【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
僕の住む国では、いろんなことが起きた。戦争が終わったんだ──猫は摩訶不思議な物語を語り始める。伊坂幸太郎が描く、世界の秘密についてのおはなし。野心的長編を新装版で贈る。
帝都東京。犯罪者たちと「あの」名探偵たちが繰り広げる死闘を、江戸、第二次世界大戦前、そして戦後と三つの時代を通して描く。著者渾身の傑作ミステリ!
アリスは父を殺したのか? 美しい継母への疑惑を抱えながら父の死の謎を追う青年。2部構成で読む者の予想を鮮やかに覆す!『そしてミランダを殺す』の著者が放つ衝撃作。
自らの’影’と入れ替わる男。必ず賭けに負けない少女。魔女との契約で不思議な力を得た彼らをめぐる事件に、人間が推理で立ち向かう! 第7回ミステリーズ!新人賞佳作を含む連作集。
木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木ら若き芸術家たちが謎に挑む傑作青春ミステリ明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等が推理合戦を繰り広げる。そこに謎めいた女中・あやのも加わって――。鬼才・宮内悠介の新境地!
ギークたちを出し物にする巡業カーニバルで働くスタンはショウビジネス界での成功を夢見ていた……。鬼才デル・トロ監督が映画化
空気を読まない人間は、いつの間にか消えていく。この町は本当に平和なのか。ーー高橋ユキ(『つけびの村』著者)人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!江戸川乱歩賞受賞第一作。変だと思っている者はあまりいないかもしれない。「この町ではそういうものなのだから、従うのが当たり前だ」と、周囲から言われ、そのうちになにも違和感を感じなくなる。わたしにしても、特に生活に支障がないかぎり、なんとなくそうなっているのを認めているといってもよかった。良子さんのようにあらためて口にすると角が立つからだ。(本文より)
1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。。住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、小さい赤ん坊がいることもあり、親戚の家に避難を決めるが……。それから20年後、千里見町で『清風館』という旅館を営む清田母娘の前に、坂井裕二と名乗る大学生が現れる。坂井は約一年ぶりの客だった。『清風館』の主だった清田勝正は、一年前に交通事故で亡くなり、そのため旅館も開店休業状態だったのだ。娘の千遥は母と二人暮らしをしていたが、それは父が急死したためだった。東京の大学に合格していたが、上京して母を一人にするのがためらわれたのだった。そこに現れたのが坂井裕二で、彼の存在が千遥の大学進学への思いを後押しすることになる。また裕二は過去に何か事情があったらしく、その謎に千遥は惹きつけられていく。裕二の過去には何があったのか? 千里見町の20年前の豪雨がもたらしたものとは? 濁流に押し流される人間の運命が慟哭を呼ぶ、愛と哀しみの青春ミステリー。
第13回『このミステリーがすごい! 大賞優秀賞受賞作、文庫化作品です。日本から約1万2000キロ、アフリカ大陸。国際連合南スーダン派遣団の第五次派遣施設隊内では、盗難事件が相次いでいた。定年間近の自衛官・亀尾准陸尉と杉村陸士長が調査に乗り出すが、さらに不可解な事件が連続して発生する。謎の脅迫状、そして小銃弾の紛失。相次ぐ事件は何を意味するのか。日本から特別派遣されてきた警務科のちょっとオネエなキレ者・植木一等陸尉も調査に加わり、連続事件の謎に挑む!
千葉県警の警備部長が外出中に誘拐された。犯人は元自衛官と思われる男で、小指とともに送られてきた脅迫状には、公安警察のマル自(自衛隊監視班)捜査官の全リストを警察庁のウェブサイトで公開しろとの要求が……。期限は二日間半。柏警察署に特別捜査本部が設置されるものの、自衛隊から出向中の副署長・植木は事件から閉め出されてしまう。自衛隊発足以来続く、警察との水面下での確執が表面化する中、植木は関係者の協力を得て、事件に関わっていく――。『このミステリーがすごい! 』大賞出身の元自衛官が描く、傑作ミステリー。
完全密室の七四式戦車(ナナヨン)内で、死体が見つかった――。自衛隊内の犯罪の捜査および被疑者の逮捕を行なう部署である中央警務隊。隊長・大曽根より、突然の命を受けた甲斐和美三等陸尉は、富士駐屯地に向かい、第百二十八地区警務隊の捜査に協力することになった。それは単なる自殺と思われた事件だったが、内部からの告発により、殺人の可能性があるという……。甲斐和美は富士駐屯地に急行し、自衛隊組織の暗部に迫っていく――。『このミステリーがすごい! 』大賞優秀賞受賞作家が贈る、渾身の自衛隊ミステリー!
