心は拒絶するも己の体は愉悦に反応してしまう――サイラの無垢な体は、娼館での調教を受けて淫らに変わっていく。そんな絶望と自己嫌悪の中、ライゼルとやっと再会できたサイラは王都ティサへと向かうことになる。山での暮らしとはかけ離れた豪華な生活に戸惑う一方、自分に対するライゼルの態度が冷たくなっていくことに不安を覚えるサイラだが、ライゼルは《半月》のサイラの体を毎夜貪ってくる。そんなライゼルの愛撫に溺れ、快楽に乱れてしまう自分を思い悩むサイラは、失われた日々を懐かしみ、郷愁に駆られる。そんな中、自分と同じ《半月》だというクセルと出会い……。悲しみの歴史と陰謀が絡むドラマチック官能ファンタジー、完結編!