【ミステリー・サスペンス】タグのライトノベル・小説
函館近郊で、ある家の主婦が殺された。捜査に来た舟見は、ジャン・ピエール青年と再会する。少し前に、近くで白骨死体が出ており、フランス人関係者の通訳として白羽の矢が立ったらしい。彼の推理力を再び頼りにできるのではないかという期待が胸をよぎる。しかし、犯人に繋がる糸口が見てこない。そして起こったもう一つの殺人。第一の殺人と同じ、額に十字の傷があるという――。
学校法人荻山学園に対する大阪・岸和田の国有地払い下げに関し、近畿財務局職員の収賄疑惑が持ち上がり、大阪地検特捜部が捜査を開始。ところがその特捜部内の担当検事による決裁文書改竄疑惑が浮上。最高検から調査チームが派遣され、大阪地検一級検事の不破俊太郎は惣領美晴事務官と調査に乗り出し、信じがたいものを発見する……。「能面検事」再び! 現実の事件を彷彿させる物語に、能面検事・不破の鋭いメスが冴えわたる!
若手書評家として精力的に活動を繰り広げる若林踏。主催するトークライブでは、新世代作家たちに真正面から問いをぶつけていく。熱中した物語、創作論作法、問題意識……。和やかなトークは、時に熱を帯びながら、深まっていく。そして、語らいの先に浮かび上がったものとは!? 各人各様に進化するミステリの最前線。読書をより深く楽しむための一冊。
深山の奥深くに、新興宗教『こころの宇宙』の総本山、心在院はある。さらに山をのぼったところにある瞑想室が掌室堂だ。ここには、百年前、瞑想中の修験者が施錠された堂から消え、山中で発見されたという逸話が残る。弱体化しつつある『こころの宇宙』の、数少ない拠り所だ。しかし、新たな密室殺人が起こっても、神はここにおわすのだろうか……? 神に挑んだ探偵は、真相にたどり着けるのか。鮮烈なる本格推理デビュー作。
悪しき者に汚染され、天国との紐帯を断ち切られてしまった地球、ヒトの世界。取り戻すための神聖にして苛烈な旅に、8人の使徒団が乗り組む。ひとつの意思のもと、ひとつの行動原理を持つ彼らに、まさか不測の事態が起こるはずもなかった――。裏切り者、密航者、敵の侵入と占拠、そして仲間の死。笹舟のごとく揺れる巨大戦艦とともに、僕らは何処から来て何処へゆくのか。正統にして極北の、古野まほろにしか書けない本格推理。
「学生運動を支援してやって欲しい。革命は起こらないが、政権が動揺するくらいに」。元革命派の伝説的闘士・天野春男は、今は転向していて、学生運動に共感は持っていない。それでも、戦前から政治の裏で暗躍するフィクサー・玉城寿三郎には怨みがある――。同盟条約批准の是非に世論が揺れる中、学生たちは、権力者は、そして天野はどう動いたのか。この国はどうやって今に至ったのか。圧巻のポリティカル・エンタテインメント!
累計40万部突破、大人気「猫弁」シリーズ!冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。婚約者である大福亜子との間にとうとう進展が……!?今日も変わらず奇妙な事件を引き寄せる百瀬。迷子のサモエドを追いかけて依頼人からの預かりもの(カメレオン)を喫茶店に忘れ(出入り禁止となる)、サモエドを一時的に預かることになった老婦人の庭からは埋蔵金が……!今回の物語で、もうひとりの主人公とも言えるのが、二世議員の宇野勝子――通称「鉄の女」。東京の花粉一掃を公約に、もえぎ村の杉林伐採を掲げるが、その行方は……。宇野勝子、その対抗馬の桃川いずみ、サモエドを預かることになった小高トモエ、そしていよいよ出産する春美、百瀬顔負けの真っすぐさで仕事に取り組む亜子……彼女たちからは「人生いろいろ」という当たり前のことを教えられ、ぽかぽかとした勇気をもらえます。今まで「猫弁」を読んだことがない人でも大丈夫!今作からでもお楽しみいただける、そんな優しくあたたかい作品です。
若い編集者椎原典子は、女流作家村谷阿沙子の原稿催促に出向いた箱根で、顔見知りのフリーライターの変死にぶつかる。死者と村上女史に謎の繋がりを感じた典子と同僚崎野は、やがて女史には代作者がいたという確信を持つ。女史の夫と女中の相次ぐ失踪、女史の精神病院への逃避、そして第二の殺人と、事件は意外な方向へ発展する……。心理の微妙な起伏と情景の描写が光る推理長編。
大学卒業から四年。就職難で仕方なく入った会社の仕事に男は気が乗らない。だが、古本屋でふと手にした雑誌をきっかけに、政財界の裏で活動する柿坂経済研究所に入るや、持ち前の好奇心を発揮し始めた。しかし、独自に探っていた謎に、国会でも注目の特殊潜水艦の建造計画が絡んで、殺人事件まで相次ぎ……。国防問題と巨大軍需産業の闇を背景に描かれた白熱の社会派ミステリー。
