真田幸村主従を待ち受けていたのは、王子・臨海君(イムヘグン)率いる高麗忍者の想像を絶する妖術戦だった。霧隠才蔵、筧十蔵が倒され、さらに根津甚八にも危機が……。明(みん)からの独立を勝ち取るため、欽明帝の隠し財産を求める臨海君。彼を利用しようとする服部半蔵。そして豊臣家再興を策すため、財宝を希求する幸村、猿飛佐助らが、剣と頭脳と忍術の限りを尽くす。 空前の構想と圧倒的筆力の時代伝奇巨編、堂々の完結! 「電子版あとがき」を追加収録。●荒山徹(あらやま・とおる)1961年富山県生まれ。上智大学卒。新聞社、出版社勤務を経て、朝鮮半島の歴史・文化を学ぶため韓国留学。延世大学校延世語学院韓国語学堂卒業。1999年『高麗秘帖』で小説家デビュー。『魔岩伝説』『十兵衛両断』『柳生薔薇剣』で三度、吉川英治文学賞新人賞候補となり、2008年『柳生大戦争』で第2回舟橋聖一文学賞を、2017年『白村江』で第6回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。日韓交流史を主題とする時代伝奇小説を発表して注目を集めた。他の作品に『竹島御免状』『長州シックス 夢をかなえた白熊』『シャクチ』『キャプテン・コリア』など多数。