【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
犯罪社会学者の火村英生は、友人の有栖川有栖と旅に出て、手違いで目的地と違う島に送られる。人気もなく、無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱なその島に隠棲する、高名な老詩人。彼の別荘に集まりくる謎めいた人々。島を覆う死の気配。不可思議な連続殺人。孤島という異界に潜む恐るべき「魔」に、火村の精緻なロジックとアクロバティックな推理が迫る。本格ミステリの醍醐味溢れる力作長編。(解説・村上貴史)
美しい人妻の静子は大江春泥からつけ狙われる。決して姿を現さない春泥。そして静子の夫がついに犠牲になる。恐れ慄く若く美しい人妻。緻密な犯行に思えたが、手がかりから推理を組み立て、やがて追い詰める。果たして淫獣を暴くことはできるのか。江戸川乱歩の代表作のひとつ「淫獣」。人嫌いの征木愛造であったが、美人女優の木下芙蓉に憧れていた。しかし芙蓉は友人の恋人であった。横恋慕した征木は芙蓉を殺してしまう。死体を愛する征木。しかしやがて遺骸はだんだん朽ちてゆく。おぞましい死体愛好者となった征木は……。「蟲」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
中学生が弱小地銀の支店に並ぶ人に聞いて「銀行が危ない」と、ひと言ツイートしただけで、取り付け騒ぎに発展する。折しも新型ウイルス感染症の蔓延で経済状況が逼迫する中、地銀発の銀行連鎖破綻を予測していた金融庁の局長は、実態調査のために部下を現地に送り込む。彼らがそこで目にしたものは――? 個人のツイートに始まる金融壊滅を描く、予言的金融サスペンス巨編!
八十四日後、満願の日。箸(おはしさま)が願いを叶えてくれる。祝いだろうが、呪いだろうが――。夢の中でひとりずつ死んでゆく小学生。珊瑚の箸に宿る霊神。都市伝説に殺された動画配信者。壮絶な過去を告白する娼婦。決して離れない異形の怪物。恐怖小説の匠・三津田信三が描いた怪異が、海を超え、伝染し、やがて驚愕の真相に辿り着く。日本・香港・台湾の人気ホラー&ミステリー作家が競演!
饒舌に過去語りをするが、本当かどうか判然としない勝海舟。旅順特務機関の作戦における不在証明を偽装した満鉄の測量技師。戦時中、呉で「張込み」と「舞姫」が混ざったような案件にかかわった防諜専門員。明智光秀謀反の夜の、最後の食事。そして、武田残党の若者たちが請け負った、ご神木の大輸送計画――。史実がどうであろうとも。幻視の作家・山田正紀が歴史をモチーフに自在に物語る、浪漫溢れる奇想史劇作品集、開幕!
ふたりの探偵の目前にいて、しかも彼らの目に留まらなかった姿なき殺人者とは? 首輪に「われこそは殺されし男の犬なり」というメモが挟まれていた、毛むくじゃらの犬の秘密とは? 身代金誘拐事件に巻き込まれた保険外交員の運命は? 札束をたっぷり蓄えた老人の家に猛犬がいるのを知った悪党の計画とは? 奇抜な発想と意外な結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明すべく奮闘する刑事を描いた名作中編「踊るサンドイッチ」を収録。『真っ白な嘘』に続く短編ミステリの魅力あふれる傑作集。『復讐の女神』改題新訳版。/【収録作】毛むくじゃらの犬/生命保険と火災保険/ティーカップ騒動/よい勲爵士(グッド・ナイト)によい夜(グッド・ナイト)を/猛犬に注意/さまよえる少年/姿なき殺人者/サタン一・五世/象と道化師/不吉なことは何も/踊るサンドイッチ/解説=村上貴史
わたし、海砂真史(うみすなまふみ)には、ちょっと変わった幼馴染みがいる。幼稚園の頃から妙に大人びていて頭の切れる子供だった彼とは、別々の小学校に入って以来、長いこと会っていなかった。変わった子だと思っていたけど、中学生になってからは、どういう理由からか学校にもあまり行っていないらしい。しかし、ある日わたしの許に届いた差出人不明のラブレターをめぐって、わたしと彼――鳥飼歩(とりかいあゆむ)は、九年ぶりに再会を果たす。日々のなかで出会うささやかな謎を通して、少年少女たちが新たな扉を開く瞬間を切り取った、4つの物語。第28回鮎川哲也賞受賞作。
友安小輪(ともやすさわ)は、怯えていた。彼女と恋人の住むアパートに、ある日突然謎の老人が現われ執拗ないやがらせを始めたのだ。弱々しい老人相手にもかかわらずなぜか恋人は萎縮し、警察に被害を訴えてもまともに取り合ってもらえない。一方、都内の若夫婦が老爺に襲われ、夫が死亡し妻は襲撃者に略取され行方不明となる事件が起きる。幼い頃、姉を殺害されたことがきっかけで刑事となった佐坂湘(ささかしょう)は、くせ者ながら優秀さで知られる警視庁捜査一課の北野谷輝巳(きたのやてるみ)と組んで、消えた女性の行方を追うが……。『死刑にいたる病』『虜囚の犬』の俊英がストーカー犯罪を題材に描く衝撃作!
