【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
「安土(あづち)、約束は守ってくれよ」旧友が瀕死のベッドで繰り返したうわ言――主人公の脳裏に甦った二人だけの秘密とは?(表題作)。「どちらかの夫が死んだら、夫を貸し合おう」。二組の夫婦が交わした約束が引き起こした殺人事件(「欠員発生」)。殺害された大学教授夫人が残した謎の言葉の意味は?(「午後の朝」)巧みなプロット、鮮やかなラスト! 短編の名手の会心作!
ライターの西郷は、恋人・有里(ゆり)とともに、有里の兄を探し求めて木曽山中の町へ向かった。そこで彼は眩く光る円盤に出会うが、そこには変貌した有里の兄がいた! ロボットの‘怪物’に襲われ円盤内に連れ込まれた西郷は……。この事件は、首都圏を舞台にした‘一大パニック実験’なのか? 著者渾身(こんしん)の近未来サスペンス力作!
殺意は平凡な生活に萌した! 「お互い一人になれたら一緒になろう」と約束し、松崎三千絵との不倫を解消した向田幹也。ところが、末期ガンと知った彼の妻が失踪する。向田は行方を探す一方で三千絵との生活を夢みるが……若き取締役である向田の後妻の座を狙い、早くも接近する女性がいた。殺人、そして脅迫事件! 哀しい人間心理を描く傑作長編。
地元弱小新聞の自称エース記者・折原けいに殺人容疑が? 京都の裏情報を取材に来ていたフリーライターが毒殺され、接触していた彼女に警察が目をつけたのだ。マイナーな名刹・大悲閣千光寺の寺男・有馬次郎は、容疑を晴らしてやるため、調査に乗り出すが――。(表題作) 知る人ぞ知るミステリアス京都と、古都ならではの謎解きの妙味、じっくりご堪能ください!
三人の人妻を凌辱した暴走族を、異常聴覚を持った少年・古城洋佑と愛犬クロが襲って殺傷、そのまま山中に行方を絶った。徳田左近は、警察庁刑事局捜査第一課の特別処理係長。事件を調べる徳田刑事は、背後に大がかりな贈収賄事件の影を見た! 人間の心理の限界に迫るハード・サスペンスの圧倒作!
美人局をしている昇と順子が狙ったカモ・小池は、一筋縄ではいかなかった。昇は逆に小池にヤキを入れられ、小池の女房・咲子を強姦しろという奇妙な仕事を請け負わされる。忠実に実行した昇は、咲子の情夫から命を狙われるはめになり、遂に殺人まで犯す……。罠にはまった男の血にまみれた、官能とバイオレンスの復讐劇!
名古屋地検の検事・千鳥朱子は、秘めた関係にある服飾MD・郷原の誘いを断れず、飛騨へ旅に出かけた。旅行後、名古屋市内で傷害致死事件が発生。朱子の前に現れた参考人は、旅先で知り合った女性・北沢昌代だった。事件を調べ進めると、背後に女子高生売春グループの存在が浮かび上がってきた。――初めて女性検事を主人公に配した「記念碑的作品」!
広島県尾道と愛媛県今治を瀬戸内の島々で結んだしまなみ海道。その来島海峡大橋から飛び降りたという母の死に疑問を持つ少女・咲枝。平塚亭で、彼女と知り合った浅見光彦も、その死に疑問を抱いた。母親は殺された? しまなみ海道を訪れた浅見は小さな探偵団を結成し、咲枝とともに調査に乗り出す。美しい海と島を舞台に、浅見光彦が活躍する旅情ミステリー。
槍ヶ岳直下の坊主岩小屋で、恋人に宛てた遺書が発見された。山岳救助隊員・紫門一鬼(しもんいっき)は付近を捜索するが、遺体は発見されず、それらしき人物の失踪届も無い。遺書はいたずらか、それとも……。新聞の記事を見て名乗り出てきた来宮(きのみや)亜綺子の話は、紫門にある重大な疑惑を抱かせた──。孤独な魂と魂を結ぶ愛のかたちを描き切り、胸を打つ傑作!
日本楽壇の大御所・飛岡栄一郎は臨終の際、「送別」と題したピアノソナタの楽譜を孫娘の有紀子に贈った。「決して弾いてはならない」という謎の遺言とともに……。有紀子は幻の傑作を託されて戸惑い、楽譜を密かにしまいこんだが……。関わる人々を恐怖に陥れる魔性の旋律の正体とは? ファン待望、赤川版正統ホラー小説の長編力作!
