英雄とは、天に臆せず胸を張って生きる者。彼らの義は、天に通じるのか――。唐・玄宗皇帝の時代。皇帝は政治を疎かにし、宮廷では佞臣が暗躍していた。身体を欠損し失意のうちに従軍した崔子龍は、権勢を振るう宦官・辺令誠の非道に憤り、天童と謳われた真智は、義父の遺志を継いで皇帝を糺そうとしていた。そこへ、安禄山挙兵の報が届く。彼らの闘いは、この国をどこへ導くのか――。大注目の清張賞作家が描く、胸を熱くする圧巻の中国歴史長編。 2020年に『震雷の人』で松本清張賞を受賞した千葉ともこさん。待望の第2作『戴天』が刊行されます。 舞台は唐の玄宗皇帝の時代。中国歴史ものというと三国志以外はなじみがない……と思いがちかもしれませんが、かの傾国の美女・楊貴妃によって戦乱が引き起こされたこの時代にも、心振るえるドラマがあります。 絶対的権力者に抗おうとする若者と、理不尽な世を変えようとする若僧、そこに立ちはだかるのは権力の中枢に君臨する宦官。男たちの魂の闘いは国をどこへ導き、彼らの大義は天に通じるのか――。胸が熱くなること、保証します。 そしてもうひとつ注目すべきは、カバーです。装画を担当したのは山田章博さん。漫画家・イラストレーターとして国内外で高い人気を誇り、『十二国記』シリーズでも広く知られています。山田画伯のファンだったという千葉さんは、「まさか新人の作品を引き受けてくださるとは。作家人生一生分の幸せを頂きました」 と感激しています。 熱い物語と、その世界観を表現した素晴らしい装画。「本」の魅力を存分に味わってください。