【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
事件は八丈島から始まった。植物公園の蘇鉄に人間の頭骨が吊り下げられていたのだ。2日後、横浜の女子高の校庭からも頭骨が……。同一犯と思われたが、接点がまるで見当たらない。神奈川県警・篝俊輔警部補は、9年前に起こった陰惨な殺人事件との繋がりを見いだしたが、容疑者には鉄壁のアリバイが! 斬新なトリックと緻密なストーリーで紡ぎ出す傑作推理小説!(『金沢・八丈まぼろしの19分』改題)
自衛隊のF-15(イーグル)戦闘機が突如、首相官邸に向けてミサイルを発射。官邸は炎上! 辛うじて一命をとりとめたものの動揺する首相。自衛隊のクーデターなのか!? 犯行声明と脅迫状が届き、混迷を深める政府は、ついに対急進派エージェントとして、元自衛官・宇治雅史(うじまさし)を指名した。だが再びテロが……。闇に蠢(うごめ)くグループの真の狙いは何か。衝撃の長編スペクタクル!
失恋と借金、失意の風見ゆう子は、自殺を決意して雪の北海道へ旅立った。しかし、「百万円を使ってくれ」という不可解な依頼、毒殺現場の指紋……ゆう子を絶望の底へ突き落とす連続殺人の容疑!――十津川警部は、幾重にも張りめぐらされた巧妙な罠に挑む! 愛と哀しみと殺意。詩情あふれるトラベル・ミステリーの傑作。
東京・目黒の喫茶店で中年セールスマンが毒殺された。前の会社が倒産し、ようやく再就職が決まり、勤め始めた矢先の出来事だった。白昼、しかも入手困難な青酸カリを使った犯罪に、解決も時間の問題と思われた。しかし、毒を仕込んだ犯人と思われた女は、数日後、無惨な死体で発見された。仕組まれた完全犯罪、鉄壁のアリバイ……。鬼貫警部がまたも難事件に挑む。
夫、息子と幸せに暮らす宏美(ひろみ)は9年前に恋人を飛び降り自殺の巻きぞえで失っていた。しかし、時を経て浮かんできたのは、その自殺の裏に隠れていた衝撃の真相だった。(表題作「巻きぞえ」) 書下ろし「解剖実習」を含みすべて死体から始まる珠玉の短編ミステリー7編を収録。なにげない日常にこそ潜んでいる恐怖を描く「デイリーサスペンスの女王」渾身(こんしん)の短編集。
東京・立川(たちかわ)の銀行で強盗事件が発生。犯人の女が現場のガラスドアに残した「口唇紋」を手がかりに、北多摩署刑事・相馬(そうま)が必死の捜査を続ける。一方、作家・釣部渓三郎(つるべけいざぶろう)が一夜を共にした未亡人・八重川小夜子(やえかわさよこ)の娘が誘拐された。犯人の要求は身代金4億円! 二つの事件が奇妙な繋がりを見せた先に、意外な真相が浮かび上がった……。
祖母は座礁した駆逐艦乗組員を、母は福井大地震で負傷した男性を、身を挺して救出した。そして娘・亜紀の運命は……。奇岩で有名な景勝地・東尋坊で、亜紀の夫の死体が発見された! 他殺と信じる亜紀は、十五年後、数少ない手がかりをもとに調査をはじめるが……。時を超えて展開する女たちの壮大な物語。鮎川賞作家が描く本格&旅情サスペンス大作!
日本推理作家協会では、毎年、その年の雑誌に発表された短編の中から十数編を選び、『年度別推理小説代表作選集』(略称・推理小説年鑑)を出している。1959年以来、著者の作品は毎年必ずこの年鑑に収録されている。本書は、『尾行』『盗難車』『最後の夜』(光文社文庫)に続くシリーズで、84年から90年までの各年度ベスト作品が収録された、言わばお墨付きの一冊である。
「どうして私が飛び降り自殺したか調べて!」――歌やドラマに引っ張りだこの新人アイドル・胡桃沢ひろ子は、誰もいない事務所でまどろんでいるとき、人気絶頂時に突然自殺した先輩歌手が夢枕に立ち、哀願された。この自殺事件は、芸能界でも不可解な事件として語り草になっている。高校三年生で、人気歌手のひろ子が、華やかな世界に渦まくスキャンダルと謎に挑む!