12月の豪雪が、白魔となって八方尾根を襲った!――その日折りしも、海智学園山岳部のメンバーが登山中であった。冬山登山をしたことがない山岳部顧問の大森信太郎教諭が、大森と寝た非行少女・富永ら、高校生五人を率いて彷徨する。風雪の牙に晒される彼らの結末は? 虚栄や嫉妬など、人間心理を鋭くえぐりつつ、極限の逆境を描いた、長編山岳サスペンス!
全部の部屋が別棟で点在し、トイレや風呂場まで三角形でできた奇妙な下宿屋。しかも居住者は芸術家ばかり。持ち主の狭霧(さぎり)吉宗は、姪の結婚相手を下宿人から選ぶことに決めていた。ところが発表の前日、吉宗は心臓発作で急死。その後も怪事件が続発し、姪の木綿(ゆう)は、一尺屋遙(いっしゃくやはるか)に調査を依頼する。――リゾート地・湯布院を舞台に、著者が大仕掛けで挑む驚愕の結末!
警視庁捜査一課の白鳥完市は、桑名留未子から、長野へ行ったまま消息を絶った恋人・宮岡将勝を探してほしいと頼まれた。このところ、宮岡は、情報サービス会社を秘かに調べていたらしい――ところが、長野ではなく、なぜか奥多摩山中で、彼は死体となって発見された! さらに、今度は留未子が……。連続殺人の驚愕の結末とは? 現代の恐怖を描く力作長編!
密出国を謀った二人のソビエト領事館員が、海上保安庁に逮捕された。だが、何者かの圧力によって二人は釈放され、釈放に反対した警備救難監・後世が死体で発見された! 次々と保安官が殺される。犯人の目的は何か!? 海上保安庁最大の危機! 元海保・特別警備監の関守充介は、海保を守るため特命追跡監(シーウルフ)として、敢然と立ち上がった! 最高潮‘渚シリーズ’第四弾。
覆面作家・飛鳥彰の連載「人麻呂の悲劇」が開始された。翌日、美緒は、自分が24年前に失踪した作家・山岡竜一郎だという男から電話を受ける。「もし自分をこれ以上捜そうとすれば悲劇が起こる」――自殺したと思われた山岡は生きているのか!? 美緒と恋人の黒江壮(くろえつよし)は、山岡失踪の謎解明に乗り出すが……。秀逸な推理と歴史の謎への鋭い切り込み! 推理大作完結編!
日本のコンピュータ技術を、国際的産業スパイが狙っている。大手電機メーカーで起きた機密書類の盗難事件。警視庁外事課は、共産圏への非合法な先端技術流出を疑い、社員二人に疑惑の目を向けた。ヨーロッパでの行動が不審だった満田(まんだ)と、ベンチャー企業への転職を決意した藤野。しかし満田は殺された。罠に落ちた藤野は、身の危険にさらされながら真相を追った。(『極秘ICモスクワ指令』改題)
はたして、奇怪な殺人事件を解く鍵はどこにあるのか? 雪深き北海道・月寒で瀕死の怪我人を助けた海里昭子。その美談が十数年後、新聞に採り上げられた。一方、愛知県・犬山で、経営不振にあった土産物屋店主が何者かに刺殺される事件が。だが驚いたことに、被害者の鈴木武造は、出身地・青森で健在だとの情報が入った!?──一見無関係な事件がダイナミックに絡みあう。そして、鬼貫警部を悩ませる鉄壁のアリバイ!
京都の春を彩る「ミス振袖コンテスト」。その審査員に選ばれたキャサリンは、会場で「3・16」と書かれた謎の紙片を受けとった。3番の女性が突然倒れ病院へ。16番の女性の運命は!? しかし大会は強引に進められ、優勝者に王冠がかぶせられた瞬間……! 本格推理の醍醐味が満ちあふれた、名探偵キャサリン傑作集。
東京の高級住宅地・成城で米国人弁護士と、その娘が殺害された。捜査線上に浮かんだ容疑者は、元米国陸軍二等兵のマイク。だが、彼はマフィアの一員で、素早く日本を脱出し、ニューヨークのハレムに潜伏したらしい。さあ国際刑事警察(インターポール)・特別捜査員(スペシャル・エージェント)─響三郎の登場だ。このスーパー・スターは犯罪組織の壊滅に生命を賭ける!!
