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キャプテンマークと銭湯と

「キャプテンは、」 耳の奥がきんとした。
「大地にお願いしたい」 背筋は伸びきったまま、制止した。
息も止まった。
周りがかすかにざわついた。
そのざわつきを押さえるように、「はい!」 威勢のよい声が、後ろからまっすぐ飛んできた。
「よし。
大地、頼んだぞ」「そうだ、周斗。
キャプテンマーク、あとで大地にわたしといてくれ」ずっとつけていたサッカーのキャプテンマークを、他のチームから移籍してきた大地に渡さなくてはいけなかった周斗。
くやしくて、チームメイトからも孤立してしまう。
自分がいやになっていた周斗が出会ったのは古ぼけた時代遅れの銭湯だった。
あさのあつこ氏の推薦デビューの著者が描く、切なく温かい感動の物語。




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