ホームズとワトスンの活躍を描く、ミステリの古典にして不朽の名作。マザリンの宝石/ソア橋の事件/三人のガリデブ/三破風館など全12編――ホームズとワトスンの熱い友情が描かれる傑作冒険譚!
他人の背中に「幸福度」が見える。本の背をなぞって中身をすべて記憶する。毎朝5つ、今日聞くセリフを予知する。念じることで触れたものを壊す。奇妙な能力を持つ4人の高校生が、ある少女の死の謎を追う。
警視庁の椎名つばきは、捜査の失敗から広報課に出向とな った。合コンが大好きな後輩・彩川りおと交通安全講習業務に従事していたところ、携帯通信基地局ア ンテナを盗もうとする男たちを捕らえるが──。
カウンセラーの千尋は、自殺志願者の奈央から自殺サイトの存在を知らされる。その管理人は、8年前に知り合った「ヒロアキ」ではないかと疑いを抱く。過去を辿っていくうちに明らかになる真相とは!?
老老詐欺グループを仕切っていた光代は、メンバーに金を持ち逃げされたうえ、『黙っていてほしければ、一千万円を用意しろ』と書かれた脅迫状を受け取る。要求額を用立てるために危険な橋を渡った帰り道、へらへらした警察官に声をかけられ――。第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作「偽りの春」をはじめ、’落としの狩野’と呼ばれた元刑事の狩野雷太が5人の容疑者と対峙する、心を揺さぶるミステリ短編集。
ショッキングな幕切れで知られる竹本健治の「恐怖」を筆頭に、ノスタルジックな毒を味わえる宇佐美まことの図書館奇譚「夏休みのケイカク」、現代人の罪と罰を描いた恒川光太郎の琉球ホラー「ニョラ穴」、誰からも省みられないホームレス男性の最期を描いた平山夢明の衝撃作「或るはぐれ者の死」など、現役の人気エンタメ作家による力強い作品と、小松左京のアクロバティックな発想が光る怪奇小説「骨」、土俗的恐怖とフェミニズム的視点を融合させた直木賞作家・坂東眞砂子の「正月女」、耽美的なゴシックミステリーで没後も熱烈なファンをもつ服部まゆみの和風人形怪談「雛」、昨年11月惜しくも急逝した小林泰三氏渾身の一作「人獣細工」などレジェンド級の名品が、ホラー小説の豊かさをあらためて提示する。心霊・怪談系の作品が多かった『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』に対し、『恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション』にはSFや犯罪小説、ダークファンタジーなどの発想を用いた作品も収録。この二冊合わせ読むことで、日本のホラー小説の神髄を味わうことができる。
本格ミステリ大賞受賞の鬼才が乱歩に挑む!「屋根裏の同居者」「赤過ぎる部屋」「G坂の殺人事件」など乱歩トリビュート5編に加え「骸骨坊主の話」「影が来る」を収録。刺激的かつ挑戦的な珠玉のミステリ!
