ひとはひとりでは生きていけませぬ――。秘太刀「磯之波」は人の濁った心を一刀両断する! 愛する者の望みを叶えるため剣を抜いた男の運命は!? りり、りり、りり。草雲雀は一晩中、恋の歌を唄う――媛野藩の若き藩士、栗屋清吾は風采の上がらぬ三男坊だが、剣はめっぽう腕が立つ。女中のみつと深い仲になり妻とするが、家長の長兄には認められていない。そんなとき、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。伊八郎は実父の後を継ぎ、藩の筆頭家老になるには清吾の剣の技が必要だという。「子どもを持ちたい」というみつの願いに応えるために申し出を引き受けたものの、伊八郎の出世を阻もうとする敵からの刺客が次々と襲い掛かり……。デビュー10年。練達の著者が放つ時代エンターテインメント!! 最高の感動がここに!