秋田、西馬音内には700年に渡って続いている北の盆踊りがある。この盆踊りを舞台に今から300年程も昔から語り継がれてきた、一つの悲恋物語があった。西馬音内小町と謳われた油屋の一人娘小鈴と名主の本郷家の3男、作十の悲恋物語である。羽州屋万吉佐衛門と油屋の番頭喜助によって謀られ、油屋の当主の父平衛門は自殺してしまい、小鈴は羽州屋に拉致されてしまう。婚約者の作十は、油屋を再興して小鈴を探すが、探し当てた時には、小鈴はすっかり身を持ち崩し、丸太女郎の異名を持つ女郎に成り下がっていた。ようやく再会した作十と小鈴は、盆踊りの夜、足抜けを決行したが、追手に追いつかれ、作十(作平衛門)は壮絶な戦いの後に殺され、小鈴は作十の後を追って崖から身を投じたのだった。