【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
東京から伊豆の下田に到着した「踊り子13号」のグリーン車内で、初老の男が意識不明で発見され、間もなく絶命した。残されたドリンク剤の瓶の中から農薬パラコートが検出され、中毒死と判明。自殺か? 他殺か? 下田署は無差別殺人説に傾く。が、車掌が車内に被害者と続き番号の指定席券を持った中年女がいたと証言した。
鴨池信夫は売れない作曲家。彼には、鴨池商事を経営している女性実業家の徳子という猛妻がいる。目下のところ、信夫は完全に徳子の支配下にあって、何の発言権もない。‘徳子から自由になりたい!’信夫は、徳子を自然死に見せかけるあらゆる殺人方法を試みたが……なぜか徳子は不死身であった!? 人間味あふれるミステリー力作!
もと神奈川県警で名刑事と謳われた星月源吾は、退職後、妻の冴子と積丹半島一周の旅に出た。その夜、彼は同宿した中老の夫婦の訴えで、神威(カムイ)岬のトンネル内で起きた人妻強姦(レイプ)事件解明に乗りだす。被害者・浜川多美子は、高校の同級生・重松洋三が犯人だと言う。だが、重松には鉄壁のアリバイが……!? アッと驚くトリック。退職刑事の推理が冴える長編旅行推理(トラベル・ミステリー)。
老健施設「さんざし苑」の入所者・成田正三は、目を離すとベランダへ行こうとする。介護職員の四条典座は、それが成田の妻の死と関係しているのではないか、と調べ始める。妻は昨年、成田家のベランダで全身緑色の服を着て、両手の爪を剥がれ、雨のなか遺体で見つかったのだ。妻の異様な最期の真相がわかれば、成田の閉ざした心も融けるのではないか――哀しみの底に隠された真実が心を震わす、感動のミステリー。
大富豪・岡崎善之助の軽井沢別荘裏庭で死体が発見された。身もとは大学生の紫藤純一と判明。警察庁の酒島警視は単身、彼をめぐる女性関係を洗う。レストラン女店主、軽井沢夫人、大臣令嬢……。上流社会を望む青年の横顔(プロフィール)が浮かび、野望を秘めた謎の秘密計画も暴かれてくる。夏の軽井沢を舞台に華麗に繰り広げられるロマンミステリー。
息子の健一にせがまれて、青函トンネルを見学しに行った亀井刑事。帰途、健一は無人のはずの吉岡海底駅で、若い女性が手を振っているのを見たという。翌朝、その海底駅で女性の刺殺体が見つかる。犯人はどこから侵入し、脱出したのか? さらに被害者の婚約者が、東京のホテルで謎の転落死を遂げた!? 全長54キロの巨大密室(トンネル)の殺人事件に、十津川警部が挑む!
商店街の福引きで香港旅行が当たった。隼太はそれをイトコの春菜には秘密にした。あの非常識きわまりない小説家、この所すっかり探偵気取りの春菜が、一緒に行くなどと言ったら、せっかくの旅がむちゃくちゃだ。しかし!――ツアー・メンバーの転落事故、刃物による傷害など事件続発で、春菜の思うツボ。犯人はメンバーの中にいる。さっそく尾行を開始したが……。
「胃と腸が、体の中で切断されている!」――高松病院院長・高松良一が腹部の激痛を訴え急死。手術にあたった医師たちは、奇怪な症状に戦慄した。医学界の常識を覆す奇病か、それとも殺人か? しかも、当夜の宿直・望月までが同じ症状で死亡した! 不可能犯罪に挑む吉松直樹だが、彼の身にも危機が……。 高名な医学者である著者が、奇抜なトリックで放つ本格推理。
大金を拾ったために、自己破産に向かう女……。借りた金を貸主が受け取らず、時効を目前に苛立つ女……。民法上、縁を切ったはずなのに、姑につきまとわれる女……。騙されやすい母親を詐欺から守ろうと必死になる女……。交通事故により、人生の流れが好転した女……。拾得物、債務、離婚調停――。身近な法律が照らし出す、身の回りにある恐怖。全7編を収録。
「おまえに殺された女は、俺のおふくろだ」売春婦を斡旋した容疑で取調べをしていた坂本トミに、私は言った。 かつて、トミは、玉の井の娼館で働く母・平山つや子を殺し、服役したのだ。だが、彼女は殺害を否定した! 刑事ではなく個人として、私は「過去」を探り始める……。(私娼窟の女) 遠い過去からよみがえる真実。情感あふれる連作推理の傑作!
