六千三百石の大身旗本・藤岡家の剣術指南役、五味源十郎──。年は四十二、樽のように逞しい巨漢で、無骨な凄腕剣豪であった。そんな源十郎が、同家の腰元を手籠にした咎で出奔することに……。が、これはあくまで世間を欺く絡繰り。多額な借金を背負い、お取り潰し寸前の藤岡家には、実は一万両という隠し金があるといわれ、その在り処を探索するため、白羽の矢が立った源十郎が浪人となったのだ。しかしその秘密は、十八娘の背中に’白粉彫り’で記され、女悦の極みで浮かび上がるという。剣は一流なれど、堅物で閨事には疎い源十郎が、果たして三人の美女に近づくことはできるのか──!?新たに書下ろし番外篇「裸女の剣法」を収録した傑作が甦る!!