遠美高校でもっとも恥ずかしい存在と揶揄される人力飛行機同好会「TEAM78」。地方経済の中心「国一」グループの支援も厚い私立華邑学園の人力飛行機研究部「フェニックス」。大学時代、同じチームに所属していた二人の顧問教師と、自分たちの力で大空に飛び立とうとする高校生たち。落日の予感に満ちた地方都市の空に、彼らの翼は羽ばたけるのか? 驚愕のディストピア小説『終末の鳥人間』アナザー・サイド!
「クローズの晩に泊まると誰かが行方不明になる」という奇怪な噂が伝わるホテル精進湖。赤司行彦の恩師・坪坂教授と夫人が、その日に宿泊し、行方不明になった。行彦は、婚約者の畑野テオリとともに、閉鎖中のホテルへ忍び込むが収穫はない。その後、坪坂の首吊り死体が山中で発見されるが、夫人は……? 死体移動の謎と愛憎の揺れ動きを描く、恐怖サスペンス巨編!(『人をよぶホテル』改題)
インコと金融業者が殺された。次に亀とブティック女性経営者。怪事件発生に、精力絶倫探偵・中堂鈴之助とその助手で欲望むき出しの女子大生・色田姫子が動き始めたが……。自分を犯人と思い込む恐妻家、悩める暴力団組長、正義のヒーローを夢見る巡査に、家出妻や女装少年が入り乱れての大騒動。果たして真犯人は!? 軽妙ななかに、人間心理を深く衝いた快作。
空中ブランコ乗りの母を、ある日襲った転落事故。それをきっかけに、仲睦まじかった姉弟は離ればなれになってしまう。根無し草の父に育てられ、社会の底辺を這いずるように生きる弟。無関心で冷淡な母と暮らす中、視力を失い、結婚相手にも捨てられた姉。姉弟が再び一緒に暮らし始めたとき、さらなる悲劇が幕を開けるのだった……。優しくも残酷な究極の愛の物語。
パレスチナ難民キャンプで家族を虐殺(ぎゃくさつ)された沙也(さや)は、日本人に救われ日本で育った。一方、同じように肉親を殺され復讐に燃える女テロリストのマリカは、指令を受け、日本へ。折しも、日本で中東をめぐる重大な会議が開かれようとしていた。そして、二人に、非情な謀略と運命が! 人は永遠に血を流し続けなければならないのか? 第2回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
「それでも……おれは手錠をかけねばならん」──ベテラン刑事の八坂は、犯罪者のやりきれない事情に理解を示しながらも、犯人に手錠をかける。人間の裏表、抵抗と復讐、犯罪者の心理を描く10話(表題作)。千変万化する話の手練手管は、技巧が技巧で終わらぬ厚みがあり、読者を虜にする。まさに風太郎ミステリーの真骨頂! 10話からなる表題作を含め、全13篇収録。
経済省に勤める我妻章子。彼女は、弟の伸一が呪術でサラ金業者。水上を殺そうとしているのを知り、心を痛めていた。そのうち、伸一は家出し、サラ金業者を狙った連続放火事件が発生。火災現場からは神奈川県庁次長・深山の死体が発見された。‘弟が犯人?’あせる章子のもとに謎の手紙が!? 「タロット日美子」のデビュー作!
心の奥底に封印した過去、口にできなかった一言、それが解き放たれるとき、普段の風景は恐怖の色に塗り替えられる……。妻子ある男を愛してしまった早紀子(さきこ)は、突然、彼の妻から誘われた。夫は出張中、離婚してあげるから、二人だけで旅行しようと。動揺を抑えきれないまま、早紀子は真意を知ろうとその言葉に従うが……(「二人旅」)。日常に潜む殺意を描く11編。
冬の北信濃へ取材に出かけたトラベルライター・瓜生慎と息子の竜。竜のガールフレンド・うずらも一緒だ。糸魚川で北陸本線に乗るころ、天候が崩れる。激しい雪に臨時停車を繰り返す車内で、男が死体となって見つかった! 列車はトンネル内の筒石(つついし)駅で立ち往生。そして新たな殺人が。犯人の狙いは何か!? 雪の密室と化したトンネルで起きる惨劇――鉄道推理傑作!
宮沢賢治ゆかりの地、岩手県花巻市へ休暇で訪れた鑑識官・志賀洋子。花巻署勤務の友人との再会も束の間、無人の駐車場で起こった青酸ガスによる殺人事件に遭遇。洋子は花巻署の協力要請を受諾し、捜査メンバーに加わった。その直後、〃犯人は白髪の男〃との匿名電話(タレコミ)が……。さらに事件は東京へと飛び火する。卓抜した鑑識眼で難事件に挑む、洋子の事件簿第八弾!