京南大学大藤教授邸の新年パーティで惨劇が起きた! 殺されたのは、現代の‘和泉式部’と称される野川いずみ。同席した‘清少納言’藤原彰子、‘紫式部’嵯峨紫とともに助教授の椅子を争っていた。さらに同大学の有力教授が密室内で毒殺……。大学の人事をめぐる暗闘が、連続殺人の動機!? 『枕草子』を手に、キャサリンと浜口一郎の名コンビの、華麗な推理が冴える。
「自殺の名所」である東京近郊のマンモス団地「高村」。8月の早朝、一人の男が、植え込みにうつ伏して死んでいた。男は、化粧品会社のセールスマンで、この団地の主婦層に人気があった。身分が分かると、普段はおしゃべりの団地の奥さん方が、皆、一斉に奇妙なほどに沈黙してしまった……!? 直木賞作家が「事件」を抉る!
最近では、赤かぶ検事の息子としてよりも、ケン玉名人の裁判官として有名な柊正雄。彼は新任地・京都で、秋津子との新婚生活を楽しむ毎日だった。ところが、紅葉盛りの道風神社で殺人事件が発生! 一部始終を目撃した正雄たちは、容疑者探しに協力するが、なんと、今度は秋津子が誘拐された! 犯罪が犯罪を生む新しい法律(リーガル)サスペンス。
石屈日和は文具メーカで働く30歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。親戚から格安で借りた高級マンションに住み、好意を寄せてくれる男性もいる。秘かな楽しみは、刺激を求めて始めた毒舌ブログの更新だ。そんな彼女の運命が、俄に狂い始める。次々と起こるトラブル。こじれてゆく人間関係。誰かが私を陥れようとしてる? 傑作サスペンス!
暴力団新法と平成不況の煽りを受け、極道社会は厳しい冬の時代を迎える。南西会二代目会長に就任した塚田組組長・上条久は生き残りをかけ、邪魔者を消しにかかる。しかし、会長の跡目争いに敗れた後、不気味に鳴りをひそめる武闘派の須賀組は上条の命(タマ)を取るべく復讐の念を燃やす。事態は塚田組対須賀組の全面抗争へ突入。血みどろの極道抗争、いよいよ終局へ!!
人気作家、哲村玲次郎の他殺体が発見された。捜査線上に、彼の恋敵である浅田利行が直ちに挙がった。独身の二人は、同一女性に結婚を申し込んでいた。浅田は捜査員に、被害者に対するあからさまな敵意を見せながらも、アリバイを証明。死後明らかになってきた哲村の身辺の謎、そして新たな参考人が……!? 複雑に絡(から)み合う人間の欲と業(ごう)、乱歩賞作家がトリッキーに描く!
「殺(や)る前に、一つだけ面白い話を聞かせてやろうか。よく言うだろ、冥土の土産ってやつだよ」そう言う種村を、俺はコートのポケット越しに3発撃った。――どうしたことか、殺し屋の俺が命を狙われはじめた。どうやらそれは、俺の塒(ねぐら)が関係しているらしく(「冥土の土産」)。ハードボイルドの新星と期待されながら、1999年末急逝した著者、渾身の連作集。
ホームズとワトスンが初めて出会い、ベイカー街221Bに共同で部屋を借りた、記念すべき第1作。ワトスンへの第一声「あなた、アフガニスタンに行っていましたね?」は、ホームズが依頼人の過去を当てる推理のはしり。第一部はホームズたちの出会いから殺人事件解決まで。第二部は犯人の告白による物語で、米ユタ州からロンドンにいたる復讐劇。
●愛する人と愛される人、だから愛人って素敵だと思わない? 三千代は、こう決意した。(表題作)●大邸宅に囲う美女七人、今夜もその一人の部屋へ行く。華麗な生活に浸る男の隠された一面。●相手がよければいくらでも失神くらいするわよ。平然と言ってのけるハイティーンの思わぬ誤算。――愛と欲望をめぐる傑作小説集。
「もしもし、おい、どうした?」突然切れた電話に不審を抱いた、海洋開発実験中の片桐主任は、水深40メートルの密室‘海底の家(マリーン・ハウス)’に潜行した。ここ神津島の新日本重工・海底居住基地では、極秘の実験が進行していたのだ。……海底の密室で刺殺された研究員! 濡れた電話機、床一面に散った揚げ羽蝶は何を物語る? 傑作本格推理!
太刀川要が深夜に遭遇した異様な大きさの黒犬は、半死半生の状態だった。動物病院へ駆け込むと、不可解なことに判別不能の犬種で獣医も戸惑うばかり。やがて始まった共同生活は、かたくなに孤独を貫く男の見慣れた風景を変えていく。そして湧き起こる、ある疑惑の真相とは――。ジョンの眼差しを通じて見つめる人の営み、滑稽さ、哀しみ。淡く胸に迫る大人のファンタジー。