西暦二○○五年、現代のペスト、エイズは猖獗を極め、患者は一億五千万人にも及ぼうとしていた。一方で世界情勢は激しく揺らぎ、改革に失敗したソ連に独裁政権が誕生、ヨーロッパは連邦を形成しつつある。エイズの急激な蔓延を訝しむ山上と彼の周囲に出没する謎の男・福光。背後で蠢くのは何者か? 新型エイズ・ウイルスをばらまいたのは誰か? 近未来を舞台に描く長編サスペンス。
幼子の名はミハル。産廃処理場に放置された冷蔵庫から発見された、物言わぬ美少女。彼女が寺に身を寄せるようになってから、集落には凶事が発生し、邪気に蝕まれていく。猫の死。そして愛する母の死。冥界に旅立つ者を引き止めるため、ミハルは祈る。「アミダサマ!」――。その夜、愛し愛された者が少女に導かれ、交錯する。恐怖と感動が一度に押し寄せる、ホラーサスペンスの傑作。
殺人罪に服した七年間に、俺は我知らず修羅を飼っていたらしい。出所直後から週刊誌の取材攻勢に曝され、気づけば一転、有名人に祭りあげられた男。その空騒ぎのただ中で、彼は七年の彼方からシグナルを受け取った。計画を始動する時が来たのだ。被害者側と加害者側をたやすく逆転させて楽しむ世間を消去する必要があった。
テレビの視聴率によって、局は一喜一憂し、番組制作者は才能を問われ、人事まで左右される。だが、存在さえもはっきりしない調査メーターの集計は信用に価するものなのか? 一通の投書に端を発し、その実体を掴むため、視聴率調査会社の執拗な監視を開始した二人の男と一人の女。やがて、明らかにされる意外な事実とは……。テレビ界を操る視聴率の怪に、独特の洞察力で挑む長編。
飛行機の中から富士山を写したばかりに、思いもかけぬ事件に巻込まれたカメラマンの田代は、撮影旅行先の木崎湖や青木湖で不気味な水音を聞き、不審な波紋を目撃する。行く先々に現れる小太りの男と謎の木箱を追う田代の周辺で、次々に起る殺人事件は、保守党の有力幹部失踪事件と関連を持ち始め、偶然と必然の織りなす経過のうちに、醜悪で巨大なその全貌を現わし始める……。
殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。彼女は高名な弁護士大塚欽三に調査を懇願するが、すげなく断わられる。兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚弁護士に対する執拗な復讐が始まる……。それぞれに影の部分を持ち、孤絶化した状況に生きる現代人にとって、法と裁判制度は何か?を問い、その限界を鋭く指摘した野心作である。
高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。
救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、’神の名’のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁――。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。
結婚して二年たらずで自殺した美しい姉。歳月がながれ高校生の母親となった妹が、思春期の息子の手に負えない行状から、姉の死の真相にたどりつく「歯止め」。小さな港町の家々に投げ込まれた奇怪なチラシ。二十年前に母親が義父に殺されたと告発する男が巻き起こす騒動の驚くべき顛末「犯罪広告」。’古拙の笑い(アーケイック・スマイル)’を浮かべた若い女の硬直した死体の謎「微笑の儀式」。傑作中編小説三編。
私の殺人犯罪の原因は、川倉甚太郎との金銭貸借ということになっている。――金銭のもつれから友人を殺害した男が刑の確定後に、秘められた動機を語る表題作。女性が失踪し、カメラだけが北海道でみつかった。死体は発見されず、容疑者の新進画家には堅牢なアリバイがある。巧みなトリックを生かした「すずらん」など、多彩な魅力溢れる全10編を収録した傑作短編集。
「我々は、ウインドシア六本木をビルジャックした!」。ビル会社社長を人質にとり、最上階に立てこもる犯人。地上で手をこまねく警察を前に、17階のオフィスにいた船津康介はある奇策を思いつくが……。最先端技術を極めた都市の要塞と、どんな時代も変わらぬ人々の「思い」が交差する、どんでん返し満載の城攻めサスペンス。
ヒト型ロボットが実用化された社会。ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。未来へ問いかける科学ミステリ。
本庁の捜査は「24」を超えた! パスモ、Nシステム、監視カメラに偵察衛星。臨場した捜査官が発した至急報は、誘拐犯を追尾する、視えない静かな大捜査網の開幕を告げた――。華麗な一族の蹉跌、大企業が墜ちた奈落、腐臭を放つTVキー局幹部。驚愕のリアリティが疾走する、次世代警察小説の誕生!
