を解いて欲しい」など、変な事件ばかり。柔井は持ち前のへたれ目へたれ鼻へたれ耳を駆使して、珍事件を解決できるか?
夜間犯罪発生率日本一の歌舞伎町を抱える新宿署には、‘夜の署長’と呼ばれる伝説の刑事がいた――。「随監」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞し、同作を含むシリーズで警察小説の旗手となった著者が、新宿署を舞台にさらに‘熱い’刑事たちを描く。多くの通行人が行きかう中、歌舞伎町の路上で女性がホスト風の男たちに拉致された。緊急配備がかけられほどなく犯人は逮捕、女性も保護される。実はその女性はホストにはまり、それが夫にばれて家出をし、さらに店にツケをためていたためホストに追い込みをかけられていたのだ。事件の構図は単純なものと思われたが、夜の署長’の異名を持つ刑事課強行犯第五係統括係長の下妻警部補はなぜか、3か月前に起きた歌舞伎町のラブホテルでのデリヘル嬢殺人事件の現場と資料をあたっていた。東大法学部卒でキャリアの新米警部補・野上は、拉致未遂事件を早々に終わらせようとする上層部に反し、下妻とともに3ヶ月前の事件との関連を洗いなおす。するとデリヘル嬢殺しと拉致未遂事件に思わぬ接点が……(「未練」)。ほか4編収録。警視庁捜査一課の刑事だった下妻が、なぜ忘れ去られたように異動することなく新宿署に居続けるのか。彼の過去には何があったのか。新米刑事の野上は、いくつかの事件を通じ、下妻の凄みを知ることになる――。解説・村上貴史
世界のミステリー界を騒がせた『ゴーストマン 時限紙幣』。「このミステリーがすごい!」第3位、イギリス推理作家協会スティール・ダガー賞、マルタの鷹協会ファルコン賞ほか日英米でさまざまなミステリー賞を受賞した驚異のデビュー作で登場した犯罪のプロ、ゴーストマン――その誕生を描くアナザーストーリーを無料配信。 犯罪の痕跡を消し、犯罪者を逃がし、自らも消える――それが私の仕事だ。人は私を「ゴーストマン」と呼ぶ。『時限紙幣』でクールな活躍をみせたゴーストマンこと「ジャック」はいかにして生まれたのか? 本名、素顔、経歴、すべてを消したアンチヒーローの物語は、ある夜、麻薬中毒で重態となった女が病院に運びこまれたところからはじまったのだ……シャープな文体で贈るノワールの逸品。
人が人を裁くとは? 雫井ミステリーの最高傑作23年前の時効事件の犯行は自供したが、老夫婦刺殺事件については頑として認めない松倉。検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、最上と袂を分かつ決意をする。慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨編!解説・青木千恵
『国語、数学、理科、誘拐』に続く、こころ優しい塾ミステリー第二弾!「読むと勉強がしたくなる!」と話題を呼んだJSS進学塾の面々が帰ってきました。前作では皆で生徒誘拐を鮮やかに解決しましたが、今作の舞台は、中学三年生のための夏期強化合宿。三泊四日で離島にやってきた先生方と中学生たち。ナイトハイクなどを楽しみながらも、勉強漬けの毎日になるかと思いきや、生徒二人と先生一人が突如姿を消したことで、合宿は不穏な空気に包まれます。加賀見塾長をはじめとし、英語を直訳したような文章で話す国語・英語担当の月谷優子、体育会系理科担当の本庄拓郎、頭上の大きな水玉リボンがトレードマークの数学担当・織田楓、そして『西川麻子は地理が好き。』シリーズでも活躍中の社会・国語担当の西川麻子と、おなじみの先生方のやりとりも楽しく、こんな先生方なら塾に喜んで通うのにと思うこと間違いなし。(西川麻子が密かに思いを寄せる一色先生は、今回は香川に研究旅行中)皆をまとめるしっかり者、加賀見塾長の思わぬ過去も明らかになりながら、いなくなった生徒たちが戻ってくるその裏には、やはり勉強の面白さと人の優しさがありました。各講師が作ったオリジナル問題「科目クエスチョン」を、生徒たちと共に考えて、頭の体操にもなります。(巻末に詳細な解き方付!)ますます勉強がしたくなる、好きになる、前作での「勉強をすると人に優しくできる」を引き継ぐ、塾ミステリー二冊目となりました。
事件の謎、人の心――鍵師が錠前とともに開けるのは? 仕事も住む場所もないニート青年の孔太は、人生を悲観してマンションの屋上から飛び降り自殺を図った。通りかかった心晴に助けられ、東京の下町、谷中銀座商店街のはずれにある鍵屋、野々村十六堂に住み込みで働くことになる。小晴は介護士として働くかたわら、十六堂の手伝いもしていたのだ。十六堂の主は、鍵師・野々村多聞。孔太はそれまでピッキングで窃盗を繰り返すコソ泥のようなことをしていたが、心晴の指導を受け、多聞の仕事を見ることで、鍵師としての力を身につけていく。「最強の錠前」といわれる「ガヴィニエスの錠前」を開錠し、警察も秘密裡で追う窃盗犯‘鍵師ギドウ’の存在を知った孔太は、師匠・多聞たちとその跡を追うが――。ラストで明かされる「秘密」の鍵をあなたは見つけられるか!? 社会派ミステリーを得意とする著者の新境地!