両親が急死し、多額の遺産を相続した少女が恋をした。初めての恋が、彼女から財産も将来への希望も、何もかもを根こそぎ奪ってゆく。絶望の末に少女が出会った、すべての苦痛から解放してくれる「幸せスイッチ」とは?(表題作) 一刻を争う病状の幼女を搬送する救急隊員に、母親が無理難題を押しつけて翻弄する「診断」。鬼才が仕掛ける、邪悪で奇妙な6つの物語。
リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ……。心がほっと温まる連作ミステリー。
夜明けの東名高速。大型トラックの追突をきっかけに大事故が発生した。そのトラックの冷凍コンテナから女性の冷凍死体が……! その後、相次いで発見された二人の死体、いずれも婦人警官のものと判明した。事件の背後に見え隠れする、BMWを操る男は何者か? 突然現われた謎の美少女は? 特捜ハイウェイ刑事・天宮が愛車に乗って謎を追う。
盲目のマッサージ師が、白昼都電の車内で毒殺された。毒物はカプセルに詰められた砒素。疑いは、薬剤師である彼の美しい若妻に向けられた。たまたま現場に居合わせた雑誌記者、青木亜木子は、「あの献身的な人妻に、夫を殺せるはずがない」と直感、犯人捜しをはじめた……。青森から宮崎まで、日本中が舞台の傑作連作推理。
八ヶ岳の一峰、天狗岳で血染めのパジャマが発見された。血痕はかなり以前のものだ。事件か事故か?――長野県警諏訪署の刑事・道原伝吉らの捜査むなしく、真相は藪の中だ。道原は、数カ月前に起きた硫黄岳爆烈火口での遭難事件に着目した。パジャマと遭難。はたして二つの事件に関連が?(「惨死硫黄岳」) 人間の深層心理を鋭く抉る、名手・梓林太郎の傑作短編集!
北の果ての網走(あばしり)刑務所で刑期を終えた元刑事・橋本豊(はしもとゆたか)は、刑務所内で死亡した仲間の遺品を、友人に届けるために、南の国、宮崎へ向かった。しかし、寝台特急「富士」には危険が待ち受けていた。……忍びよる影の手、遺品をめぐる暗闘、そして連続殺人! 十津川(とつがわ)警部の救いの手は間に合うのか?! 愛と謎と恐怖を描く力作。
高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一カ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。犯人は誰なのか。高校3年生の息子・鉄男の出生の秘密、美貌の母と鉄男の異常な関係など、杉原家の抱える歪んだ家族関係が明らかになり、容疑は息子の鉄男に向けられるが、仰天の顛末とは――。「ギリシャ悲劇」を絡めた連城三紀彦初期の傑作長編ミステリー。
海運王の御曹司とアイドル歌手の世紀の披露宴。TV中継の最中、突然、頭上のシャンデリアが爆発し、下敷きとなった花婿は即死、花嫁は奇跡的に難を逃れた。翌朝、第二の殺人が起こり、現場には「アカシア」の血文字が……。連続殺人の接点は何か? 花嫁の過去が明らかになるにつれ謎が謎を呼ぶ。 冒険小説の雄が放つ本格推理!
荒削りで動物的な性的魅力(セックス・アッピール)を持つ津場登をリーダーに、本城、岩下、浜野がチームを組む〃処刑軍団〃。闇の検事を名乗る四人に、日韓利権を漁る新世界汽船の田代が接触してきた……癒着の腐肉に群がる政治家や仕掛人(フィクサー)に向け、特殊チューンのエンジンが唸り、怒りの銃口が火を噴く。――著者得意の痛快長編アクション小説!
事件はクリスマスに起きた! 父母のいない淋しい聖夜を過ごすひろむは、サンタクロースと街で出会った。が、その正体は、看守を撲殺して脱獄をした岩野昌造だったのだ。人質にとらわれた無垢な幼児と、サンタに扮した殺人鬼。緊迫の逃走の結末は?(表題作)――逝去した後も、根強い人気を博す著者の《最後の事件簿(ファイナル・ミステリー)》。卓抜な心理を巧緻に描いた美しい結晶の数々。
新宿署最強の刑事・屍(かばね)と鬼顔(きがん)は、再び妖術師・ガリバルディを追う。その二人の前に、さらに、羅漢興業組長・羅紋(らもん)の手が。次々と襲いかかる妖術や魔人との凄絶な死闘! そして、鬼顔が捕われの身に。捨て身で救出に向かう屍。ガリバルディの世界破滅計画とは何か? 魔都・新宿で、最後の戦いがはじまった。圧倒的興奮で迫る魔界バイオレンス小説、ここに堂々完成!
