【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
―――先生、眠りの世界に私をさらって、今すぐに。表参道にある隠れ家サロン。シルクのシーツにくるまり、アロマの香りに満たされながら、眠りにおちる。とろけるような夢の中に、美しく色っぽいセラピスト・童夢が入ってきて、カウンセリングを開始する――。条件の良い結婚をすることに必死な20代の女、過去を引きずる30代のシングルマザー、息子に依存する60代の女と天涯孤独な作家。それぞれがスリープセラピーを通して、自分の内なる欲望に気づいてしまうが……!? 眠っていたオンナを目覚めさせる問題作。
窓際族という生活に折り合いをつけてきた哀川真也は、謎の美女・巨勢玲子との出会いで運命が一変する。哀川は玲子から誘われ、借金地獄に喘ぐ人やストーカー被害者などを救う組織「アネックス」に参加した。彼はその活動の中で生きることへの情熱を取り戻していく。だが、「アネックス」が某国からの亡命少女を匿ったことで事態は急変、哀川らは過酷な状況に陥っていくのだが――。人間の本質に深く踏み込んだ、傑作大河巨編。
すべては夏のせいだったのだ。その夏、私たちは野望に燃えていた――。26歳の夕香は平凡なOL生活にうんざりしていた。そんな夕香の前に現れたアキは、獣のように美しい男だった。誘惑されるがままに彼の腕に転げ落ち、炎熱の中で荒々しいセックスに溺れる夕香は、もう一人の自分に目覚めてゆく――。すべてを狂わす夏の中で、絶え間ない快楽の波に押し流されて、夕香がたどり着いた場所は……。暴走を続ける男女たちの‘狂った夏’を描く異色のミステリーロマン!
美術史家としてすぐれた才能をもちながら、学閥から追放され敗残の生活を送る宅田老人。贋画の天才酒匂鳳岳の発見によって開始される学閥への復讐は、まず、鳳岳の描いた「秋山束薪図」が、未発見の浦上玉堂の作と評価されて成功するかにみえたが…。表題作ほか「上申書」「剥袋」「愛と空白の共謀」「装飾評伝」を収める。
三重県志摩郡、伊勢湾の南端に浮かぶ「パノ ラマ島」に、同級生に誘われて金田一耕助が乗り込んだ。風光明媚な土地に廃墟とも 呼ぶべき威容の建物が建ち並ぶ島で起きた殺人事件を金田一耕助は解決できるのか?
カツレツ、牛鍋、ヒラメのグリル、鶉(うずら)のローストに氷菓子(アイスクリン)――。 『食道楽』を著した洋行帰りのグルメ作家・村井玄斎の赴くところに事件あり。文明開化の花咲く明治30年代の湘南を舞台に、死者の復活、衆人環視の殺人、人間消失など5つの謎が。同時代の名探偵シャーロック・ホームズの向こうを張って、玄斎探偵の推理が冴える。傑作時代小説!
パーティの終わった夜、ただ一度、衝動的に夫の友人に身をまかせてしまった人妻、厚子。堅物の夫は疑いもしないように思えた。だが、その一年後、彼女の周囲につぎつぎと起きる殺人事件……。満たされぬ孤独な日々を送る厚子の心のなかに、夫への疑惑が次第に大きくふくれあがってきた――。揺れ動く女性の心理を、さまざまな愛のかたちで描いた傑作ミステリー集。
都心から電車で1時間ほど。鹿ノ丘中学は、埼玉県所沢にある郊外のごくごく平凡な中学校だ。悩める少年少女たちが。少しでも人生を満喫しようとしのぎを削り日々を過ごしている。4月、ポジションが大きく左右される恐怖の不確定要素、クラス替えが発表された。同じ組に集められた、ボスチューバンガリベンドーテー……。3F24名の命運はいかに?