警視庁副総監直属の特命捜査官である畔上拳(あぜがみけん)。職階は警部だが、前例なき検挙率を誇る異端児である。権威や権力にひざまずくのを最大の恥とし、同僚とも馴れ合わない。だからこそ己の青臭い正義を貫く監察官の八木敏宗(やぎとしむね)にどこか共鳴していた――。ある日、惨殺された八木の写真を手に、畔上は三人の元警察官に容疑者を絞り込んだ。弔い捜査が始まった! 警察手帳なぞいらない。捜査にいるのは拳だけ。殉職警官の無念を晴らせ! 警視副総監直属の覆面捜査シリーズ出動! 警察の腐敗を闇に葬るべくアウトロー刑事が暗躍!
Rレコードで作詞家をしている堀井が北海道・帯広に向ったまま失踪した。その後、同じレコード会社の新人女性演歌歌手の及川くみが自宅のマンションで殺されたが、彼女は東京から帯広へ向かう航空券を持っていた。十津川班の日下・北条領刑事が北海道へ飛ぶが、そこには謎の墓標が……堀井と及川の接点とは、そして秘められた事件の真相とは!? 北海道から沖縄まで十津川班、飛ぶ! 新人歌手の死に隠された音楽業界の暗部を暴け!
銀行支店長、再び参る! 傑作経済ミステリー小説。うなばら銀行支店長、再び走る――! ヒット作『銀行支店長、走る』、待望の続編登場。手に汗握る経済ミステリー&サスペンス。
通報により駆けつけた女刑事・小町が目にしたのは、裸の女と息絶えた赤子。母親らしき女は覚醒剤離脱の影響で昏睡状態だが、この状況を招いたのは一体……? 子どもが被害者となる事件を前に、小町は痛ましい過去と自分自身に向き合っていく。一方、定年を目前に控えた辰見は最後の事件に何を思う――。事件と人生が交錯する警察小説。刑事辰見、最後の事件。幼児遺棄事件の裏に潜む真相に刑事小町が挑む!
ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる’問題’はひと筋縄ではいかないものばかり。崩落して誰も渡れなくなった〈どんどん橋〉の向こう側で、燃える〈ぼうぼう森〉の中で、明るく平和だったはずのあの一家で……勃発する難事件の’犯人’は誰か? 超絶技巧がちりばめられた五つの超難問に挑め! ミステリシーンを騒然とさせた好評の作品集が読みやすい改訂新装版に!
京都西陣にあるシェアハウスに住むのは、悩み多き、トラウマを抱えた住人たち。死亡事故を起こした元自動車販売会社の営業マン、不倫相手のために犯罪寸前のOL、過去の恋愛を隠し続ける老人……。そんな’ワケあり’住人たちの心に、ズケズケと踏み込む、就活連敗中女子大生の有村志穂。このお節介は吉と出るか凶と出るか。超ド級のキャラクター・志穂の振る舞いから、もう目が離せない
東京四谷の雑居ビルの放火事件で若い警備員が焼死する。不審な死に警察の捜査が始まった。若者の日常生活に僅かに存在した女の影……。女の行方を追ううちに次は赤坂で放火が。そして現場に’東京’と謎の文字!索漠たる都市の内奥と現代人の心を見据えて鬼才が描く、印象深い推理長編。
大阪府警の新人刑事・神木恭子は、担当した殺人事件を、別件で関わった老人の訴えを元に解決した。だが老人宅から七体もの死体が発見される。それは府警上層部が隠匿する黒い闇の一部だった。真実を暴こうとする神木だったが、彼女自身もその闇に呑み込まれていく。警察の暗部を元刑事が描く本物の警察小説。
「犬より飼い主(あなた)のしつけが必要よ」愛犬しつけ教室に勤める美月はワンコから家族の悩みを解決!?敵は家庭内にアリ!? ワンコから家族の悩み、見抜きます!‘しつけは犬のためならず’。『愛犬しつけ教室STELLA』にドッグトレーナーとして勤務する天野美月は、誰よりも犬を愛す親バカならぬ犬バカで、愛犬スピカと共に暮らしている。今日も教室にやって来るのは、おデブなラブラドールに、捨て犬疑惑のチワワ、老犬の柴犬、そしていなくなったトイプードルを探す飼い主…。けれど、犬よりも問題なのは人間だった!? その家庭内トラブル、しつけ屋が解決します!