五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。ところが、いよいよ他県へ転任が決ると、別れを悲しんで留任を求める声が市民たちからわき起った……。罪を憎んで人を憎まずを信条とする’寝ぼけ署長’こと五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、痛快奇抜で人情味あふれる方法でつぎつぎと解決する。山本周五郎唯一の探偵小説である。
ホテルに偽名で宿泊中の代議士が殺された。被害者に人知れぬ男色趣味があったらしいと偶然知った広告代理店の社員土井は、友人の週刊誌記者と代議士の足どりを追う。やがて二人は、代議士が日常的関連から断絶したいわば分離の時間の中で、癒着した政財界の裏面、倒錯した性の世界に踏み込んでいたことをつきとめる。そして事件の真相は意外にも……。他に『速力の告発』を併録。
車の座席で戯れる二人づれに憎しみの執念をもやす若い運転手。愛人に裏切られた初老の男のひそやかな怒り――二人の男の接点に生じた殺人事件を追う表題作。立身出世のために愛する女性を殺すが、女は奇蹟的に息を吹き返し、記憶を失ったまま男の前に姿を現わす……非情なエリート官僚を描く『たづたづし』等全5編。日常生活に潜む怖ろしい生の断層、現代の憎悪を抉る推理傑作集。
東京郊外で発見された、男の腐爛死体。その身元を追及しようとする二人の新聞記者は、次第に、あまりにも意外な事件の核心にふれてゆくこととなった。酒と女の供応に明け暮れしている、そんな悪徳税務署員の私行が招き寄せた、三つの殺人事件を通して、脱税に、収賄にと、腐敗しきった税務署の、驚くべき内情が描かれる。――現代の黒い霧に挑む著者の、代表的な社会派推理小説!
鶴岡市で発見された身元不明の白骨死体。即身仏が眠る街と天橋立がある街を繋ぐ、因縁の糸。母と娘、現在と過去、優しい嘘と許されざる真実――。封印されていた秘密が、「アマテラスの子」神代静香と浅見光彦を「黄泉の国」へと誘う! 「もうひとりの光彦」によって、光彦をはじめとする「浅見家」の名前の由来も明らかに!
四国の県警捜査一課長香春(かわら)銀作は、文芸雑誌の同人誌評に引用された小説の一場面に目をとめた。九州在住の下坂一夫が書いたというその描写は、香春が担当している’未亡人強盗強姦殺人事件’の被害者宅付近の様子と酷似しすぎていたのだ。再捜査により、九州の旅館女中の失踪事件と結びついたとき、予期せぬ真相が浮び上がる――中央文壇志向の青年の盗作した小説が鍵となる推理長編。
●新連載:柴田哲孝、早坂吝 ●快調連作・連載陣:芦辺拓、我孫子武丸、五十嵐貴久、石持浅海、大山誠一郎、折原一、恩田 陸、西條奈加、朱川湊人、長浦京、中山七里、東川篤哉、深町秋生、藤野恵美、矢樹純、イクタケマコト ●スペシャル・ゲスト:青柳碧人、岩井圭也 ●企画:「2010年代海外本格ミステリ ベスト作品選考座談会」 ●2号連続企画:ミスFLASH2021×円堂都司昭「ミステリー映画への誘い『犬神家の一族』」
吉田須美子は、友人である生花店の小松原育代から、不思議な花の買い方をする紳士がいると聞いた。この紳士、同じ市民講座を受講した顔見知りで、育代には少し気になる存在のよう。花の種類も本数もばらばらなのは、何かの暗号だと気づいた須美子は……。(「花を買う男」) ご存知、あの浅見家の須美ちゃんが、名探偵「光彦坊っちゃま」もびっくりの大活躍!