大正時代・帝都。新富町で歯科医院を開く花守啓介は、治療で使う道具を追究するうちにある鍛冶職人の作品に興味を持つようになる。人づてに頼んで向島の指物師が持つ十本組のノミを見せてもらうが、その名品が忽然と消えた時、花守が犯人と疑われてしまった。現場を調査したのは、農商務省の嘱託・白菊芳史。彼は人の悪意を養分にする’異客’と呼ばれる寄生植物の対応に当たっていて……? 明朗快活な好漢と人を寄せ付けない美貌の男の出会いから始まる、謎めく植物をめぐる探偵譚。
覆面作家・天城菖蒲から、絶海の孤島に建つ天城館に招待された五人の推理作家。やがて作家たちは次々と奇怪な死を遂げ、そして誰もいなくなったとき、本当の「事件」の幕が開く。特殊設定ミステリの真骨頂!
主人公裕は、膨大な古文書のデータの中から上州に伝わる子間引きの風習や毛利神社や琴平神社の社名に注目し、資料と格闘する。裕がそこまでするには理由があった。父が決して語らなかった母親の系譜に関する手がかりを見つけるためでもあったのだ。大した成果が得られぬまま、やがて夏も終わりに近づくころ、巣守郷を独自調査していた少年・淳が警察に補導されてしまう。郷に監禁された少女を救おうとする淳と、裕の母親の出自を探す道が交差する時――。宮部みゆき、東雅夫、東えりか、杉江松絶賛の、前代未聞の伝奇ホラーミステリーにして青春ラブストーリー! 感動のラストまで目が離せない、超弩級エンターテインメント。
この国に生を受けただけなのに、希望はどこにある――平壌郊外の保安署員クム・ヨンイルは11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられた。犯人として収容されている男と面会し記録を検証するが、捜査の杜撰さと国家の横暴さを再認識するだけだった。実はヨンイルの父は元医師。最上位階級である「核心階層」に属していたが、大物政治家の暗殺容疑をかけられ物証も自白もないまま収容されている。再捜査と父への思いが重なり、ヨンイルは自国の姿勢に疑問を抱き始める。そしてついに、真犯人につながる謎の男の存在にたどりつくが……。鉄壁な国家が作り出す恐怖と個人の尊厳を緻密に描き出す、衝撃の社会派ミステリ長編。
土砂降りの雨の夜、湯河原の町で起きた轢き逃げ事件。数年後、またも温泉街で生じた交通事故。どちらも犯人逮捕に至らないまま、再び起きた郊外の交通事故では、なぜか被害者が跡形もなく消えてしまった。連続する事故に興味を抱いた刑事の楢津木は、やがて街中で次々に起こる奇妙な出来事や怪談にも繋がりを見出すが捜査は難航。彼はIQ208の天才棋士、牧場智久の力を借り真相解明に乗り出す。本格ミステリ大賞受賞作、『涙香迷宮』の流れを汲む迷宮的サスペンス・ミステリ。
新任キャリアの仁村と叩き上げのマル暴刑事・皆沢。それぞれ知事の贈収賄案件と暴力団抗争事件を追うが、ある女の死をきっかけに2つの事件はつながっていく。絡み合う事件の真相とは。迫真の警察小説!
暮れ方、峠を急ぐゼンの前に二人組の賊が現れた。命か金か、そう迫る男は手練れとは見えなかったが、用心棒らしい連れの侍は凄まじい殺気を放つ剣の使い手であった。かろうじてその刃を逃れたゼンは、もう一度、男と手合わせをしたいと望む。男の名は、キクラといった。都の道場でも抜きん出た腕前で、将来を嘱望されていた。だが道場主の娘との縁談を断ったため、仕官の道も閉ざされ、挙句、殺しの濡れ衣を着せられ命を狙われていた。
デウス天理教団の海外伝道尼僧・風間登代が、サンフランシスコS街の路上で、黒人に襲われた。登代は薄れゆく意識の中で、黒い腕にかわって白く輝く球体のようなものを認めた。〈ああ……聖なるお方が、わたしの前にあらわれている……〉登代はこの事件で妊娠してしまった。「私は大司教の御子を身籠った」と口走り、今夜も私のもとにいらっしゃると言う。登代を訪れる謎の男とは何者なのか? ……という女の業を描く表題作の他に、「黄色い吸血鬼」「蟻の声」「V定期便」「赤い的」「猫パーティ」「最後の一切れ」「蜘蛛の糸」の7編を収録。
新幹線の車中で、美しい和服の女が発病した。医師と名乗る黒背広の男に治療をうけた彼女は、京都で下車した。が、その瞳はどこか虚ろだ。ルポライター・渋谷は、彼女を尾行する。それは、奇怪な体験であった。京都の有名な料亭の若夫人である彼女が、娼婦のように彼に身を任せたのだ。しかも彼女は、その悦楽の情事を一切記憶していない、という。この日から渋谷の周囲に「夢魔」にあやつられた女たちが、続々と登場する。女は鍵言葉(キー・ワード)で、やすやすとその白い肉体を開き、没我の欲望に狂うのだった……。深層催眠を利用して女体を弄ぶこの「夢魔」の正体を渋谷は追う……。