「第2回お仕事小説コン」グランプリ受賞作!明治の芝居小屋を舞台にほろりと泣けるレトロ謎解きミステリー!時は明治。東亰(とうきょう)に住む摩訶不思議な力を持つ、戯作者・魚目亭燕石はのんびりと隠居生活を送りたいのに、そのお世話役である北原由之助とともに事件に巻き込まれてばかり。由之助は、浅草の人気芝居小屋「大北座」の跡取り息子なのだが、今回も連続強盗殺人犯『辻の桐生』の事件を解決するため、ある作戦を決行するために燕石を引っ張り出した。そしてついに事件は最終局面を迎えるが…。他にも別れた恋人が残した謎の記号、福を招くはずの猫のトラブルなど、次々と難題が持ち込まれて―。「第2回お仕事小説コン」グランプリ受賞作、芝居小屋を舞台に繰り広げられる、ほろりと泣けるレトロ謎解きミステリー!
ある日目覚めると、僕は病院のベッドに寝かされていた。頭痛がひどい。どうやら3ヶ月も眠っていたらしい。しかも、ここ数年の記憶が無い。残っているのは、長く一緒に住んでいた彼女が出て行ったことくらい。あと、誰かに指輪をプレゼントしようとしていたのだ。それは誰? 3ヶ月間介護に来てくれたポニーテールの女の子だと思っていたら、なんと彼女は僕を車ではねた加害者だったんだ!第1回お仕事小説コン入選作。
エジプト古代文明やピラミッドの謎、神仏やパワースポットのミステリー、占い師としての経験や霊的体験を生かした作品4点を収録した合本版。『エジプト&大ピラミッド?もう一つの眼?』?エジプト旅行と研究者の視点で、ピラミッドについてまとめた本。ヌビアのコーヒー占い体験も!『クフ王出現』?ギザの大ピラミッドに関するミステリー歴史小説。冒険家ヴァイズは「王の間」の天井裏で世紀の大発見をもくろむが。『スピリチュアルヒーラー・龍岡凪子以前』?平凡なOLがパワースポットツアーに参加したのをキッカケに見えない世界に足を踏み込んでゆく。『闇の中の「眼」』?札幌の神社や公園を巡るスピリチュアル番組をきっかけに心霊体験に巻き込まれて。
東京・名古屋を疾走中の密室空間「ひかり号」から、男の姿が消えた! 人気評論家・磯部俊明がTV局の仕事を終え、人目を避けるようにして「ひかり号」に乗車。留守宅の妻・道子に怪電話がかかって来た。磯部を誘拐し、その証拠に真珠のネクタイピン、カフスセット、ブルーのハッカパイプを送るという。道子は茫然とした。磯部が愛用している四本のカラーパイプのうち、ブルーを選んで渡したのは、他ならぬ道子だったのだ。犯人は何故そのことを知っているのだ…?(「ひかり号で消えた」より) 密室・アリバイトリックの名手が贈る、珠玉のミステリ短編集。*トリオプレーの密室殺人*聖書と札束*殺意の二重奏(デュエット)*金と女の結末*麻薬(ヤク)は囮さ*聞き慣れた声*喪失の傷痕*ひかり号で消えた●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
エロス、サスペンス、そして殺人計画!? 男女の睦言から生まれた悲劇とは ガードマンが殺された。厳重な警備の盲点を巧みについた犯人は不敵にも、犯行現場にTAKERUという謎の文字を残していった。警備会社の若きエリート高沢は独自に事件の調査にのりだしたが、犯人は意外にも…。(「狙われた夜警たち」より) 女の色香に惑わされた男たちを描いた本格ミステリ傑作選。*二度消えた女*二人の侵入者*爆走音は死を招く*狙われた夜警たち*脅迫電話*海鳴りの断崖*不倫炎上●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