東京多摩地区で残酷で奇怪な連続殺人事件が発生。ところが、逮捕された容疑者は犯行時の記憶がなく、睡眠中に誰かに操られたと主張。犯人の「脳」で何が起こっているのか? 眠る人間の深層意識に入る「潜脳」という特殊能力を持つ少年・亮介が容疑者の脳に潜入する――。『バイオハザード2』『鬼武者』『モンスターハンター』などを手がけたゲーム界のカリスマと小説界注目の気鋭による完璧なるエンタテインメント長編!
北海道。過疎の町の理髪店。心配性の店主の元にはやたらと町の騒動が持ち込まれる。老いた両親のこと。中国人花嫁をもらった新郎の悩み。50歳過ぎたオヤジたちの恋のさや当て。子供が指名手配になった!――などなど。トラブル解決に右往左往する店主と町の人々の交流を鮮やかに描いた、奥田英朗の筆が冴え渡る極上の一冊!
櫛田潤一の恋人・島崎清子が扼殺された! 遺品から出てきた‘川岸一義’名義のタクシーカード。ところが、川岸も三年前、タクシー強盗に殺されていた! 二つの事件から浮かぶ大物政治家の秘書・樽見良勝とは……。櫛田と川岸の遺児・由紀子は、三年前の事件を探るため、神奈川の中津渓谷へと赴いた。‘誇り’のために生命を賭けられるか?
「残忍な殺され方をした女子高生殺害事件の犯人が、精神鑑定の結果無罪になりそうだ」知的美人と評判のテレビキャスター松平みどりは、その原稿を読みながら怒りで唇が震えるのを覚える。彼女は、自ら主宰する「殺人を研究する会」のメンバーにその怒りをぶちまけた。そして、会は思わぬ方向へ……!? 現代版「闇の仕置き人」の活躍を描く直木賞作家の痛快物語。
鎌倉の豪華マンションで火災発生! 焼け残った部屋には、新人女流作家の他殺体と、枕草子の一節で犯人を暗示した『死者の伝言(ダイイング・メッセージ)』があった。捜査に乗り出した二階堂警部は、妻の日美子と〃枕草子ツアー〃で京都旅行中の田名鳥悦子が、事件の鍵を握っていることをつきとめた。そして第二の殺人が!?
本書の主人公・大地尚一郎(だいちしょういちろう)の肩書は「土地家屋調査士」。あまり馴染みのない職業だが、国家資格であり、土地問題のスペシャリストなのだ。隣家との境界トラブルで依頼に訪れた内野雨季子(うちのうきこ)は、その解決をきっかけに彼の助手となり自らも資格取得を目指す。次々に持ち込まれる土地トラブル。背後に見え隠れする犯罪の影。「正義」のために戦う二人。社会派推理の傑作!
霧の底に沈み幻想的なたたずまいをみせる湯布院。この静かな盆地の町で、疑獄事件の渦中の前文部次官秘書が首を吊った。数カ月後、前次官と関係のある旧家の高梨家を、和泉教授夫妻が訪れた。和泉直人は哲学出身の法律学者、しかも犯罪心理学では世界的に認められている。旅行中に、妙なことから預った男の子? 和泉が着いたその日から、高梨家では連続殺人が!
能代(のしろ)三香子は、別れた夫船津久彦が溺愛する娘千秋を、復讐のため誘拐した。三香子は交通事故を理由に離婚されたが、これは久彦が愛人と結婚するための罠だったのだ。ところが、何者かが娘を逆誘拐!? 三香子は現在の愛人・別所攻次郎とともに、娘の行方を追ったが……。二重誘拐という斬新な状況設定のなかで展開する、本格ミステリーの白眉(はくび)!
毒という名の香水、その匂いが漂うとき、男が死ぬ。小泉哲夫は、銀座のクラブ〃アビシニアン〃に社用で通ううち、新人ホステスのグレに魅かれていった。プワゾンを愛用していること以外、グレの素性は謎。ある夜、二人は山中湖にドライブに出かけたが、翌朝、多量の睡眠薬を服用した小泉の溺死体が発見された。グレの行方は……? 戦慄の傑作サスペンス小説。