【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー六人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 選考委員絶賛、精緻に描かれた本格ミステリ。第26回鮎川哲也賞受賞作。
人生に何の展望も見出せないでいる、富山に住む21歳の大学生、 森航大(もりこうた)。編集者である夫に束縛される、東京住まいの35歳の作家、天谷柚(あまがいゆう)。二人は文通コミュニティ「綴り人の会」を通じて手紙を交わし始める。航大は充実した生活を送る35歳のエリートサラリーマン、クモオとして。柚は夫からの暴力に怯える28歳の専業主婦、凜子として。次第に熱を帯びる手紙は、二人を危険すぎる関係へいざない――。「愛の実態に恐怖を覚えながら頁を捲った。読了して思わず『映画化決定!』と叫んでいた」と行定勲監督に言わしめた、著者新境地、衝撃の恋愛サスペンス!
孤児院育ちの美女から生家を探してほしいとの依頼を受けた弁護士・川路。唯一の手がかりは、20年前の殺人と蘇るミイラについて書かれた異様な日記のみ。友人・那珂の助けを借りてついに家を突き止めるが、そこは江戸時代から存続するいわく付きの武家屋敷だった。そして新たな殺人が……。謎とトリック2倍増しミステリ!
「許せないんだよ」「りゅ、ふう、……っぐ、りゅう、流産が」。二十七歳の春、突然流産のことが気になりだした僕。理不尽な赤ちゃんの死が高頻度で起きることに怒り、妄執する男を描いた「美しい馬の地」。他「アユの嫁」「四点リレー怪談」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」収録の奇跡の短篇集!
世間を騒がす謎のCM美女「Qrosの女」の素性を暴くべく奮闘する「週刊キンダイ」芸能記者の矢口慶太。CMで彼女と共演した人気俳優・藤井涼介の自宅を、先輩記者・栗山と一緒に張り込むとそこに当人が!? 藤井との熱愛スクープ・ゲット! それともリーク? ――ワケありのネタ元、ネット情報も錯綜し、衝撃の展開へ! 白熱する芸能取材をリアルに描いた鮮烈ミステリー!
製薬会社の研究員、三浦陽介の死体が自宅で発見された。警察は当初、事件性も疑って捜査した。なぜなら、「研究所の人間が人体実験をしている」と告発する怪文書が研究所内で発見されていたからだ。だが、1ヵ月経っても三浦と怪文書は結び付かず、アレルギー発作によるショック死と断定、事件性はないと判断された。その2週間後、経済学捜査員・伏見真守が向山製薬を訪れた。伏見は三浦の死に他殺の可能性があることを示唆した!
長編サスペンス小説。風に色がついて見える、風車大好きな女の子・風香。その風香たちの研修先、世界最大級の風力発電所で爆発事故が発生。さらに爆発は世界中の風力発電所を襲う。風車をとりまく風の色がどんどん変わっていき、やがて赤い風が吹いて──。しかも、風が止まったら施設そのものが爆発する!?ピンチを救えるのは風が見える風香。でもどうやって?「君のその力を貸してくれるかな」。力強い青い瞳の青年が風香へ手を差し出す。風の吹く先、そこは──。
ついに始まったカジノパーティー。平穏に終わったかに見えた一日目が過ぎ、いよいよ二日目を迎える──。エニスを浚い、船倉に隔離するルノラータ・ファミリーの雇われディーラー、メルヴィ。メルヴィに怒りを露わにし、本気の勝負に挑むフィーロ。フィーロを憂いつつも敵を見定めるガンドール三兄弟。ガンドールに協力しながら揉め事を待つラッド。ラッドと死闘を繰り広げた因縁を持つシャーネ。シャーネに襲撃され逃げ回るネイダー。そして、ネイダーが世話になった医者の許に現れた巨大な熊とアイザック&ミリア。かくして、それぞれの思惑をよそに運命の渦は荒れ狂う。全ての関係者が集結し、フライング・プッシーフット事件の再来と思われる『馬鹿騒ぎ』が始まる──。そしてヒューイは何かを目論み、静かに街を眺めていた。
良寛と一茶を卒論テーマに選んだ田尻風見子(ふみこ)と野村良樹は、二人で調査旅行へと向かう。途中、野尻湖で人骨が発見されたことを喫茶店のマスターから聞いた風見子は、同じ時期に五合庵ですれ違った人が殺されたことを語る。その情報を伝え聞いた信濃のコロンボこと竹村警部は風見子たちに接触をはかる。そして良樹のフィルムが盗まれてしまい、二人はさらに事件に巻き込まれていく。
