薫風ただなか
江戸時代中期、十五万石を超える富裕な石久藩。
上士の息子でありながら、鳥羽新吾は藩校から郷校「薫風館」に転学する。
母からは強く反対されたが、毎日仲間たちと切磋琢磨しつつ青春を謳歌していた。
かつて通った藩校は家格で全ての順列が決まる息苦しい場所だった。
ある日、気の強い母を厭い落合町の妾の家に暮らす父が久しぶりに家に戻ってきた。
新吾と二人きりになると「薫風館」を探る間者になれと新吾に命じる。
「薫風館」の教授陣の中に、藩主の暗殺に関わる陰謀があるという。
それは新吾の仲間たちまでも巻き込む嵐の前触れだった!
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