生きていてほしかった。死者が残した未練や無念生者が抱えた哀惜や苦悩を描く。とむらいの物語、第二弾!第一章 泣く女材木商木島屋の若旦那が亡くなった。葬儀のとき、颯太は昔馴染みの女に声をかけられる。お艶が来たということは、賑やかな葬式になる――。 第二章 穢れ見ず知らずの男の弔いをお願いしに来たおきよ。今朝「お前さんの父親だ」と亡骸を置いていかれたばかりだという。 第三章 冷たい手あたしが眠っている傍で、母親が自ら命を絶った。割り切れぬ想いを抱えながらお吉は生きるために身体を売る。 第四章 お節介長屋終の住処として越した長屋は、五十もの世帯がありうるさい。ひとり静かに死にたい福助の事情とは? 第五章 たぶらかしある処から亡骸を引き取りすぐに荼毘に付してほしいと言われる。奇妙な依頼に違和感を覚えながらも颯太は引き受けるが――。 第六章 漣の行方母を死なせた侍をついに見つけた。浮足立つおちえを颯太はたしなめる。二人の前に当の侍が現れ――。<とむらい屋で働く人々と仲間たち>颯太:新鳥越町二丁目の弔いを扱う葬儀屋の店主。十一歳で葬儀屋になると決意するおちえ:母を颯太に弔ってもらって以降 居座るおせっかい勝蔵:早桶職人。はじめてつくった棺桶は妻のものだった正平:勝蔵の弟子で同じ長屋に住む寛次郎:筆が得意な雑用がかり道俊:寺に属さない、渡りの坊主巧重三郎:水死体を見るのが苦手な医者韮崎宗十郎:北町奉行所の定町廻り同心