徳川方は失地回復のため、南光坊天海、本多正信、三浦按針という徳川幕府創業の老功臣三人を再投入した。二代目将軍秀忠にとって、家康の色濃い三人は煩い存在であったが、幕府最大の危機に際しては好き嫌いは言っていられない。英断をもって、新豊臣政権の本拠となった東日本に対する策戦の全権を委ねたのである。そして、自らは京に入り、朝廷を押さえ、後水尾天皇を復帰させ、年号も元和に改めてしまった。徳川政権が、今なお天下に君臨することを示すデモンストレーションである。その上で東海道からは本多正信が、甲州道からは家康十一男頼房が総大将となって江戸を攻める。【目次】前巻までのあらすじ主な登場人物第五章 小田原攻め第六章 鬼神・福島正則第七章 秀頼暗殺計画第八章 家康復活【著者プロフィール】竹中亮(たけなか・りょう)1961年10月9日、東京に生まれる。早稲田大学第一文学部卒業後、大手旅行代理店に入社。旅行の企画、広告編集、海外(カナダ)勤務を経て、執筆活動に入る。卒業課題は「日本の帝王学」、日本市場の覇者の後継者に対する帝王学教育を研究する。「真田大戦記」で第5回歴史群像大賞奨励賞を受賞。