イタリアに旅行した人も行きたいと思う人も必読の書である。イタリアの旅行しながら恋愛について考える書でもある。結婚とはそもそも理想があって、それを追求してゆくのか、それとも運命の出会いともいわれるように、偶然に出会ったときの’ときめき’ ’ひらめき’または’インスピレーション’か。イタリアへの旅行中に二人が偶然に出会う。日本に帰ってからも会うことを約束するが、一向に愛が深まってゆかない。むしろ離れてゆく。女性にはある理想像があるのだ。それは実像か虚像かは最後まで分からない。女性の実像がぼやけてきた時には、男の心は離れている。女性はそれを必死に引き戻そうとするが、あとのまつりである。最後には「どんでん返し」が待っているが、それは読んでの楽しみ。この最後の「どんでん返し」については脚色をしているけれど、著者が小学校の時に、田舎であった本当の話である。インターネットでは相変わらず、理想と現実との狭間で男女の相剋が繰り返されている。著者は愛などというものは初めからはない、育てていくものだと思うが、どうだろうか。各読者に聞いてみたい。