優貴と智彦。美少女と美少年。高校は違うが、二人は『超能力研究会』の部長同士。ちょっぴり恋愛感情の芽生えた彼らは、定例合同研究会の始まる前に、喫茶店で会っていた。そこへ突然、男が優貴に抱きつくようにして倒れ、「ア・ク・シ・ア」と言い遺して死んだ。「ダイイング・メッセージの謎を探ってみよう」二人は決心する……!
数理情報工学の天才、久珠場博士が死去。遺産は100億円にも上るという。遺産は子供3人が相続し、最新の研究成果を収めたディスクが、博士の恩人の子孫に遺されることに。遺書開示の立会弁護士・森江春策の助手・新島ともかは、ある奇縁から、遺族への潜入捜査を開始する。そこには連続殺人の惨劇が待ち受けていた……。凝りに凝ったプロットが光る、本格推理の傑作。
義憤から内部告発をした一柳完(いちりゅうみつる)は、会社を追われる覚悟だった。だが、その彼に、社長の中津(なかつ)からじきじきに密命が下る。「α(アルファ)計画を極秘裏に遂行せよ!」全長400メートルもの巨大な工場を、まるごと南米へ運ぶのが彼の使命だ。この大航海に、謎の機関による妨害作戦が待ち受けていた。「α」は無事に航海を果たせるのか!? 著者初の海洋冒険ロマン大作が新装版で登場。
民話と伝説の里、岩手県・遠野の五百羅漢で女性の絞殺死体が発見された! 被害者は東京の会社に勤める貴代。遺品のカメラには同行するはずのなかった同僚・貞子の笑顔が! 貞子には経理上の不正も発覚し、容疑者として浮上するが、一ヶ月後自殺死体として発見される。先輩二人の死に疑いを持った留理子は、巧妙に仕組まれた事件の謎を執念の推理で解き明かせるのか!?
「泊めて……」赤い猫の飾りがついたリュックの女子高生は悦子に懇願した。同じころ、渋谷のラブホテルから男の全裸死体が発見される。屑籠の中のセーラー服、そして体中にペインティングされた〃赤い猫〃……。まさかと思いつつ、リュックの少女を疑う悦子。やがて見えてきた彼女たち女子高生の危険な世界! 少女たちの虚像と実像を描く、大好評シリーズ第三作。
画家・松川正吉は貧しい。激安ハンバーガー店を脅した。「猫の肉を使ってるね。10万円出せば黙っている」と。指定した駅のホームに使いが来た。受け取る。500万円もあった。店に連絡すると、「金は出していない」。すると、先程の男が構内で刺された。夕刊は、大手公害企業の社員の死を報じている。総会屋の汚れた金の流れと、相次ぐ謎の死……。豊田行二の、もう一つの才腕。
死者34人を出した銀座の雑居ビル火災現場から、二人の男女が姿を消した。10日後、男のほうが、北アルプス燕岳山頂付近で他殺体となって発見された! 失踪したと思われていた男が、なぜ山中で殺されていたのか? また、いまだ行方のわからない女との関係は? 長野県警刑事・道原は、男が抱えていた、過去への暗い恩讐に辿り着いた……。胸に迫る傑作山岳ミステリー!
女子大生の則子と里奈は、故郷・岡山にできた観光国〈アメランス共和国〉一周年記念の祭典のため〃帰国〃した。パーティの当日、二人の高校時代の恩師が襲われた! 謎のダイイング・メッセージは、「52/100」。好奇心旺盛な女子大生二人組は探偵役を買って出たが、彼女たちにも殺人者の影が……。
日下(くさか)刑事の両親が乗った観光バスが消息を絶ち、身代金として、1億円相当の宝石が要求された。事件は、容疑者の事故死によって、解決の様相を見せたが、第2、第3の殺人事件が発生。十津川(とつがわ)警部の必死の捜査にもかかわらず、謎はさらに深まった。バスジャック事件の背後にあるものは? そして、日下の淡い恋の行方は? 刑事の「宿命」が胸を打つ、傑作長編推理!
定年間近の石神井署の刑事・片倉康孝は、孤独死した小切間清という老人の捜査を担当する。が、部屋には身元を示すものは何一つない。さらにスーツケースから古びた白骨死体が発見される! 部屋にあった写真の女か? 遺留品をたよりに柳ヶ瀬に飛んだ片倉は、女が舞台女優だったこと、小切間清が伊勢湾台風で亡くなっていたことを突き止める――。哀切さが心に沁みる傑作。
「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣――次々に住人が引き起こすトラブル。そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは……。希代の名手が贈る必読の傑作ミステリー連作集。