警視庁特殊捜査室‘幽霊の事情聴取’担当の柏木警部補、なんとコンビニ強盗の人質に! 気弱で胃弱な警部補救出に、美少女幽霊・結花や特殊捜査室の面々が奔走するが、なぜか金も奪わず籠城する犯人に事態は膠着。果たして犯人の目的は!? 犯行に隠された驚きの動機とは? 大人気‘警視庁幽霊係’シリーズ第6弾、同時電子化。
役者のエージェントとして働く美穂。ある日、女子大の同級生で‘マドンナ’と呼ばれた笑子が殺され、驚く。しかも殺人の重要参考人である笑子の夫と、やはり女子大の同級生で富裕な人妻の克子とが、居候として家に転がり込んで来た! そして、もうひとりの親友、香は――。卒業後10年、かつてのマドンナたちの恐るべき変貌。すべては時の流れのなせる業なのか!? 仄かな苦さを秘めた大人のサスペンス。
路地の奥に隠れ住む、超能力を持つ老人(「路地裏の天才」)、夜はナイトクラブの超人気ダンサーに変身する児童劇団所属の小学生(「名優キャット」)、穏やかに余生をたのしむ老紳士の密かな欲望(「生きる歓び」)……など‘一見普通’の人々が隠し持つ、「もうひとつの顔」をテーマにした短篇集。軽快な語り口で、人生の苦さや怖さ、そして切なさを見事に描く、全5篇を収録。
連続する殺人事件には共通点があった。見せしめのような殺害方法、被害者は破綻した大手消費者金融「紅鶴」の元社員。それに気付いた刑事・久保田は事件を追い始める。紅鶴に人生を破壊された男たちの復讐劇の最後にして最大のターゲットは社長一族の元専務・紅林伸夫。決着の場所は、六本木の巨大ビルで行われる映画祭。その壮絶な結末とは――!? 現代社会の闇に向き合った渾身の犯罪小説。
この里芋のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか? 妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。男の目の前ではじまった、妻とその妹、女将――3人の女の壮絶な「芝居」は、想像もしない幕切れへ……(表題作)。逆転に次ぐ逆転! 息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。
男は、その人形をいとおしむように撫でて、「これを使えばあなたの望みは叶いますよ」と言った…(表題作「呪いの花園」)。夜の街でノッペラボーの‘呪い人形’を売る男や、‘悪夢’を買わせてくれと頼む黒装束の人物――この世にはあなたの知らない「幻影稼業」がうごめいている! 心の闇に潜むさまざまな願望や欲望の顛末を描いた、異色の連作ホラー6篇。そっと仕掛けられた甘美な毒にご注意。
脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶが――「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他、現役医師による背筋が凍るミステリー全6篇。
一年前に起きた『星乃洋太郎殺害事件』で、逮捕された容疑者に無罪判決が下された。時を同じくして、当事捜査に加わっていた大塚東警察署刑事課・大邊誠のもとに一人の男が現れる。男の名は、儀藤堅忍。警視庁内にある謎の部署でひとり、無罪確定と同時に事件の再捜査を始める男だ。警察組織の傷を抉り出す再捜査に加え、その相棒に選ばれれば組織から疎まれ、出世の道も閉ざされることになる。その為付いた渾名は‘死神’。大邊は、儀藤の相棒に選ばれ、否応無しに再捜査に乗り出すことに――。「福家警部補」シリーズで話題の著者が放つ、新感覚警察小説。
俺は大手新聞社の地方支局に勤務する新聞記者。そう言えば聞こえは良いが、最近ではうだつがあがらず、ライバルに出し抜かれて空回りばかり。そんな鬱屈した日々の中、俺はあの男と出会った。かつては大手新聞社のエースで、今はゴシップ記事で食いつなぐ男。負け犬。俺も最初はそうバカにしていた。そいつのせいで俺は、記者生命すら危うくなるような事態に陥ってしまう。だがその事件の裏には想像すらできなかった悪意が眠っていた……。横溝正史賞受賞作家が渾身の思いを込めて書き下ろす、ジャーナリズム・バディ小説!