亜紀子はある日、見知らぬ女性の訪問を受けた。最後の記憶は、訪問者を玄関に請じ入れたこと。だが、次に気付いたとき、亜紀子は血のついた野球のバットを握り、床に倒れた‘自分自身’を見下ろしていた! 加害者の姿になって行き場を失った亜紀子は、その女性の持ち物から調べた住所へ、やむなく足を運ぶ。なぜ‘私’は彼女に殺されなくてはならなかったのか?対照的な2人の女性の人生が交錯する、サスペンスミステリ。
12年前の夏、‘蔦屋敷’と呼ばれる熱海の洋館で、淳は白いドレスの少女百合に出会った。幼い少年の日の、謎めいてエキゾチックな邸での記憶そのまま、今、淳の目の前に百合が居る。兄の婚約者として、事故で動かなくなった体を横たえ眠っている――。画廊の火災を発端に度重なる災厄、死までも華麗な舞台装置とし、耽美な物語世界を独得な個性で描く。森村誠一氏、夏樹静子氏絶賛の、横溝賞受賞女流の長編ミステリー。
大企業の訴訟を専門に扱い年収一億円以上を稼ぐ高級弁護士が巨大な権力と出会う時、運命の歯車が回り始める。人が人を裁く時、真実はどこにあるのか。その意味を問う本格リーガルサスペンス! 構成・天沢彰
プロ野球投手の倉沢は、試合中の死球事故が原因で現役を引退した。その後彼が始めた仕事「付き添い屋」には、奇妙な依頼客が次々と訪れて……情感豊かな筆致で綴り上げた、ハートウォーミング・ミステリ。
『週刊A』の編集長が就任十三日目に崖から車で落ちて事故死した。次の編集長も十三日目でサーカスを見学中、ライオンに喉を噛み切られ死亡。三番目の後任も衝撃から自殺――。いずれの現場にもなぜか道化師の姿が。そして、犯人から届いた怪文書。出版社社長自ら編集長を買って出たが、運命の十三日がまた近づいてきた……。精神分析医・氷室想介がたどり着いた衝撃の事実とは。
信濃追分と、かつて本郷追分といわれた東京本郷での男の変死体。この二つの〈追分〉の事件に、信濃のコロンボこと竹村警部と警視庁の切れ者・岡部警部の二人が挑む! 謎の解明のため二人は北海道へ……。
父親の死をきっかけに、絵里は軽井沢でペンションを始めた。地元の経理士と恋仲になり、逢瀬を終えた夜、彼が殺害された。(アリスの騎士)四人の女性が避暑地で体験する危険なロマネスク・ミステリ。
猛暑が続く京都市内で、女性の絞殺体が発見された。被害者は藍染作家・由良美津子、39歳。彼女の首には藍の染料が付いていた。同じ頃、別の殺人事件で指名手配されていた男が北九州市で逮捕される。犯人の佐伯は20年前に婦女暴行を重ね、美津子はその被害者のひとりだった。果たして2つの事件に関連はあるのか。京都府警捜査一課の女性準キャリア刑事・大橋砂生は、美津子の周辺で目撃されていた怪しい男を追跡するが……。※本書は二〇一四年十月に小社より刊行された単行本『殺意の産声』を改題の上、文庫化したものが底本です。
役所勤めの浅井が、妻の死を知ったのは、出張先の宴会の席であった。外出中、心臓麻痺を起こし、助けを求めて駆け込んだ化粧品店で息絶えたという。義妹によって知らされたその死に場所は、妻から一度も聞いたことがなかった地名であった――。妻の死の真相を探るうちに、一転して脅迫される立場になるという巧みなプロットの面白さ。小心な官僚の心理描写の卓抜さ。清張サスペンスを満喫する長篇小説。
男は、心臓を鋭利な刃物で刺され、右胸の皮膚を円く抉ぐられていた。新緑の四月初め、場所は、東京西方の田園を流れる川のほとり。……警察の捜査は、男が愛知の硯職人で、死の前、甲州の山あいの一鉱山を訪れたことを突きとめたが、続いて起こる、二つの殺人。被害者は、旧日本軍憲兵の前歴を持つ浮浪者と、東南アジアR国から秘密の目的で来日した一外国要人。謎の渦中に巻きこまれた若者崎津の前に、事件は、意外な拡がりと様相を示して展開する。――巨匠松本清張の、野心的推理長篇!
資産家が失踪した直後、不動産が不審な形で売買された。やがて、その疑惑に関わる人物が殺人事件に巻き込まれてゆく。捜査を開始した新宿署の牛尾刑事は風化したはずの悲しみの渦中へと踏み込むことに……。
エンジェル投資家の小池に新企業への出資を求めに来た、大学院生の田島。その謎めいた行動から、小池は田島が母校の大学に烈しい復讐心を持っていることを見抜く。実は小池も、同じ復讐心を胸に抱いていたのだ……。
「あなたはSNSについてどう思いますか?」街頭インタビューで異論を呈した今光。お盆休みで混雑した駅のホームから、何者かに押されて落ちかけた。その後も次々に迫る危険、事件の意外な黒幕とは――!?