警視庁桜町中央署刑事課のエース刑事・蓮見光輔は、本庁の組織犯罪対策第四課から異動してきた架川英児とコンビを組むことに。風貌も言動もまるでヤクザの架川に桜町中央署のメンバーが困惑する中、所轄内で幼稚園児の息子を持つ主婦が殺害される事件が発生。ママ友のグループの聞き込みを開始する。架川は「あの佐々木ってのが組長で、江藤が若頭で……」とグループを分析、「抗争状態にある」別のママ友グループの存在を探り当てる。結果を出してマル暴に返り咲きたい架川の型破りな捜査手法に振り回される光輔だったが、協力して事件解決にあたるうちに少しずつ打ち解けていく。しかしそんな中、架川は、知人である兵庫県警の刑事の情報で光輔が他人になりすましているという重大な秘密を知り、「ばらされたくなければ、今後も俺がマル暴に復帰するための点数稼ぎに協力しろ」と光輔に迫る。仕方なくこれを受け入れた光輔だったが、胸中では「あんたが俺を利用するなら、俺もあんたのマル暴人脈と経験を利用してやる」と決意。こうして、一つの秘密と二つの野望を抱えた凸凹刑事バディの捜査が始まった。
慧修学院高校襲撃事件後、日本で緊急事態庁が発足。喫緊の問題を次々と解決に導いたことで、内閣支持率は急激に回復していた。国内が落ち着いたかに見える中、結衣の異母妹である凜香は「探偵の探偵」の紗崎玲奈の行方を追っていた。やがて結衣が帰国を果たし、緊急事態庁を裏で操っていた優莉架祷斗が本性を露わにしていく――。互いの思惑が交錯する中、本土最終決戦に向けて賽は投げられた。ついに大詰めの11巻!
当代の人気を二分する女流作家がいずれもブルーの店の客。リットは二人をめぐる事件に巻き込まれる。ユナリア国のみならず東歐州でも知られている文豪の娘で現代文学界の若きホープ、ヘザーダリア・ブラント。彼女と人気を二分するベストセラー作家でブルーの店の常連であるバーダロン・フォレスター。ブラントがフォレスターに会いたくてこの喫茶店に通い始めて6日目の朝、事件は突然やってきた。
まばたきの会話で女医は真相をつかめるのか。『江花病院』に長期入院している閉じ込め症候群(ロックドインシンドローム)の女性患者・岸部愛華が深夜に体調を崩した。当直中の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華は妊娠していることが判明する。寝たきりの愛華は誰に妊娠させられたのか? 病院は騒然となり、政治家である愛華の父は激怒するが、前代未聞の事件はマスコミに報道されて世間の知るところとなる。真理亜は真相を探るべく、話すことができない愛華のまばたきを通して彼女の’声’を聞くが――社会派ミステリーの旗手が人間の尊厳と命の倫理に迫る、新たなる傑作。
新進気鋭の弁護士・百谷泉一郎は、川瀬産業社長・川瀬雄三から、「奇妙な死の予感」のため、「死後をよろしく」と依頼されて、顧問弁護士となった。それから3日後、その予感は的中し、川瀬は、3番目の妻・綾子のベッドで、ナゾの毒死をする。当然、綾子は容疑者として法廷に立つが、不利な状況にもかからわず、常に冷やかな「魔女の如き微笑」を浮べていた。しかし、百谷の調査が進むにつれて、川瀬をめぐる複雑な女性関係、近親相姦などが暴露され、事件は意外な方向に進展して来た。綾子の魔女の如き微笑は、何を意味するのか? 百谷泉一郎の明解な推理は……。
小学校時代の親友・美都から久し振りに連絡があった。「あれ、まだあるかな……」電話口で、美都はさぐるように言う。律子と美都の間で名前を言わずに「あれ」と言ったら、ふたりで埋めた「あれ」しかない。当時の担任だった雨宮先生から「袋のまま、どこかにうめて」と頼まれた「あれ」。スーパーの袋に入っていて、ブヨブヨと柔らかくて、ところどころ血がついたように赤く染まっていて……。小学校の倉庫裏に埋めた「あれ」の正体はなんだったのか。律子と美都は、二十年以上前の出来事に決着をつけるべく、母校に向かった。(「第三話 解明クラブ 前編」) 子供連れならではの潜入調査とキラリと光る推理力。ベビーカーを押しながらの異色探偵・律子の活躍を描いたライトミステリ。電子オリジナルの連作短篇集。・第一話 盗まれた絵・第二話 クッキー缶・第三話 解明クラブ(前編)・第四話 解明クラブ(後編)・第五話 ダンスに願いを●松村比呂美(まつむら・ひろみ)1956年福岡県生まれ。オール讀物推理小説新人賞最終候補作2作を含む『女たちの殺意』(新風舎)でデビュー。著書に『黒いシャッフル』『鈍色の家』(光文社文庫)『キリコはお金持ちになりたいの』(幻冬舎文庫)、『終わらせ人』『恨み忘れじ』(角川ホラー文庫)などがある。