セレブからしか金を獲らない詐欺師・谷川涼一。‘ヒモ歴’更新中だが喧嘩は負け知らずの松岡捷。不始末で警察を追われた元刑事・染井義信。はみだし者三人の前に美しい娘が現れ、「変な男に実家が乗っ取られそう」と助けを求めてきた。彼女は何者? 怪しい男の背後で動く組織とは?最高にクールでタフな男たちの、友情と闘いのクライムノベル。
各界のVIPが蝟集する渋谷の会員制クラブ「ステンドグラス」。その隠れた魅力は、ママの小弓が選り抜きのホステスを駆使して演出する特殊接待。それは時に政財界の極秘交渉や国際問題の工作を後押しし、店に大きな利益をもたらした。だが、小弓が期待を寄せる新人ホステスが巻き込まれた意想外の事件が、小弓と店の運命を大きく変え始める――。
六本木の路上で身元不明の女の絞殺死体が発見された。事件直前、近くのバーで偶然被害者と居合わせた商社勤務の亜希は、唯一の目撃者として捜査1課にマークされてしまう。外事警察も捜査に乗り出し、被害者は中国人女性・静蕾と判明。しかし彼女には腹上死事件の重要参考人という別の顔があった……。女の人生と国家権力が交錯する傑作警察小説。
医師の父、美しい母、高貴なまでの美貌を振りまく双子・梨花と結花。非の打ち所のない雨宮家で家政婦として働く幸子は、彼らを取り巻く人間に降りかかる呪われた運命に疑念を抱く。そして、ある「真相」にたどり着いた幸子は、留守番電話に悲痛なメッセージを残すが……。最恐のストーカー・リカ誕生までの、血塗られたグロテスクな物語。
バックパッカーの聖地・カオサン通りにある「ミカドホテル」。日本社会をドロップアウトした「沈没組」が集うこの最底辺ホテルで、殺人事件が勃発。宿泊者の一橋は犯人捜しを始めるが、三度の食事はすべてドラッグという斎藤、スナイパー気取りのゴルゴ、ゲテモノ食いのチワワら、他の「沈没組」が全員怪しく思えてきて――。暗黒系群像ミステリ。
東京で美術の非常勤講師を務める賢一は、田舎に住む弟の依頼で一人娘を一週間預かることに。駅で待っていたのは、小学四年生の美少女・ミドリ。毒舌全開、自由奔放なミドリに圧倒されながらも刺激を受ける賢一。徐々に距離を縮める二人に、刻々と予想外の出来事が忍びより――。二人の掛け合いと怒濤の展開に目が離せない一気読みミステリー。
江東区でストーカー事件が発生。被害者の長井由里は、無言電話、誹謗中傷のビラに見舞われ、地下鉄内で突き落とされてしまう。第一特殊班が警護にあたるが、怪しい人物は見当たらない。しかし係長の辰巳だけは昔担当した奇妙なストーカー事件と同じ匂いを嗅ぎ取っていた。殺しだけが事件じゃない! 凶悪犯罪に挑む特殊班の闘いを描く傑作警察小説。
伝説の元暴力団員・奥園が設立した自動車解体工場は裏では窃盗を繰り返していた。が、社員を想い、奥園が裏稼業から手を引こうとした矢先、ヤクザ時代の因縁の相手の縄張り荒らしに気づく。裏切りの疑惑。背後で蠢く謎の敵対者。微かな雑音が亀裂となり血で血を洗う巨大抗争に変わる時、男たちは問う。「所詮ヤクザは堅気になれないのか?」
老舗画廊勤務の中田由紀、三十二歳。穏やかで上品な彼女が、一人旅から帰ってきた途端に豹変した。これまでの服は全部捨て、付き合う友達も変わった。一緒に住む妹の彼氏に余計な口出しをしたかと思えば、婚約者を人前で罵倒したり――。これは演技? だったら何のために? 翻弄される妹が辿り着いた姉の狂気の理由。明野サスペンスの真骨頂。
死にかけた輸入ブランドを瞬く間によみがえらせた男がいた。‘その男’は前社長に引き立てられ副社長、社長へと一気に駆け上がり、さらには前社長の秘書だった女を愛人にしてしまう。しかし彼の‘成功’は、大いなる陰謀に操られていた! 最後に望みを叶えたのは一体誰だったのか? 予想外の結末に突き進む、傑作ミステリー。
花嫁の晴夏は、「新郎を殺せ」と、ある人物から命じられている。晴夏の実家に何年も棲みつき、家族全員から「先生」と慕われている、深海魚似の醜い男、‘洗脳師’深作だ。この男を追って、晴夏と同じホテルには、「洗脳外し」のプロや美人ペテン師が集結していた。彼らは救世主か、それとも……。誰を信じる!? 生死を懸けた駆け引きに‘全員’が騙される!
人気司会者が自室で死体となって発見された! 残された暗号日記は遺書なのか、それとも…? 芸能ショーの司会者、細井道夫が死体となって発見された。部屋は内鍵が下ろされた密室で、死因はガス中毒。机に、遺書とみられる暗号日誌が残され、暗号を解読した捜査当局は、自殺と断定し、捜査を打ち切った。が、解読されたはずの暗号が二重構成と判明するや、事件は、がぜん複雑な相を帯びてきた…。 第16回江戸川乱歩賞を受賞した本格長編ミステリ作品。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。