今回の舞台はシベリア奥地。警視庁の最強女王・薬師寺涼子警視は狂気の大量殺人犯を追って秘密都市へ向かった。そこで見たのは地獄のような光景と壮大な陰謀、絶滅したはずの幻の巨獣! 人智を超えた敵に、お涼さまはどう挑むのか!? 傍若無人の怪奇事件簿、第九弾。
長野県警豊科署に、北アルプスの常念岳で死体が発見さたとの一報が入った。死体には不審な刺し傷があり、転落事故死とは思えかった。身元を調べるうちに元警察官と判明し、怨恨の線で捜査がはじまったが難航を極めた。迷宮入りも視野に入れなければと内心考えたころ、元警察官と同じ殺され方をした他殺体が発見された。二人を結ぶ点と線はいったい何か――。山岳ミステリーの旗手が、人間の心理を丹念に描いた渾身のサスペンス。
ひとりぼっちの自宅で三十歳の順子が電話する相手は、年下の同僚水谷恵美だ。週に二度か三度、無言のまま切る夜の電話。エリートの恋人がいるらしい恵美のことが気になって仕方がなかった。ところが恵美が無断欠勤した日、順子は恵美のマンションを訪ね、死体となって横たわっている恵美を発見する。警察は自殺と判断しているが……。表題作「言い出しかねて」の他、「誰かが私を愛してる」「ラブ・フォー・セール」「夢見る頃を過ぎても」「あなたと夜と音楽と」「ラウンド・ミッドナイト」「身も心も」「アローン・トゥゲザー」の7編を収録したアーバン・ミステリー。
鎌倉・鶴岡八幡宮のそばにひっそりと佇む『硝子館 ヴェトロ・フェリーチェ』は、謎めいたイケオジの店長と、時折美青年に変身する黒猫のいる不思議なガラス雑貨店。女子高生の桐生更紗(きりゅう・さらさ)は「王子」と呼ばれる同級生・蒼井悠斗(あおい・ゆうと)が、そこで「家業の手伝い」をしていることを知るのだが、ここは、人の持つ唯一無二の「心の宝石」を鑑定&メンテナンスする『宝石魔法師』の一族が営む店で――?訪れる人たちが、それぞれ抱える心の傷を宝石の魔法が癒す、色鮮やかなほっこりジュエリーミステリー!誰も知らないあなたの中の嘘も秘密も涙も全部宝石の魔法が癒します。
なんで私がミスコンに!?國鉄協賛ミスコンを守るため全身改造されるハメになったのは…親方日の丸の國鉄入社三年目、鉄道公安隊一年目で二十一歳の俺、境大輔。大阪駅での爆発事故の後処理のため、飯田と五能と鉄道公安隊大阪局にいた。雑務をさせられていた俺たちは、大阪局の誰もが相手にしない爆破予告犯の相手をすることになり、さらに事件に巻き込まれていく。「なんで私がミスコンに!?」。事件解決のためとはいえミスコンに出場するはめになったのは…。バブル時代を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテインメント新シリーズ第2弾!BB01 國鉄大阪駅 出発進行BB02 どうして私が!? 場内進行BB03 五能の改造手術 閉塞注意BB04 決勝大会へ 定通BB05 五能の特技 制限解除BB06 姿の見えぬ犯人 制限解除BB07 事件は解決し…… 場内停車
民間の科学捜査鑑定所〈氏家鑑定センター〉。所長の氏家は、女子大生3人を惨殺したとされる猟奇殺人犯の弁護士から再鑑定の依頼を受ける。容疑者の男は、2人の殺害は認めるが、もう1人への犯行は否認している。相対する警視庁科捜研との火花が散る中、裁判の行く末は――驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!
燃料が底をつきた航空機のコクピット。ただ一人残されたカルト教団の生き残り。全てが最悪の方向へ転んだ僕の物語を聞いてくれ。
マフィアの息子レオと、銀行員の息子マルチェッロ。かけがえのない友情で結ばれた二人は数奇な運命によって翻弄されていく……。
男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せに倒れ、体の下の血だまりは凍りはじめていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後母親と兄と一緒にレイキャヴィクのこの界隈に越してきたのだ。母親が移民だったために人種差別からくる殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始めるが……。CWAインターナショナル・ダガー最終候補作。世界のミステリ界をリードする著者が、レイキャヴィクを舞台に現代社会の問題にメスを入れた、好評シリーズ第5弾。
神奈川県警刑事部長となった竜崎のもとに現れた、同期入庁試験トップの八島という男。福岡県警から赴任してきた彼には、黒い噂がつきまとっていた。さらに横須賀で殺人事件が発生、米海軍の犯罪捜査局から特別捜査官が派遣されることに――。次々と降りかかる外圧に、竜崎は警察官僚としての信念を貫けるのか。