現在の「坂本龍馬」像を決定づけた幻の長篇小説 第8巻薩長同盟の締結に奔走してこれを成就、海援隊を結成しその隊長として貿易に従事、船中八策を起草して海軍の拡張を提言……。明治維新の立役者にして民主主義の先駆者、現在の坂本龍馬像を決定づけた幻の長篇小説が復刻!▼目次 第8巻・龍馬大里の攻略戦に加わる・「戦争」に対する龍馬の幻滅・後藤象二郎との初対面・伊呂波丸と明光丸との衝突・航海日記を押収す・伊呂波丸の最後・航海法活用の元祖・坂本対高柳の争点・宣伝戦の成功・時局急轉して革命迫る・後藤の四苦八苦、龍馬の贋金策・岩崎弥太郎に七万両を供託す・明治維新と龍馬の八策・権謀縦横の後藤象二郎・新生日本の大綱成る・中岡、板垣退助を起たしむ・板垣、西郷の面前に死を以て誓う・後藤の権略挙兵の機を緩む・一杯喰った西郷及び大久保・藪から棒の英国水夫殺害事件・男を上げた佐々木三四郎・後藤の胆力パークスを懼れしむ・贋金鋳造と新式銃器の購入・二条城の大広間と醤油屋の二階・破壊の魔手か建設の天才か・暴力団の兇刃に斃る▼著者紹介白柳秀湖(しらやなぎ・しゅうこ)1884?1950。静岡県生まれ。中学生の時、島崎藤村の『若菜集』に触れて文学に目覚めると同時に、足尾鉱毒事件によって社会問題にも関心を持つようになる。早稲田大学在学中は、幸徳秋水、堺利彦ら平民社の社会主義運動に共鳴。1905年には、中里介山らとプロレタリア雑誌「火鞭」を創刊する。その頃から論集『鉄火石火』、創作集『黄昏』などを発表して気鋭の作家、評論家として注目を集める。また市井の歴史研究家としても活躍し、幕末以降の日本の歴史を政治、経済、文化の側面からとらえる『財界太平記』、『西園寺公望伝』、『坂本龍馬』などの作品を残している。