二つの宝石商殺人事件の裏に隠された真相と巧妙な罠! 宝石商を殺害し逃走中の男を偶然目撃してしまった小高昌夫とその婚約者。犯人と乱闘の末、婚約者は殺されてしまう。捜査は難航し、一転、疑いは昌夫に向けられることになった。容疑は晴れたもののいたたまれなくなって故郷を離れ上京した昌夫だが、またもや宝石商殺人事件に巻き込まれる。なぜ彼は似たような殺人事件の現場に出くわすのか…? 二つの事件の裏に隠された謎に敢然と立ち向かう探偵・松平雪雄の推理が冴える。 表題作の中編ミステリ他、四編の短編を収録。*伊豆-猪苗代W殺人*湖畔心中の罠*臆病な誘拐犯*犯人は通報者*初恋の人さがします●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
芸能情報誌へのタレコミ電話が、恐るべき殺意を引き寄せた!?『芸能スター情報』編集部は、デビューして間もない新人清純派スター・月永令子に関する密告電話(タレコミ)に色めきたった。「おどろかないでね、彼女、以前チュウゼツ…」そこまで言った女の声が不意に途切れ、「やめて、苦しい。助けて」という悲鳴になって電話が切られた。翌日、電話を掛けてきたと思われる女を捜し出した時には、彼女は死体となっていた…。 虚像の裏に渦巻くスター達の世界をミステリータッチで描いた表題作ほか、ミステリの傑作6編を収録。*栄光と陥穽*消えた指紋*悪女のプレゼント*消された死体*スキャンダル殺人事件*盗聴器*死体はLを描いた●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
日常の現実は偶然に作用されることが多い……それは殺人計画も同じである もしも、あの時、釣りに行くのを中止しなかったら、もしも、あの時、顔見知りに会わなかったら…。偶然が重なって、一人の男が死んだ。ごく平凡に見えるこの事件に微かな違和感を抱いた刑事がいた。偶然性を扱った画期的な作品「偶然かしら」の他、一幕サスペンスの「歌で死ぬ」写真トリックを使った「仰角の写真」「印画紙の場面」など、9編収録のミステリ短編集。*偶然かしら*歌で死ぬ*透明な糸*消えない女*健康のための殺意*青い百合*仰角の写真*印画紙の場面*長過ぎた一瞬間●日下圭介(くさか・けいすけ)1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
ウグイスの声が導いたものは、森の中に隠された男の死体「正夫に死体の話をしたのは、あくまで、でまかせでした。正夫が、あの山に登るのが恐ろしかった。山には忌わしい記憶があるのです。私と、正夫の母の…」あの山には近寄ってはいけない。特に、稲荷神社の祠には。あそこには‘秘密’が埋められているから…。(「鶯を呼ぶ少年」より) 第35回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作の他、物悲しくも美しい珠玉のミステリ短編7本を収録。*鶯を呼ぶ少年*死はゆるやかに*時には草色の血*目撃者*紅皿欠皿*誘拐*波がうたった死の詩●日下圭介(くさか・けいすけ)1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
究極のトリック、驚異のアリバイ崩し……破れるか、二重罠の壁! 都心・池袋の雑居ビル。長い夜を過ごすガードマンたちが、ドスン、という地響きの音を聞いた。慌てて現場に駆けつけると、窃盗犯が墜落死していた。また、同じビルの7階では宝石商が惨殺されていた。単純な強盗殺人事件かと思われたが、捜査主任・西岡修司警部は釈然としない。そして、浮かび上がった容疑者には‘垂直のアリバイ’に守られていた…。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
五歳のとき別荘で事件があった。胡蝶グループ役員の父親が階段から転落し意識不明。作家の母親は自室で縊死(いし)していた。夫婦喧嘩の末、母が父を階下に突き落とし自死した、それが警察の見解だった。現場に居合わせた僕は事件の記憶を失い、事業を継いだ叔父に引き取られた。十年後、怪しいライターが僕につきまとい、事件には別の真相があると仄(ほの)めかす。著者長篇デビュー作、待望の復刊!