警察庁の宮之原警部は、島根、鳥取の二つの県をまたぐ捜査相互乗り入れ実験のアドバイザーとして松江に滞在していた。そこで海岸の洞窟に打ち上げられた刺殺死体が見つかった事件に巻き込まれてしまう。行方不明になった義兄の安否を気遣う女性と知り合ったこともあった。身元はほどなく判明したが、立て続けにその関係者が横浜、東京と殺害され、広域事件の様相を見せ始める。その人間関係を捜査するうちに22年前の高校生刺殺事件と容疑をかけれた同級生の存在が浮かび上がる。長編旅情ミステリー。
第二次大戦後、激動の時代に消えた殺人者’ザ・ハントレス’の正体とは――「戦場のアリス」(「本の雑誌が選ぶ2019年度文庫ベストテン」第1位/本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2020』)著者が放つ全米ベストセラー!第二次大戦のさなか、ドイツ占領下のポーランドに’ザ・ハントレス’と呼ばれた殺人者がいた。森で人を狩り、子供や兵士を殺した冷酷な親衛隊将校の愛人。その女に弟の命を奪われた元従軍記者の英国人イアンはナチハンターとして行方を捜し、1950年春、手がかりを追って大西洋を渡る――。一方、米国ボストンでは、17歳の娘ジョーダンが父親の再婚相手に不審を抱き……。壮大な歴史ミステリー
事件の捜査を進める中、ヴィクはリノの妹とともに謎の男たちに襲われてしまう。傷を負った彼女はボロボロになりながらも自身の追う殺人事件と失踪事件が互いに関係している可能性に思い至る。そしてそれらを結びつける鍵を握っているのは、彼女の元夫ディックだった!彼の周辺を調査していくうちに華やかなシカゴの街の裏に潜む巨悪の姿が見え始め……。複雑な事件に立ち向かうヴィクの雄姿を描くパレツキーの会心作!
人の死を観測した瞬間、その人の存在自体も抹消してしまう――自らの能力に絶望する佐生。彼女は同級生の東江に最後の告白を……
人の死期がわかる少女・志緒と、人が死ぬミステリが許せない少年・佐藤。死線にが浮かんだ、今は歌えなくなった歌手・奏音を救う
幼い娘の育児と仕事の両立に限界を覚えた由紀恵にとって、今日が勤務の最終日。夜勤の間は、夫の雅之が自宅で娘を見ている。だが、ラインのメッセージに返事はない。電話をかけても繋がらない。由紀恵は自分に執着していた不気味な患者の存在を思いだし、胸騒ぎを覚える。家族の絶望と狂気、そして再生を描いた戦慄のサスペンス。
母親をアルコール依存症の男に殺された過去を持つ史哉は、がんで余命半年の宣告を受け、失意のどん底にあった。そんなとき、街で偶然服役後の加害者を見つけてしまい、復讐を誓う。だが、兄の臣吾はボクシングの世界戦を目前に控えていた。兄に迷惑をかけず、死ぬ前に復讐を果たす――それは完全犯罪しかない。命の重さ、復讐の是非を問う慟哭の社会派ミステリー。
「誰かに命を狙われている」という有名作家の調査依頼から、夏の避暑地に招待された別荘で起きる殺人事件まで……。一気読み必至&裏切りたっぷりな意外な結末が待ち受ける傑作短編集! 麻耶ワールド全開の問題作!!
アイドルグループ・F5の森川さくらちゃんから出演オファー!? 雄太と大樹は、宮崎と鹿児島を列車で旅するテレビ番組に出演することに。F5のメンバー・みずほも加わって緊張の中、ロケはスタート。まずは宮崎を走る観光列車『海幸山幸』に乗りこむ。雄太たちはいつもどおりの鉄旅をしていたが、ディレクターからのウケもよく、撮影は順調。翌日も鹿児島で『指宿のたまて箱』に乗った一行だったが、浦島太郎の昔話から「九州に眠る財宝」の話が飛び出して、雄太たちは宝が眠るという日本最南端の駅を目指すことに……果たして宝は見つかるのか!?