後宮の奥、漆黒の殿舎には人喰いの鬼が棲むという―― 泰山の裾野を切り開いて作られた綜国。<br />十五になる沙夜は亡き母との約束を胸に、夢を叶えるため後宮に入った。<br /> しかし、そこは陰謀渦巻く世界。<br />ある日沙夜は後宮内で起こった怪死事件の疑いをかけられてしまう。<br /> そんな彼女を救ったのは、「人喰いの鬼」と人々から恐れられる人ならざる者で――。<br />『座敷童子の代理人』著者が贈る、中華あやかし後宮譚、開幕!