西銀座のクラブ『莉花』の美人ママに惚れ込み、遠く熱海から新幹線で通ってくる中小企業のオーナー社長・牛田辰則。その熱意の甲斐あってか、ママから「したいの」と刺激的な一言。ところが、その言葉の裏に秘められていた世にも恐ろしい事情に気づいたときには、時すでに遅く、牛田は泥沼に片足を突っ込みかけていた…。文庫書き下ろしの表題作ほか、ピザとビザを間違えている社長へのご注進騒ぎ、勤続二十年の記念休暇をきっかけに大胆な変身をはかろうとした男の失敗、等々、作者十八番の笑いと恐怖のミステリー短編全六編を収録。
階段の踊り場にも、古びた校舎にも、教会のステンドグラスにも。日常のすぐとなりには、怪しい謎があふれてる。辻村深月、七尾与史、相沢沙呼、田丸雅智、深緑野分の豪華競演で贈るミステリーアンソロジー!
警視庁公安部の刑事だった奥野侑也は、殺人事件で妻を亡くし退職を決めた。孤独に暮らしていた侑也に、かつての上司を通じて潜入捜査の依頼が入る。北の果てに建つモウテルの管理人を務め、見知らぬ人物と暮らしながら疑似家族を演じろという。侑也が現地に赴くと、そこにいたのは若い男女と傷ついた一匹の番犬だった。やがて闇に隠れた謎の組織の存在と警察当局の狙いが明らかになり、侑也は眠っていた牙を再び甦らせる――。
美大を卒業したばかりの葉子は、憧れの葛山デザイン研究所に入所する。尊敬する鬼才、葛山の下で精一杯、勉強したかったからだ。が、不可解な葛山の言動から、彼の作品のオリジナリティに疑惑をもつ。真実を知りたいという熱い思いにかられ、葛山の周辺を次々に追及する葉子の前にあらわになった意外な真相とは――。常に斬新でなければならない一流デザイナーの苦悩を、華やかな業界を背景に描いた傑作サスペンスロマン!
女優・中村美矢子は、土佐中村への一人旅の車窓から、河原で男が襲われる現場を目撃する。その河原で死体となって発見されたのは、美矢子を東京から尾行してきた男だった。旅を続ける彼女のまわりで次々と起こる怪事件。美矢子は、自分の身にも危険が迫っていることを感じはじめる。そのころ東京では、彼女のマネジャー・里見保が行方不明になっていた。東京で捜査を開始した十津川警部は、四国の事件との関連を探る。表題作「謀殺の四国ルート」をはじめ、十津川警部の活躍を描く四作品を収録!
堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。その最中に見つけた一冊の本、『いちばん初めにあった海』。読んだ覚えのない本のページをめくると、その間から未開封の手紙が……。差出人は‘YUKI’。だが、千波にはこの人物に全く心当たりがない。しかも、開封すると、「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が書かれていた。‘YUKI’とは誰なのか? なぜ、ふと目を惹いたこの本に手紙がはさまれていたのか? 千波の過去の記憶を辿る旅が始まった――。心に傷を負った二人の女性の絆と再生を描く感動のミステリー!
女子高生、風俗嬢、キャッチガール、キャバクラ嬢――。アイドルばりの恵まれた外見で流行の服に身を包む彼女たちが忽然と消えた。人捜し専門の調査事務所を営む桜庭は依頼を受け、腐れ縁で「逃がし屋」の御曹司・桧林と、親友でヤクザの二代目・松村の協力を得て、失踪した女性たちの行方を追う。彼女らに近づくにつれ明らかになる哀しい現実とは……? 艶やかさの内側に氷を隠した蝶たちに、ちょっとさえない探偵・桜庭が迫る!
小田原付近を通過中のひかり号車内で、検札の車掌が若い女の死体を発見!死因は青酸中毒で、目撃者の証言から、東京駅発車寸前に降りた男の犯行との見方が強まった。そして三か月後、こんどは都内のホテルで男の刺殺体が。2つの事件の重大な共通点が捜査本部を緊張させた。被害者は二人とも同じ会社の社員だったのだ。ただちに綿密な聞き込みが行われ、その結果、ある海外旅行社の営業部長が重要容疑者として浮かび上がった。だが彼には、両事件ともに完璧なアリバイがあった。巧みなストーリィの展開と意表をつくトリック、著者会心の本格長編推理小説。
サラリーマンの妻から一転、市長夫人、そしてベストセラー作家となった彩。だが、一躍有名となったために、自ら封印していた過去の男たちがつきまとうようになる。夫に気づかれぬように、彩は過去の男たちを排除しようと計画するが……。幸せな人生を約束されたはずの女性に訪れた突然の悲劇――。結婚という誰もが一度は考える普遍のテーマに、男と女の真の幸せとは何かを、切実に問うた渾身のサスペンス!